夜中に音が鳴っても、
部屋を見渡すことはない。
体の中から出ていることが、
わかっているから。
時々
飲みかけのグラスや、
つぶれたカバンが、
私に共鳴して、
同じ音をさせている。
いつか砕かれることを、
引き裂かれることを、
ひっそり待っている。
窒息しそうな深夜を耐えて、
ブルーとオレンジが混ざった、
薄く輝く朝日によって意識を紛らわす。
また、音が聞こえてくる。
いつか、つんざくような音の刃(は)で、
粉々になってしまいたい。
夜中に音が鳴っても、
部屋を見渡すことはない。
体の中から出ていることが、
わかっているから。
時々
飲みかけのグラスや、
つぶれたカバンが、
私に共鳴して、
同じ音をさせている。
いつか砕かれることを、
引き裂かれることを、
ひっそり待っている。
窒息しそうな深夜を耐えて、
ブルーとオレンジが混ざった、
薄く輝く朝日によって意識を紛らわす。
また、音が聞こえてくる。
いつか、つんざくような音の刃(は)で、
粉々になってしまいたい。
8月23日
中学の同級生(男子)から、やせて本当によかったね。本当に。
本当に…あのままだったらどうしようかと…
と言われる。
帰りにティラミスを注文するが食べきれず、
彼はそれを食べながら、
「いい傾向だね」
と、しつこく太っていた過去を思い返していた。
8月27日
映画を見に行く。
同い年の友人が、学生証の提示を促され、
続いて窓口に行くと有無を言わさず、大人料金を請求された。
学生でもおかしくない年齢なのに…と悔しく思いながらも、
こんな時のために隠し持っていた学生証(期限切れ)を使って溜飲を。
よいこは真似をしてはいけないし、これで最後にしようと心に誓う。
8月28日
昔付き合っていた大人の彼に遭遇し、記念にする。
おばあちゃんの、
「最近はコンビニでだって買えるんでしょう。
ちゃんと避妊してしなさいよ」
と言う言葉を思い出す。
ちゃんと、が避妊にかかるのか、しなさいにかかるのかは、
わからないでいたほうがよいような気がしてその日を終える。
8月29日
秋を小物から表現したい、と突然ファッションのなにかしら(神的なもの)に促され、
靴と帽子とバッグを購入する。
気に入ったものと奇跡的に廻り合い、感動していると、友人に、
「蝶子ちゃんはお金がなければ、節度もないけど、
とりあえず楽しそう」
と、なんとも言えぬ表情で告げられる。
いい意味にとらえると、そういうとこがね、と今度は確実に嘲笑っていた。
8月30日
美術館へいき、その足で友人宅へ行き、例えばの話をする。
自分を好きだという、話が合い自分をよく知るA。
見た目が好みで、数回話したことのあるB。
どちらかと付き合うかとしたら、どっち?
という例え話。
Aと付き合えばおそらく結婚が、
Bと付き合えばおそらく破局が予想される。
「たださ、
よく知るAのことはさ、よく知ってるじゃない?
Bのことは知らないじゃない?でも、そうなると知りたくなるじゃない?」
「まぁ、最初はね」
「知りたいじゃないの。
どんな服を来ているのか、妹はいるのか、どんな乳が好きで、照れたらどんな顔をするのか」
「はぁ」
「うちへ連れてきてさ、隅から隅までみていたいじゃないの!あの首筋を舐めてみたいじゃないの!」
「そこまで体が好きかね」
「好きよ。
中身はなにも知らないけど、ここまで熱くさせるほど好きな体なの。でもね」
「なによ」
「別れることは想定の範囲内。
だって、知らないんだもの。だって、いつものパターンなんだもの。
すらっとした黒髪系?
だらしない女が嫌いそうなかんじ?
最初はぶりっこしてる私を好きっていうのよ。
そしてだんだん仲が良くなるにつれて私のわがままや自由な行動に苛立ちをつのらせ、
こらえてこらえてある日爆発するの。
それに対してなんだか冷めてしまった私が、
あ、そう。でも、受け入れてほしかったの。
といってなんとなぁく別れるパターン。そのパターン。
あるあるですよ。想定の範囲内ですよ」
「じゃあ、Aにしたらいいじゃないのよ」
「馬鹿か!
私の脳みそは中2男子と同じだよ?
別れるとわかっていても、
いつも見守っていてくれた小うるさい幼馴染、
よりも、
ちょっとエッチでわがままな部活の先輩女子、
に惹かれれうがごとく、
AよりもBを選んで破滅するわよ。
ユウスケだって、歩じゃなくてバディ子と付き合ってたし!」
「そうだけど、もううちら高校生じゃないじゃん。
どちらかというと真山くんが言っていたとおり、
俺の年には母さん子供いたんだなぁ的な年齢じゃないの」
「それは・・・しかし」
というたとえ話をした。
たとえ。あくまで。