泣いて笑って動物病院

泣いて笑って動物病院

泣きたくなるような、笑いたくなるような動物病院でのドタバタ劇を書いています

昔々あるところに一人の獣医がいました。
毎日仕事ばかりの毎日です。
いろんな動物がいろんな飼い主さんに連れられてやってきます。
信じられないようなことが毎日起きています。
99%リアルネタで楽しんでいってください。
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ご無沙汰していました。


今日は笑える話でも。


腫れ物が見つかったと言って獣医に駆け込んでくる飼い主さんは結構います。
でも腫れ物によりますが、見た目ですぐ診断が下せるものってほとんどないのです。

なので腫瘍の疑いのある場合はそこから色々な検査を重ねて
治療の必要性を調べていく可能性があります。

しかし見ただけですぐ分かるものもあるのですよ!


腫瘍を見つけた!と言って担ぎ込まれてきた患者さんを一目で見て
腫瘍ではないとすぐに言えたもの。。。



一番多いのはなんと



雄犬の乳首なのでした(笑



えぇ?と思います?
しかも子犬とかじゃなくて5-6歳くらいのわんちゃんを連れてきて
腫瘍を見つけたと言われても(笑



「これは乳首です。」



と伝えると、恥ずかしさのあまり真っ赤になる飼い主さんが多いのですが



「こんなものここにはなかった!絶対腫瘍だ!!」
と吠える飼い主さんもいらっしゃいます。


しょうがないので反対側にある乳首、
もしくは上下にある乳首を探し出し見つけてあげることで納得させるのですが。。。



「うちの犬はオスだっ!」と怒られたこともありました。



男性の飼い主さんだったので
「あなたも男性ですが乳首ありますよね?」と諭させていただきました。



ポカーンとしていました(笑



犬の乳首は大体5対10個なのですが
個体によっては9個だったり11個だったりと奇数になることも多いのです。
そうするともう大変、
反対側にはないとか、ずれているのはおかしいとか、
終わりのない大討論会が開かれるのです。



最近はペット保険が浸透してきているのが災いして
手術で取ってくださいと頼まれることもあります。
丁寧にお断りしますが、きっと手術をしてくれる動物病院を探して渡り歩くのでしょう。



次に多いのは。。。




かさぶたですね!



すでに炎症も、感染している様子もないただのかさぶただと
こっちも張り合いがないので、かさぶたをむしって差し上げています(笑
最近は人間の傷管理も変わって、かさぶたは付いていない方が治りがいいのですよ。
そこを消毒して終了です。
 



その次に多いのはダニでしょうか。


ダニは取ってあげなくてはいけないのでこっちはガテンやる気です(笑


取って動き始めたダニを飼い主さんときゃーきゃー言いながら捨てるのも楽しいものです。




みなさん自分のペットを心配して動物病院に連れて来られます。
「腫瘍を見つけた」と電話を受けた受付も心配して診療が終わるのを待っています。


私の診療室から真っ赤な顔で笑い転げながら出ていく飼い主さんたち。
心配した分、それが「腫瘍」でなく、さらに「診療の必要もなかった」ものだと笑いが収まらない様子。
そういう様子を見ると受付もとても安心するようです。
診断結果が何であれ、それが腫瘍でなかったのであれば私も嬉しい限りです。