きたぁー
ジョーカーはあいつだ
第673話 “ヴェルゴとジョーカー”
扉絵は「深夜の博物館で恐竜の化石と踊るブルックと それを発見した警備員ウソップ」
新世界―とある島―
「子供達を探して下さい!!」
「どうかもう一度だけ…!!」
「ムダだムダ ムダすぎる!!」
「海軍の力で捜索をお願いします!!」
「できれば!たしぎ大佐という将校さんにお話を」
「ずいぶん親身に話を聞いて下さると評判だ…」
「あァ!?」
「フザけるな!なんたる侮辱だ!」
「我々も同基地『G-5』の海兵だ!」
「貴様ら!軍の報告を疑い!この管轄を仕切る我々に不満をもらすのか もらしすぎるのか!」
子供の捜索を懇願する民衆を足蹴にする海兵
部下「准将!!やりすぎだぜ ギャハハ」
准将「いい加減聞きわけろ!!わけすぎろ!」
准将「子供らは『事故死』だ!」
准将「この件は『G-5』のトップ!!“ヴェルゴ中将”に何度も確認しすぎ!!」
准将「一万回の捜索を行った!!」
部下(また大げさに…!)
准将「これ以上騒ぐと公務の妨害につき貴様らをブチ殺し!町に火をつけるぞ!」
住民に脅しをかけ、去っていく『海軍「G-5」 06部隊』ヤリスギ准将。
ヤ「フン…たしぎちゃんを出せだと!?調子に乗りすぎだ!」
「そりゃあおれの部下ならどんなに良いか!良すぎだ!」
「あの娘は01部隊スモーカー中将の右腕だぞ!右腕すぎる!」
「3年も前の事故をムシ返す様なお前らにつき合ってるヒマなどなさすぎだ!」
「クソ共め!」
訴えが退けられ、悲嘆に暮れる島民達。
「『G-5』のヴェルゴ中将に話が通ってるってのは本当だろうか…」
「一度この島を海賊から守ってくれた…!とても『G-5』とは思えないほど紳士な海兵だった」
「あの人もこれを…事故というのか…」
「当時近所で遊んでいただけの子供が…気付けば『海難事故』で死亡…!?」
「こんな話信じられるか…!!」
「生きてるわよ!」
「子供達はきっと生きてる…!どこかで必…!」
パンクハザード島―氷の土地第一第二研究所跡 ナミ・ウソップサイド―
「ウソップ!早く眠らせて!」
「………!やってるが………!」
「そう何度も効くモンじゃねェよ!」
「きっと禁断症状の苦しみの方が上なんだ!!!」
「じゃ…!どうすんの!?」
「何とか抑えるしかねェよ!頼む!サンジ!」
「ナ・ミ・で・す!!」
「くそー見た目は頼りになりそうなのに」
「悪かったわね!!」
禁断症状により、キャンディを求めて暴れる子供たちに手を焼くウソップとナミ
「苦しいよォ…キャンディ食べたら楽になれる」
「くれよキャンディー!!!」
「ギャ――!来たー!」
「も…もう攻撃していいだろ!ありゃ怪物だ」
「ダメ!バカね!子供よ!?」
「あ!!」
暴れる子供達への攻撃も考えはじめたそのとき、子供たちの動きが止まる
「“M”だ~!」
ウソップとナミの背後に現われたシーザー
「大丈夫か?子供達…!シュロロロ…」
「さァ帰ろう研究所へ…ここは危険だ」
「いつもの…おいしいキャンディを食べたいだろう…?」
ウソップ&ナミ「「マ…“M”!?」」
パンクハザード中間の湖
「バオオ~!!!」
響き渡るスライムの咆哮。
ブ「スライムが…怒ったァ~!!?」
サ「何だ!?急に!」
ゾ「さっきのチビスライム達がみんな爆発しちまったからじゃねェか!?」
錦「親子の様なものか!!?しかしああするしか…!」
サ「なんか 形が変わっていくぞ!?」
錦「あれは何でござろうか…!」
形を変え、爬虫類に似た姿に変化するスライム
サ「何だ!?カエル!?」
ゾ「…トカゲじゃねェか?」
『スマイリー “M”のペット サラサラの実モデルアホロートルを食べたゲル状有毒ガス』
「バオ!?」
スマイリーが一行に向けて特大のスライムを吐き出す
ブ「ちょっとコレデカすぎますよ~!」
サ「走れ~!!」
ブ「ギャア~!!」
間一髪、攻撃を回避したものの、地面に着弾したスライムが本体とは独立して動き出す
錦「いくらでも分身が出てくるのか…!?」
ブ「ーいえ 向こう岸の固体は心なし縮んでる気がします!」
サ「じゃ最後にゃ向この奴はなくなるわけか!?」
「もしかして“自分を”飛ばしてこっちへ来ようとしてんじゃ…」
「あんなのにコッチ側で暴れられたらコトだぞ!!」
ゾ「そうだな…斬ればガス 燃やせば爆発―それもさっきの比じゃねェ…!研究所もヤベェだろ!」
錦「何…!?では急がねば!!モモの助ェ~!」
ゾ「お前らどうする おれは研究所へ行くが」
サ「そしたらおれらも行くしかねェだろ!」
「お前キンエモンと別れて別になったらどこへ行く!?」
「おれ達ァ島中お前を探すのか!?」
ブ「ヨホホ 私も彼の剣術見てみたいですし!」
「行きましょう!!研究所へ!!」
シザー・クラウンの研究所前
研究所へ侵入を試みようと扉へ攻撃を加える海兵達
「スモやんを返せ!シーザ~!」
「たしぎちゃんを返せー!」
「ここを開けろォ!畜生ォ!」
「何だこのぶ厚いシャッター ビクともしねェ!」
「バズーカでもダメだ!」
「裏口はどうだ!?」
「どこもムリだ!八方シャッターが下りてる!」
「くっそ~あのガス野郎!」
「―この気味悪ィゼリーは急に降って来なくなったが…!」
「だが気ィつけろ 少しずつ集合してでかくなってきてる!」
「どうすりゃいいんだおれ達ァ~!」
「船ももう盗めねェ!退路を絶たれてる…!」
「どこにも連絡できねェただ極寒の地に放り出されただけだ~!」
研究所内 シーザーの研究室
ヴ「シーザーは…何を始める気だ…!」
モ「…さァ 彼のペット『スマイリー』を起こしたという事は…」
「大きな実験でも始めるんじゃない?」
「ヴェルゴ あなた今朝ハンバーガーでも食べた?」
ヴ「?」「なぜわかった?」
「好物だ」
モ「お口の横にハンバーグの食べカスが…」
改めてヴェルゴのキャラ紹介『海軍「G-5」基地長 ヴェルゴ』
ヴ「その実験はぜひ見ていきたいものだな…」
「外の奴らは全員死ぬのか?」
モ「たぶんね この研究所内にいれば安全よ」
ス「おいヴェルゴ!外にいるのは全員『G-5』の海兵!お前の部下だぞ!」
2人に会話に割り込むスモーカー
ヴ「ああ そうだな…」
「―しかし」
「一つの檻に入るには あまりに豪華な顔ぶれだな…いい眺めだ」
研究室内の檻にとらわれルフィ・ロビン・フランキー・スモーカー・たしぎ、ローも彼等とともに捕らえられている。
ニコ「何だか懐かしいわね あなた達が同じ檻にいると…」
ル「そうそう おれとケムリン アラバスタでお前らに捕まった事あったよな…」
ス「黙れ貴様ら!」
た「スモーカーさん 私…!この気持ちどうすればいいのか…!」
ス「―お前の予想が最悪の形で的中したな」
「つまり…シーザーがガキ共を連れ去った“誘拐事件”は」
「こいつの手で“海難事故”にすり替えられてたというわけだ」
「―よりによって基地のトップが不正の張本人とは」
「『G‐5』らしいと言やあそうだが…軍の面子は丸潰れだ」
ロー「…お前らが気づかねェのも無理はない…!」
「ヴェルゴは海軍を裏切った訳じゃねェ」
「元々奴は海賊なんだ」
「名を上げる前に“ジョーカー”の指示で海軍に入隊し」
「約15年の時間をかけて一から階級を上げていった」
「“ジョーカー”にとってこれ以上便利で信頼できる海兵はない」
「ヴェルゴは初めからずっと“ジョーカー”の一味なのさ…!」
ス「“ジョーカー”…確か裏社会の仲買人の名だな…」
「…自分が情けねェ…こんな近くのドブネズミの悪臭に気づかねェとは…!」
ヴ「そう悲観せず…優秀な“白猟”の目をも掻い潜ったドブネズミを誉めてほしいもんだスモーカー君」
「お前が本部から転属して来た日から 最大限に警戒網を張ったよ」
「そのストレスから今日解放されると思うと嬉しいね」
「しられちゃマズいおれの正体を明かしたという事は どういう事かわかるな?」
「スモーカー中将 たしぎ大佐 キミらはここで死に…その口は封じられるという事だ…」
「表にいる部下達もシーザーにくれてやる」
「なァに…“いつもの様に”ちゃんと『事故』と処理しておくさ」
ル「おいトラ男」
「さっき言ってた“ジョーカー”って誰だ?」
ロー「………―おれも昔…そいつの部下だった…」
「だからヴェルゴを知ってる」
「“ジョーカー”とは闇のブローカーとしての通り名だ」
「だがその正体は世界に名の通った海賊」
「『王下七武海』の一人…」
「“ドンキホーテ・ドフラミンゴ”だ」