お久しぶりです。

四十九日に向けて、会葬御礼状と今年採蜜したハチミツをちょっとだけ入れたものを御礼として送付いたしました。保険申請や書類関係もあれこれ終わってきました。全壊した家はうーんとストップしたままですが。どっと脱力感です。

四十九日を終えてから、ゴロゴロしていてはどうかなあとも思い、山中で何も考えず身体を動かしたいなと思って、ひろんた村に「こころの療養」として滞在してきました。

１日目（金曜日）

昼12時過ぎにびっぐあーす２号で有川港に到着。歌野さんが迎えに来てくれた。ひょうひょうとした感じ。早くきてしまっていたとのこと。小さな車に柴犬ウメと荷物を載せて、いざ、ひろんた村へ。

山の中にがたがたと向かう。

到着。おお、ここかあ。ひろんた村母屋に。スタッフAさんにウメが歓迎される。ウメは看板犬ペロタとご対面。ペロタ逃げる。入所者さんがウメにクッキーをあげて歓待してくれる。老人ホームといっても、あれこれモノもあって、生活感があっておもしろい。ウッドボイラーがあるので薪がつまれていた。

啓子さんにも出会う。ウニとミカンをお土産に。

母屋の土間で食事をいただく。ごはんとお味噌汁と煮物、漬物。うまい。

その後、母屋の周囲を散歩してみる。山の中で空気がうまい。海沿いの島とはまた違う空気。

散歩していると、軽トラで歌野さんが迎えにきてくれて、そのまま歌野家宅に。

あ、意外にもこんなに母屋から離れているのか。さらに林の奥に向かう。

歌野家が見えてくる。ほーー。思った通りの印象である。あれこれ自給のための道具や薪や木材などがあるけれど、長年の蓄積であるべきところにある感じ。落ち着く。

部屋に案内していただく。家の台所や倉庫やいろいろな道具類や発酵中のものなどが興味深い。

ちょっと部屋で休憩。歌野さんの本を読む。小雨が降ってくる。

四時半過ぎ、歌野さんが「さあ、飲みましょうか」ということで、自家製ビールをいただく。おー、うまい。普通の市販ビールとは違う。その昔、イギリスのパブで飲んだような奥深い味。これまた自家製ベーコンをつまみながら飲む。いやー。薪風呂を炊く間も飲む。ウメの散歩。

薪風呂に入る。うーん。身体の芯からあったまる。気持ち良い。

風呂からあがり、そしてまたまたビール。ふー。

いろいろとお話ししながら、啓子さんも料理を作ってくれて、夕食というかつまみというか。

これまた自家製焼酎に変更。さらに飲む。煮魚をいただく。大豆の醤油煮がうまい。醤油ももちろん自家製。いやー飲んだくれて、寝る。

２日目（土曜日）

7時半起床。もう歌野さんは起きて朝食の準備。啓子さんは畑？かな。

ウメの散歩へ。母屋まで歩いていくと、スタッフKさんが「ウメー」と。なぜにみなさんウメをご存知なんですかね。歓迎してくれる。「もふもふじゃー」と。

戻って8時朝食。ごはん、味噌汁、卵、納豆、漬物、ジャンとか様々。おいしい。皿洗いは歌野さん。さっさと洗ってしまう。腰が軽いのだ。

「さあて、ビールの仕込みと瓶詰をしましょうか」と。

まずは、ビン詰め用の蓋を100個選ぶ。

そして、空き瓶をアルコールで丁寧に洗う。雑菌が入らないように。ひとびん中をアルコールが流れるようにして、最後にちょっと瓶口をつけるのがコツ。60本ほど洗う。何回も何年もリユースされているビール瓶。最近はビール瓶を入手するのも大変だそう。

ここで、瓶詰予定のビール液の発酵がまだ止まっておらず泡がぷくぷくと。え、あのトイレ前のバケツがビールなのか。「うーん、今日は瓶詰めは無理か。じゃあとりあえず仕込むか」と。

缶に入ったスタウトとかラガーとかいったビールの素をお湯でとき、砂糖を加えて仕込む。アルコールを加えて、これをバケツに入れて一次発酵させる。

ひと段落ついたときに、隣の和室に糸紬機があり、あ、これで糸を紡ぐのですねと。「やってみます？」というので、やってみることに。

これが難しい。古綿をほぐしながら、糸をつむいでいくのだが、なかなか、左手と右手の回転とのバランスが難しい。いやー糸、さらには縫って布にするまでには程遠い。ただ、歌野さんがするととても回転が速く、これをしていると、いい精神修養になるとのこと。うーんその域までにはまだまだまだまだかかりそう。

お昼12時に啓子さんも帰ってきて昼食。歌野さんが作る。五島うどんを炒めたもの。皿を洗わせていただく。それぐらいせんば。お湯を使いながら洗う。

午後は、シイタケのホダ木が置いてあるところが鹿に荒らされたので、その網などの修理へ。シイタケも鹿が味見したそうで、残ったものの収穫とホダ木修理。家のすぐ近くの林の中にシイタケの場所が。あー、立派なシイタケがなってる！。菌を打ち込むだけでこんな立派にできるとは。立派に残っているものとかじられたものとに分けて収穫。シイタケって、下からのものはぐいって生えるんだ。そして、ホダ木も倒れたりしていたので、古いホダ木をのけて、まだ新しいホダ木を選んで、立たせておく。菌がまだあるところはこれからもまだ出るらしい。漁具で不用になった網が配られたということで、その網を鹿が入れないように補修する。意外に適当でもよいみたい。

もうひとつのシイタケの場所には、あたらしく網をかける作業を三人でする。昨日、雨が降ったので、ここの収穫はもうちょっと明日の方が干しシイタケには良いということ。

次には、芋焼酎用のサツマイモを切る作業。ひたすら輪切りにしていく。はじっこの土がついているところは切り落とす。切る、切る、切る。無心になる。今年は、ひろんた村の芋はイノシシにやられてしまい、知り合いの農家さんがちょっと虫がかじって出荷できないものをくれたらしい。でもぜんぜん立派な芋。

歌野さんが来て、今から町に回収作業にいくとのこと。「一緒に行きますか？」と。なんだろうと思うが、豚と鳥の餌となるパン耳と残飯を回収しにいくとのこと。同行する。山の中から町に降りていき、パン屋さん、病院、老健施設などの厨房などに置いてある残飯が入ったバケツを空になった新しいものと交換する。パン耳は、頭のいいカラスが狙う。ビニールにいれたパンの耳をつつくので、歌野さんは数枚パンをあげてしまう。あげれば去るのだ。なるほど。5ヶ所ほどの場所をぐるぐると軽トラでまわり、回収していく。聞けば、もう何年にもなる関係だとのこと。そして、毎日回収するとのこと。一年365日。休みなしである。軽トラはミッションで、スタッフさんはオートマ免許ばかりで歌野さん啓子さんしか運転できないとか。。。いやあこれを毎日とはしんどいのでは。港で到着した荷物を受け取る。宇久島からの無農薬米とのこと。軽トラにのせ、そのまま配達にも。

回収した残飯は、次の日にスタッフさんが豚と鳥にあげるように、豚小屋前に置いておく。そうそう、山に帰る途中に新聞を回収する。山中までは配達してくれないそうである。三種類の新聞。入所者さんも新聞を読むのだ。

帰ってくるともう夕方である。今日は薪で沸かすのをさせてもらう。新聞紙を入れ、細木から組んでだんだん太い木に。とは、頭ではわかっているものの、うまく大きな火にならない。ちょっと助けを出されて、空気の通り口をつくるのと、段ボールでガーて火を大きくしてしまうのがコツとのこと。なるほど。歌野さんは明日の米焼酎仕込み用の米を洗う。

そして、ビール♪。ウメ散歩。薪風呂。あったまる。ビール。

晩御飯は、採りたてのしいたけの炒めものと煮物。うまーい。しょうゆ豆もうまい。

今日ものんだくれる。痛風大丈夫か。

3日目（日曜）

7時半起床。ウメ散歩。

朝食は、ごはん、味噌汁、納豆、卵かけ。納豆のパックはきれいであれば、自家製納豆用にとっておくとのこと。

今日は、酒仕込みの日だっ。

米焼酎づくり。ウメは部屋に閉じ込める。庭の羽釜に水をいっぱいはる。そして、火を起こす。またもやへたっぴ。まだまだ火を扱いなれていない。昨日洗っておいた米を蒸籠に入れて蒸す。蒸された米を家の中で啓子さんが待っていて、麹と混ぜる。それを四回繰り返して素をつくる。発酵させるためにふとんでくるんでおいておく。

歌野さんが出て行った後、庭においてある丸太をチェンソーで切ることを頼まれる。以前、薪ストーブを使っていたので、チェンソーで、切る。切る。切る。うーん、久しぶり。

昼ごはんは、地獄炊き五島うどん。ごはんと煮魚も食べる。お昼をこんなにおなか一杯食べるのは久しぶり。

午後は、芋焼酎の仕込み。芋を切る。切る。切る。ひたすら切る。

そして、羽釜に火をつけ、蒸籠にいれて40分ほど蒸す。少し芯が残るぐらいとのこと。食べてもうまい。ウメにもおすそ分け。大きなバケツに水と芋を入れ、種となる麹を入れて混ぜる。それで発酵させるのだ。

今日は、町の回収をさせていただくことに。軽トラでまちに降りていく。スマホで施設を検索しながら回収していく。パン屋さんでは、表口から行ったら「裏から来て！」と言われる。途中、買い物もしたり、請求書を回収したりしながら、残飯回収を終える。これを毎日かぁ。まちの地理感覚がだんだんとわかってくる。豚小屋前に残飯を置いておく。カラスが来るので、蓋を載せておかねばならないらしい。スタッフKさんがペロタを散歩中で、異常に興奮。残飯がわかるのだと。ちょっとあげていた。豚さんも殺到。

歌野家に戻ってくると、芋焼酎仕込みの２樽目も終わっていた。およそ4週間でできあがるとのこと。最初にでる「ハナたれ」という一番絞りが濃くておいしいとのこと。蒸留装置の仕組みをお聞きする。うーん、理系だったけれど、感覚忘れたなあ。

ウメの散歩。ビール♪。

夕食は、スタッフさんが釣ってきたヒラスの刺身。うまい。芋焼酎。飲む飲む。

4日目（月）

7時半起床。ウメ散歩。母屋まで行くと、看護師さんスタッフHさんに「太ってるねー」と言われる。

8時朝食。ごはん、味噌汁、目玉焼き、朝採れレタス、ジャンなど。自家製醤油がうまい。

昨日、一ヶ所回収し忘れたところがあったので、朝のうちに回収に行く。残飯なので、毎日回収しないといけないところが大変だそう。今日は歌野さんが入所者さんを病院に連れていくとのこと。

で、家の裏の水源までの坂道が、台風や大雨などの倒木で詰まりそうだから、チェンソーで切って整理してほしいとのこと。了解ということで、チェンソーを持って山で作業。歌野家の水は裏山から湧き水を引いて使っている。だから水がうまいし、自家製酒、ビールもうまいのか。その大切な裏山の道を整理する。倒木を左右に避けておき、太い木はチェンソーで切ってよけていく。雨水が流れるようにしていく。いやあ、木材薪が豊富である。以前、薪ストーブを使っていたときは、薪の確保が大変だったが、ここは見渡す限り薪バイオマスである。いいなあ。そして、木と土と水だけの空間で汗を流して作業。久しぶりに身体を使う。テレビ取材でインタビュー受ける。

休憩後、軽トラで昼前にまちに出る。昼ご飯を町で食べてみようかなと。適当に見つけた「一番」という中華料理店で中華飯を食べる。うーん、ちょっと濃いかなあ。外食はおいしくないな。テレビがあり、アメリカ大統領選挙についてあれこれ。ほー。

その後、公民館で歌野本を読む。ついつい読んでしまい、残飯回収に行くのが遅くなり、心配された啓子さんから電話あり。5か所回収し、明日の芋煮会の買い物と、入所者さんの薬を薬局で受け取り、戻る。

急いで風呂焚きをして、ウメ散歩。そしてビール♪。

夕食は、しいたけと人参葉の天ぷら。椿油であげたもの。地元の塩でいただく。うまいー。のんだくれる。

5日目（火）

7時半起床。ウメ散歩。

8時朝食。卵かけご飯、味噌汁。漬物。納豆。この納豆は、前回の自給学校で仕込んだものとのこと。やっぱり豆がしっかりしてうまい。うまい。

昨日、芋煮会用の買い物で間違って豚肉を買ってきてしまったので（ひろんたでは豚肉は自給しているから不用(;。;)）、牛肉を買いに朝イチで町まで下る。新聞も回収し、母屋に届ける。ウメに会いたい会いたいと言っていたスタッフAさんに会う。「思っていたより若いー」と言われる。どうも高齢者に思われていた？らしい。

歌野家に戻ると、ビールの瓶詰作業の準備ができていた。発酵が終わったので、今日は自家製ビールの瓶詰作業。ビンの大きさに応じて、小さじ一杯前後の砂糖をまずビンに入れていく。

その後、発酵したビール液？をサイフォンの原理で各ビンに入れていく。これが初心者は難しいらしく、必ずこぼすとのこと。サイフォンで入れていくのが、最後まで入れるためには最適とのこと。替わってしてみると、最初はうまくいくが、ちょっと左手で瓶を取ろうとすると、ホースをもっている右手が下がり、あふれてしまう。ということで、誰もがするというあふれさせてしまった。これも、糸紡ぎと同じで、左手と右手とを別々の動作をバランスよくしなければならない。しかし、この作業風景もテレビ取材されたのだが、かなり怪しい風景である。おじさん二人で火炎瓶をつくっているかのような風景である。瓶口までちょっとあけて打栓機で栓をしていく。65本ぐらい。3ケースを倉庫に運んで終了。二酸化炭素を閉じ込めてビールとなる。

11時半に母屋にウメを連れて向かう。Aさんに「ウメー♥」と言われる。「かわいいー」と。Aさんのわんこマルともご対面。マルは尻尾をふっているが、知らない私が怖くてウーとうなる。男性は怖いらしい。母屋の前庭で羽釜で芋煮がつくられている。いいにおい。芋煮担当のAさんとお話しする。ＴＡＴＯＯについて。いや、私、入れないし。。。

ウメを抱いて、入所者さんたちにご挨拶。SさんとKさんと。「いい顔してるねー」と言われる。Sさんの軍用犬の思い出話を聞く。

12時前庭で芋煮会開始。みんなでワイワイと囲んで食べる。うまい。おかわりを何回も。締めはカレーうどん。おにぎりも、柿もおいしい。ウメも里芋のおすそ分け。Sさんとお話。若い頃や戦争時などの話。おもしろい。

13時半　農園のお手伝いへ行く。大豆の収穫したものをトラックで母屋前まで運ぶ。大豆と枝豆として食べられるものを選別する作業。のどか。

15時　部屋にウメと戻り休憩。歌野本を読み切る。実際の暮らしと本の内容がリンクしているのでおもしろい。歌野さんの考えも。

17時　歌野さん帰ってきてビール。鶏肉を串に刺す。風呂を薪で炊く。ちょっとはうまくなったかな。で、ビール。

18時夕食　焼鳥を七輪で焼きながらいただく。塩こしょう。うま。キャベツなどもつまみながら。ハナタレを飲ませていただく。うーまい。

20時のんだくれて寝る。

6日目（水）

7時半　ウメ散歩　ぺロタ散歩中のAさんと遭遇。ペロタとちょっとウメは仲良くなれ、そうではないか。

8時朝食　ごはん　味噌汁　目玉焼き、野菜炒め

部屋の掃除と歌野本を3冊購入。

9時　母屋に挨拶に行く。

10時　有川港まで送っていただき、帰路に。

久しぶりに、身体を動かし、自然のモノをいただき、新しいことをいろいろとさせていただきました。また、歌野さん啓子さんはじめ、スタッフのみなさん、入所者さんもやさしく、ちょっと引きこもって誰とも話したくなかったのが、話したい、楽しいと思えるようになりました。何より、毎日の３食と自家製ビールと薪風呂のリズムが心地よく。。。身体が欲しています。