ごきぶり友の会の夜明け | 大塚角満オフィシャルブログ「大塚角満のブログ」Powered by Ameba

ごきぶり友の会の夜明け

 仲間内のスケジュールが合う週末の日を見つけて、いっしょに遊ぶことがよくある。メンバーは俺と江野本、そして『モンハン』をきっかけに友だちになった連中ばかりで、いつもだいたい6~8人くらいは集まる。

 俺と江野本以外は、『モンハン』においては“達人”だとか“アスリート”だとか“悪魔の子”だとか雑誌やブログで(俺に)書かれる人間ばかりだ。

 となると当然、メインの遊びは『モンハン』になると思うでしょう?

 ところが不思議なことにこのメンツで集まって『モンハン』で遊ぶことはほとんどなく、いつもボードゲームやカードゲームでワイワイキャアキャアと騒いでいるのである。

 そしてこれが、俺が便宜上“ごきぶり友の会”と称してときたまエッセイに書いている集団になる。“便宜上”と書いた通り、ふだんはこの集まりを指して“ごきぶり友の会”なんて誰も呼んでおらず、ぶっちゃけ名前なんてなかったりする(笑)。でも記事にするときに総称がないとなにかと面倒くさいので、俺は“便宜上”、この名を使っているというわけだ。

 別の日記でちょっと触れた通り、ごきぶり友の会発足のきっかけは、俺と江野本によるバーでのトランプ遊びだった。ゴップやジン・ラミーといったふたり対戦のゲームで遊んでいるうちに、お互いが子どものころにハマっていたファイブハンドレッド(3人用ゲーム)やナポレオン(5人用ゲーム)でも遊びたいね、ということになって、仲間何人かに声をかけて遊び始めたのである。これが、ごきぶり友の会の夜明けにあたる。

 そんなある日、江野本が“ごきぶりポーカー”というカードゲームがおもしろいらしい!」という情報を持ってきた。トランプのゲームではなく、専用のデックで遊ぶ“固定の”カードゲームとのことで、「かけひき、心理戦、勘、はったりを駆使して戦うらしい!」と江野本はコーフンの口調で言う。もとより、「はったりを利かせた心理戦ほどおもしろいものはねえ!」と言ってはばからない俺はこの情報に食いつき、「いますぐ買ってくる!!」とわめいて会社近くにあるボードゲーム専門店に飛び込んだのであった。

 そして無事にごきぶりポーカーを手に入れたその日に、俺たちはゴッディという友だちに連絡をした。「会社終わりに3人で集まっておもろいカードゲームしようぜ!!」と言って(笑)。「小学生か!!」とみずから突っ込みたくなるが、とにかく早く遊んでみたくて仕方がなかったのだ。まもなくゴッディから「いいですね! やりましょうやりましょう!!」という返事が来たことに力を得て、俺たちは早々に仕事を切り上げて上野の某ファストフード店に集合したのであった。

 ごきぶりポーカーは、とてつもなくおもしろいカードゲームだった。ルールはまた別の記事で書こうかと思うが、相手の顔色や言動、そして性格や考えかたにまで思いを馳せてカードをやり取りすることが楽しくてたまらず、俺たちは店がガラガラだったことにも背中を押されて、確か4時間近くそこに居座って遊び続けたと記憶している。それでもぜんぜん遊び足らず、俺たちは口々に「つぎの週末に集まってみんなでやろう!!」と言い合ったのであった。

 このごきぶりポーカーをきっかけに、俺たちはトランプだけではなく単品のカードゲームやボードゲームの魅力を知り、次第にのめり込んでいくようになる。

 これがごきぶり友の会の、黎明期のお話です。