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少し前に、夫が「ロシアのコンスタンティン・メンショフ選手、引退するみたいだね、残念だね~~!」と騒いでいた。

メンショフ選手は、まあ、ロシアのオールドスクールのスケーターというか、男らしいダイナミックなクワドを30歳を越してもバンバン跳ぶ、なかなかかっこいいスケーターさんだったのである。

なんとなく無口そうで、シャイな感じも素敵な、個性的なスケーターで、昨シーズンはT-シャツに自分のガールフレンドのアテミエヴァ選手の顔をプリントしたものを衣装にしたりして、ロマンティストなのである。

しかし、32歳という年齢もあって、負傷が続いたようである。昨シーズンはフィンランディアで優勝したけれども、その後あまり調子がでないままでシーズンを終えた。そして、引退の宣言である。

残念だけれども、これからコーチとして頑張ってほしいし、できれば日本のアイスショーなどにも出演してくれたら嬉しいが、日本ではあまり知られていないスケーターさんかも。主に、ヨーロッパの試合に出場していたから・・・。


そして、このところ聞こえてくるのは、フィギュアスケートのルール変更のことである。まだうわさの段階かもしれないが、たとえばプログラムをもっと短くするとか(ショートかフリーかわからないが)、ザヤック・ルールをもっとゆるくするとか(繰り返しちゃったジャンプのみ0点で、コンビネーション全体が0点にはならないように)、またショートでのトップ3は、フリーでは最終グループの最後の3人にする、というルールにするらしい。もっと大きなニュースは、どのジャッジが誰にどんな採点をしているのかを隠さないことになった、というものである。


もともとは、ジャッジが一人ずつ5.8とか6.0とか書かれたふだを持ち上げてジャッジしていたのに、ある時点で匿名になった。(試合ごとのジャッジが誰かはわかりますが、誰がどの選手にどんな採点かが匿名)


そして、そんな中、フィギュアスケートの不正採点という大きなスキャンダル(2002)が起きたのである。賄賂をもらって不正に関わった人たちはその時ペナルティを受けたが、その後なんだかまたずるずると組織に戻っちゃった人もいたみたいで、何人かは役員にまでなっているのである。チンクワンタ氏は、このジャッジの透明性を高めるという新しいポリシーには反対を唱えたそうだが、ISUメンバーの多くが匿名を捨てることに投票したそうである。


今の採点方法に問題があるとは思わないが、採点に納得がいかないコアなファンがチマタで不正だなんだと文句をいうのであれば、透明性を高めて、どのジャッジがどの選手にどんな得点をつけているということが分かった方が、却って文句がでないのではないだろうか。ISUという組織や、審査員に観客が信頼を置いていないというのは困った状況なのである。


そういえば、昨年のGPFで、たまたま朝食のテーブルが一緒になったチンクワンタさんが、しきりにルールの変更に関して周りの人と話していたな・・・。彼もこのたび人事異動があって、新しい会長さんは、Jan Dijkemaさんという人だそうだ。また、スピードスケート界からである。しかし、少なくともフランス人のGailhaguetでなくて良かった、と夫はいう。

「すべてのISUの試合でエリック・ボンパールや今度のGPFみたいなフランス風マネジメントをやられたら、観客は大変だよ・・・。マルセイユはカオスになるよ・・あんなにたくさんのチケットを自由席で売っちゃって。練習のチケットだって、当日現場で売るそうだし。また日本人のお客が前日の夜中の2時から寝袋で外に待機して、座席に荷物をおいて、5時間も6時間もどこかに消えるかもよ・・・そしてフランス人はそんな荷物をどけて座っちゃうから、きっとそこら中でケンカが起きるよ・・・」と。怖い予想ではないか。

ともあれ、新しいシーズンは、ルールの変更や、もしかしたらプログラムの時間の変更までがうわさされているので、選手もどれが本当の情報なのか、知りたいところだろう。


新しい会長さんは、しかし2年したら退陣する、と宣言をしているらしい。オリンピックが過ぎたら辞める、と。少なくとも彼は、先の不正事件にはかかわっていない人なのである。そして、組織の「リフォーム」に熱心なのだそうである。彼は、「スケーターたちにも、色々な決定にかかわってもらいたい」と話しているらしい。 2年でなにができるか。 2年で、1994年から続いた、チンクワンタ主導の古い体質を変えて、新しい若い人たちを入れるつもりなのかもしれない。


ISUがどうかわるか、それも楽しみな新しいシーズンなのである。