超がつく久々のエントリーです。
はじめに申し上げますが、不評の長い文章です。
2011年は日本にとって試練でもあり、プロトリーフが属する園芸業界でも、かつてこれほどまでに「土」が良い意味でも悪い意味でも注目されたことはなかった年です。
3月11日というとてつもない試練は、東京にいる私にとって、東北各地の皆様とは比べものになりませんが、とても大きなものでした。
そして予想しなかった7月25日のNHKの報道「腐葉土から高濃度のセシウムが検出」というニュース。
これほど当社の属する業界を揺るがした経験は、業界の先輩に伺っても当たり前ながら例がないと口々にいわれておりました。
7月から当社の第12期の開始ということで、ブログというメディアの力を借りて、「土ブログhttp://tsuchi.blog.protoleaf.com/
」を私が担当しました。
このアクセス数たるやとてつもないもので、業界のみならず、一般の方々の関心も非常に高いことを肌で感じ取りました。
経営的には危機を当然ながら感じ、神経が常に過敏な状態であることが続きました。
ただ創業期に経験をしたずっとエンジンがかかっている状態というのでしょうか、体調を崩したり、胃腸を壊したりということはなかったので、丈夫に生まれてきた自分に感謝です。
2ヶ月を経過しても事態が完全に収束したという状況にもならず、今でも来年の春にどのような状況になるのか予想もつきません。
毎年、今年のBestBookを選んでいるのですが、今年はこれに関連して非常に役立った本を1冊あげたいと思います。
「インテル戦略転換」 アンドリューグローブ著
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AB%E6%88%A6%E7%95%A5%E8%BB%A2%E6%8F%9B-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BBS-%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%96/dp/4883043339
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この本に「10Xの力」ということが出てくるのですが、この本を7月25日の直前に読み終わっていたので、非常に役立ちました。
インテルのような優良企業でもかつてない経験をしていて、そのときに起こる、とてつもなく大きく、自らではコントロールできない力のことを「10Xの力」と呼んでいます。
当社にとっては、腐葉土からの高濃度セシウム検出というニュースはまさに「10Xの力」が働いたときでした。
ただ、アンドリューグローブがメディアから批判をうけたときに対応したように、当社もそれに見習い、「事実を土ブログにおいて伝える」ことを鉄則として対応していきました。
ここ数ヶ月こちらも更新が滞り、多方面から「やる気はあるのか?」などといただいており、反省をする毎日ですが、このメディアの伝えるスピードと言葉を間違わなければ、この正確性というのは非常に貴重なものであると感じました。
腐葉土、赤玉土、鹿沼土など、北関東の土に私を含めて園芸愛好家はお世話になってきたわけですが、これに頼らない栽培方法や素材はないのか?と来年の春に向けての準備を進めております。
私の土ブログなどの更新頻度の低さなどはありますが、優秀なスタッフやサプライヤーの皆様に支えられ、日々進化を続けておりますので、是非今後もプロトリーフ製品、サービスにご注目ください。
それと11月から12月にかけての半月程度、海外出張に行ってまいりました。
バングラデシュやスリランカに訪問し、これほど日本というナショナリティーを感じたことはない出張となりました。
日本人というだけで、「お金を持っている」「ハイクウォリティーである」という印象を現地の方々は持っているようで、バングラなども日本のODAが1位ということで、日本にはある種の尊敬をしている、ということを現地の方々は言っておりました。
日本人である私にむかって、尊敬していない、とはいえないからであると思いますが、周囲の目や空気を感じることができたのは、本当に感謝するべきことで、日本人に生まれた、というだけでどれほど幸せなのかを感じる出張となりました。
日本人の収入の格差、住宅の狭さ、政治への関心のなさ、などがメディアなどで盛んに報道されていますが、バングラディシュは北海道の1.7倍程度の面積に1億7千万人が住んでいるという人口密度で首都のダッカの人の多さたるやとてつもないものです。
明らかに、どう見ても日本人の方が物質的には豊かであると私は客観的に思いました。
そしてやろうと思えば、日本にいる日本人の方がバングラデシュの村人よりも明らからに経済的にも成功する確率が高いと思います。
社員総会ではこの話をしたときに「できない理由をあげて結果に言い訳をせず、できる理由をあげて運命を変えよう」と添えました。
そのバングラデシュでの滞在中のニュースでうれしかったのは、大学のサッカー部同期である森下仁志がジュビロ磐田の監督就任というニュースでした。
大学時代は同じグランドでプレー(といっても私は2軍でした)していて、この結果を見るとよくわかるのが、
何かを信じて努力することが大事である、
ということです。
森下は天才肌ではなく(私に言われたくないと思いますが)、人の倍以上の練習量や努力でJリーガーとなり、10年以上現役でプレーをし、38歳という若さで監督になるという偉業を成し遂げました。
帰国後電話で話す機会があり、
「おめでとう」といったところ、
「ありがとう、でもまだ成功したわけではない」
と森下らしいコメントが返ってきました。
「でもここまでたどり着いたコツはあるでしょう?」
と聞くと
「周囲に生かされてきた。まじめに努力をしていると自然に良い環境ができあがっていき、周囲に情熱のある優秀な人が集まる」
というような内容を話していました。
常に油断をせず、自ら努力をし、結果をだしても、周囲に生かされてきたという謙虚さを持っている。
そして会話の合間合間に
「加能の方がすごいよ」
などと褒めてくれる。
ビジネスマンにも非常に重要な要素が多数あり、私も見習い、お互いに結果を出すことができればと思います。
大変長い文章になってしまいました。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
2012年は幸ある年となるよう祈念し、2011年を終えたいと思います。