蓄熱基礎にトライしてまるまる十一年になります。
振り返ってみると、様々な試行錯誤を繰り返して行き着いたのは、最初に取り組んだ床下のない基礎ではなく意外なことに「床下空間」を活用する仕組みでした。


基礎外断熱によって、家の直下の床下空間は家の周囲とは違った環境になります。
耐圧盤の中に埋設されてパイプに深夜電力を使って熱効率のよいヒートポンプでお湯をつくり循環させることで、『輻射熱』+『対流』によって家中が信じられないほどのランニングコストで快適な床暖房の温かさに包まれることになります。
床下に存在する地熱エネルギーに少しだけ冬場は暖かさを加え、計画換気システムによって
暖められた空気も家中を循環します。
換気により汚れた空気を排出するときは、暖められた空気と湿度は家の中に回収し、汚れた空気のみを新鮮な空気と床下空間を使って入れ替えるシステムになっています。


この床下空間と屋根裏空間は多くの家では『外』です。
住宅の外にしてしまうには『もったいない』とても大切な空間だと思いませんか。
屋根裏は、ロフトにも屋根裏収納にも使える広さがあります。
床下は、冬は温熱のそして夏には25℃前後の新鮮な空気の貯蔵庫として大切な役割を果たしています。
床下空間にある地中熱は小さなエネルギーかもしれません。
しかし、家づくりの仕組みのなかに取り込むことにより、そんな地熱がこれからの住宅造りの中で大切な役割を果たしてくれると思っています。
「エネルギーゼロ」住宅は無理にしても、現在の家づくりにエネルギーを造る太陽光発電
(首都圏では4kW程度)を加えれば光熱費は『±トントン』の住宅が可能になってきました。


特に大震災後のこれからは・エネルギーは
『創る』+『貯える』+『賢く使う』ことでは無いでしょうか。
特別な工事を必要としない、余分な費用をかけない、今私たちの足元にある『地熱』と
『空気』そして『太陽光』を見直すことが大切だと思います。

こだわり住宅の現場から 作業日誌






記事by.榎(オフィシャルサイト・作業日誌より転記)  


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