THE PHASE」は、OOBEリサーチセンター のサイトから無料でダウンロードできる本で、印刷されたものも購入可。約500ページで4MBもある。

http://obe4u.com/?page_id=954

YOUTUBEに日本語字幕の動画もある。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=EfVSvrKkoWM

 代表的な著者はMichael Ruduga 氏。

1991年から今までに数千回の体脱経験があるとのこと。


内容の構成の概略。

初めに初心者向けに効果の高い方法(間接技法)が紹介される。この10ページほどの部分は日本語に翻訳されたものが読める。http://obe4u.com/files/phase_jp.doc訳がちょっと分かりにくいかも。

 

第二部からはセミナーの参加者らの体外離脱体験の記録が150頁ほど続く。ロシア、アメリカ、メキシコ、ブラジル、ヨーロッパ各国と、世界中からの体験があって興味深い。後半は有名な体脱家や、著者自身の体験となっている。

 

第三部からはまずフェイズという用語についての説明があってから、技法と離脱法(この2つは同じではないことに注意)についての内容となる。フェイズとは要するに体脱や明晰夢、金縛りなどさまざまな現象を包括する用語。
 すべての人にとって有効であるような、たった一つの方法などない、という前提のもと、実践者は複数の選択肢から自分にあった技法をチョイスし、自分専用の方法を組み立てる。

フェイズに完全に入る際に必要となるのは「肉体(の感覚)から離脱する」離脱法である。これらはたいてい同時に起こるが、場合によっては起こらないこともあるとされる。(肉体側からの感覚入力が続いているような状態のことだろうか。いわゆる、「半抜け」というやつだ。)

選択肢の中身である技法と離脱法そのものに真新しさはないが、その使用法というか、アルゴリズムに本書の特徴がある。具体的に言うと、数秒で技法を切り替える一分間のサイクルである。「何を使うか」は実践者の自由であるが、「どうやって使うか」は完全に規定されている。フェイズに入る方法論には、大きく分けて次の4つのものがある。

 

間接方法<INDIRECT METHOD

 体脱する意志を持ちながら一度睡眠に入り、目覚めのタイミングで体脱する方法。難易度は一番低く、最初に紹介されるやり方もこれ。日本で言うところの「出眠時離脱」に近い。重要なのは意識が目覚めたときに「目を開けず、体も動かさない」ということで、それができていれば離脱法が成功する可能性が高いとされる。だが抜けられなかったり、動いたりしてしまったときには技法を使う。使用時間は一分以下で、できなければ寝なおして次の目覚めのタイミングに移る。

 

直接方法<DIRECT METHOD>

 目覚めた状態から肉体をリラックスさせて体脱する方法。難易度は非常に高いとされる。技法の最中の短い「意識の空白期間」がカギとなり、技法→離脱法につながる。技法の使い方は間接方法のものと違っているが、基本的な内容は同じ。日本で言う「入眠時離脱」に近いが、試みる時間は20分以下にしなければならない。

 

自覚夢<BECOMING CONSCIOUSWHILE DREAMING

 夢寐にあるときに自覚を取り戻して明晰夢にする方法。他の方法論とは趣が異なる。主に重要となるのは夢を自覚するという意志と、心理的なトリガーとアンカリング、そして記憶。難易度は中くらいで、他の方法の副作用として起こることがある。

 

非自律的方法<NON-AUTONOMOUSMETHODS

 実践者自身の力(意志や技術、身につけた反応能力)ではなく、その環境にある力を利用する方法。環境とはつまり外部世界のことで、音響技術、暗示や誘導瞑想、協力者によるREM睡眠中の声かけ、コーヒーなどの飲料や薬物など、さまざまな方法がある。よって難易度もさまざま。著者自身は、音響技術の有効性には懐疑的なようだ。

非常に可能性のある分野だといえる。

 

 

古今東西さまざまな離脱法は、以上の4つの基本的な方法論のブレンドから生じる。だがある人にとっては最高のやり方が、他の人にとっても有効であるとは限らない、ということらしい。(気功、仙道や魔術、瞑想など秘教的な伝統に基づく方法についてはまったく取り上げられていないが、そういうのはだいたい非自律的方法に属するのではないかと思う。身体というのはたとえサトル・ボディーであっても、本質的には鞘として主体の「外部」に属するものであるから。そこを調整することで、有利な土台が作られる。)

 

 

これでフェイズへの「入り方」についての部分は終わり、次にフェイズの「管理」について述べられる。

フェイズ管理の基本となるのは深化<
DEEPNING>と維持<MAINTAINING>という二つの技術だ。ざっくり言うと、深化技術は触接と凝視で、維持技術は深化の使用頻度と意識の方向制御。そしてそれを軸として、目的を達成するためのたくさんの技術が紹介される。

 

 

第四部では高度な応用技やちょっとしたコツなどが紹介されるほか、なんとテストまで付いている。最後に聖書の体脱に関係する部分や、意識の進化についての著者の所見などが述べられる。

 
概略については以上。

 

つづく