先日、ナイロビのKenyatta International Conference Centreで行われた「First National Human Resources for Health Conference」という会議に参加してきました。その名の通り、ケニアで初めて行われる保健人材についての会議です。会場はこのように立派な所でした。

$『ライオンの食欲。』


『ライオンの食欲。』


初日は雰囲気に呑まれてかなり緊張していましたが、2日、3日と過ごすとなんとも感じなくなっていました。人間、どんな環境でも慣れるものですね。(良い所でも、悪い所でも)
会議の目的は、保健人材の問題(医療従事者の不足、医師・看護士等の海外流出、地域間のバランスの不均衡、定着率の低さ、質の低さ、など)の解消に向けて、まずはケニアの現状を確認するとともに今後の政策のプライオリティを上げていきましょう、というものです。ケニア保健省が議長となり、WHOやUNICEF、アメリカ政府や日本のJICAもスポンサーとなって行われました。
WHOの2006年の報告書によると、世界的に保健人材の危機にある国は57ヶ国あり、ケニアもそのうちの一つです。

正直に言って、英語の問題ですべてを聞き取れたわけではないのですが、印象に残った言葉にアフリカ開発銀行の保健部門の人が言った、「Health is beyond MOH(Ministry of Health)」というものがあります。つまり、健康という問題は、保健省だけの問題ではなくて他の省庁(保健人材の質・量を増やす→教育省、病院へのアクセスを改善する→交通省、安全な水・衛生環境を提供する→水・環境省、保健分野に資金を提供する→財務省、など)の協力が欠かせないということです。例えば、ケニア北部では他の地域に比べて医療従事者が少なく、また理科・数学の成績が他の地域に比べて低いというデータが示されていました。
今回の会議は役所からは保健省のみの参加でしたが、具体的な計画を立てていく際には他の省庁とも連携していくことが求められることでしょう。
なお、途上国での保健分野の人材問題について、アニメでわかりやすく説明しているのがこちらの動画。



また、この会議のすぐ後に、出願をしていたイギリスの大学院から合格通知をもらうことができ、保健分野の人材育成について来年秋から学ぶことになりました。
そもそも、この分野に興味を持ったのは、協力隊のエイズ対策の会議がきっかけでした。まだ他の大学院からの結果通知をもらっていないので、どこの大学に行くかまだわかりませんが、他の大学院もイギリスです。


その喜びも束の間、ナイロビから帰ってくると同僚から「姉の子供が亡くなった」との連絡を受け、今日葬儀に参列してきました。その子は生まれたばかりの時に会っていて、私の名前がニックネームとして名づけられていたこともあり、非常に親近感を持っていました。
ここケニアでは1000人中74人の子供が、任地グチャ県では1000人中111人の子供が5歳の誕生日を迎える前に亡くなっているのが現状です。わずか1歳2ヶ月しか生きることの出来なかったこの子の為にも、一人でも多くの命が守られるように保健人材の確保&保健システムの構築に向けて全力で取り組みたい、と改めて誓った一日でした。

早いもので今年もあと1ヶ月と少しになりました。

12月のイベントといえば、そうクリスマスですよね。

日本ではクリスマスモードに徐々になっているのでしょうか。

(ここケニアの田舎ではまったく感じることはありませんが・・)


さて、そんなケニアからクリスマスギフトのお知らせです。

無印良品とJICAのコラボレーション企画 で、ケニアのソープストーンが

「世界のクリスマス」 として店頭で販売していただけることになりました。


ソープストーンの産地は私の住んでいる所の隣の県で、

他の協力隊員はこの企画に携わっています。


私もソープストーンの置物を部屋に置いてますが、

見てると気持ちがとてもなごみます。


プレゼント用に、自分用に、どうぞ。