バリタチのゲイのドラマがあった?
「俺、姉ちゃんがうらやましかった」コぶっとくけど、もうちょっとお父さんたちに甘えてあげな。 あんたかかまわないでくれ光線出してるのがいけないんだから。 親って子供がいちばんなのよ。 お父さんが調理師学校のパンフレ″ト集めてるの知らないでしょう」「調理師学校……」「費用としてお母さんは定期預金ひとつ解約したみたいよ。 どうだ反省したか」もう何も云えなかった。 「だから」姉は急に疲れたようなため息をついた。 「とにかくここでこれ以上ショ″ク与えるのはやめとこう。 あんたがもうちょっとしっかりして自分が揺らがないようになったら、そのときは好きなようにしなさい。 ね」はい終わり、と姉は立ちあがった。 椅子を机に戻した手に、もう指輪はなかった。 一か月後離婚が成立して、佐伯さんは出ていった。 せっかくリフォームした離れがもったいないからと、姉はいちばん広い部屋にピアノを移し、生徒の数を増やしたほかに、銀座の音楽スクールの講師もやり始めた。 コンクールになんどかトライし、ついにコンサートピアニストの夢をあきらめた直後、姉は地元のミニコミ誌に募集を出して、自宅でピアノ教室を開いた。
尺犬のゲイと仲良くなる方法
古代ギリシアすなわち同性愛称揚の地との結合が成立するのは当然の成り行きであった。 それでなくてもギリシアに範を求めるとは、ヨーロッパ文明の嫡出子を名乗ることだ。 シードの『コリドン』が典型的に示すように、同性愛的欲望に伴う気品・信義・男らしさ、それに貴族性や精神性を顕示するのに、これ以上の論拠を見つけることはできない。 ひとくちに同性愛的欲望といっても、そこに託された理想には種類がある。 男らしさ・勇気・健康さにこだわるタイプもあれば、逆に女らしさ・繊細さ・優美さを求めるタイプもある。 この二つはときとして相互に区別できないにせよ、ギリシア型の同性愛はもっぱら前者である。 しかし実際には、ちょうどオスカー・ワイルドのように、前者に属するとはちょっと考えにくい同性愛者であっても、ギリシアに寄り掛かろうとする姿勢がまま見受けられる。 退廃的でさえあるこの世紀末的な耽美主義者は、有名な法廷での弁明のなかで、しきりに壮年男子と若者とのあいだの精神的にして高貴なつながりを讃えるのである。
あいあんほーすという名のゲイ出会いの達人が全国の発展場のゲイ出会いを総なめ!
ヴォーグーベール氏が独特の声でシャルリュスとしゃべっているのを聞くとすぐ、「シャルリュスの一味だ!」と素性が知れる(m、六三。 とどのつまり、シャルリュスは「他の多くの倒錯者に共通のもの」によって覆い尽くされ、「可能な限り自分自身から遠いところに到達」してしまう。 話者にはもう彼を他の倒錯者の誰かと区別ができないくらいなのだ(Ⅳ、三四三)。 バルザックと同様プルーストにも、いわば人相学的に外見を内面の表われとみなす見方があった。 目や髪の毛や皮膚の色、それに顔の形や目鼻立ちから、プルーストが一個の体系を作り上げたとし、これを「人相学の分野での天才的な革新」とたたえる研究者もいる。 それに、彼にとって同性愛傾向とは一つの病気であるからには、個人の制御を超えたそれ自身の徴候と発現形態と展開の仕方がついてまわることになる。
ベアなゲイと恋愛中!
離婚の意思表明から一週間たったけれど、佐伯さんはまだ隣の家から仕事に通っているし、姉は主婦として家事をやっている。 それがどんな感じなのか、ぼくがたずねられるわけはない。 「もうみんな十分くたびれてる」姉は力なく微笑んだ。 「あたしね、もし透さんが自分の旦那や恋人じゃなかったら、あんたとのこと支援できたと思うよ。 そりゃびっくりしたけど、外国じゃ結婚できるとこまできてるんだしさ。 いろんな人がいていいじゃない。 でもお父さんたちの歳じゃやっぱり無理よ。 お母さんは必死で理解しようとするだろうけど、育てかたが悪かったせいだとか見当はずれに悩んで、結局自分もあんたも追いつめちゃうと思う」どうしてそんなにちゃんと考えられるんだろう。 姉は、やっぱりぼくの自慢の姉ちやんだった。 「あたしも泣きたいんですけど」姉はつま先でぼくの脚をつついた。
バリウケでガテン系なあいあんほーすの悩み日記
雨漏りのしたに置いた洗面器みたいに、放っておくとすぐいっぱいになる。 いっぱいになったら処理しなくてはならない。 ちょっと辛抱すれば吸収されてなんともなくなるというのを聞いたことがあるが、その境地もなんだかおそろしくて踏みこめない。 湯気と水音とで嫌悪感を覆い、使いなれた機械を点検するつもりで手を動かす。 頭はできるだけ空っぽに。 とことん事務的に。 別れたばかりのころは、ちっとも厭じゃなかった。 悲しみにさえ掻きたてられ、泣きながら没頭して果てることができた。 あんな恋は、あるいは人生一度きりなのかもしれない。 免疫ができれば二度と罹らない、伝染病のようなものなのかもしれない。 シャワーからあがると、携帯のメール着信が点滅していた。 姉からのメールだと確認した祐司は、もういちど手を洗いに戻った。