黒田総裁は本日、参議院財政金融委員会で以下のように発言し、ドル/円は123.30円から一時123.80円へ急上昇しました。
「(10日の発言は)名目為替レートの水準や先行きの評価を申し上げたのではない」
「実質実効為替相場は、名目の2国間の相場の先行きを占うものではない」
「名目ベースで円安を望んでないとか、円安にならない、と言ったわけではない」
ただしこれらは、10日の発言を修正・撤回するものではありません。
むしろ、一部に誤解している人がいるかもしれないが、ということで名目と実質の違いを説明しているだけです。これは円売り材料ではありません。ドル/円相場もすぐに123円台半ばへ反落しています。
引き続き、日銀がこれ以上の円安の可能性が低く、追加緩和の必要性も低く、これ以上の円安が経済にメリットがあるとは確信していない中で、前回10日の発言が流れた時点での水準である124.50円が上値として意識され続けるでしょう。
(参考)6月10日の主な黒田発言は以下の通り。
「実質実効為替レートでみるとかなり円安」
「ここから更なる円安は普通に考えるとありそうにない」
「これまで円安が経済にプラスだったから、更なる円安で更にプラスということではない」