大江戸ナイトラン 112km その4 | 大手町デイズ

大江戸ナイトラン 112km その4

前回のつづき

東京大学を通り過ぎると、観光ポイントも終えて川越へ帰るルートとなります。

川越から都内にきたときは「よく来たな」という印象でしたが、東京から川越に戻るというのはなかなかぞっとするものがあります。

行きと帰りでルートは別。
本郷三丁目~大塚~王子~赤羽~高島平というルートで荒川の土手に入る。
土手から一般道路に戻ると埼玉(そこから先はどこを走っていたのか不明)。

本郷三丁目までグループで走っていましたが、そのグループも解散となり走りと歩きの中間ぐらいのヨチヨチペースでまずは大塚駅を目指します。
しばらくは一人で走っていたのですが、途中から本郷三丁目で一緒のグループだった人と合流し、
2人で走ることになります。

長い距離になると一人で走り続けるよりも、誰かと一緒に走ることで気持ちの部分ではだいぶ楽になるんですね。人は一人じゃ生きられない、じゃないけど人は一人で走れない、みたいなことを痛感させられたナイトランでした。

歩いたり走ったりしながら赤羽駅まで到着したところで身体が急変。
体調が悪くなったのではなくて、突然睡魔がやってきました。
考えてみたら起きてから24時間が過ぎようとしている、眠くならないわけがない。
しかもこの睡魔、タチが悪い。
地面がグニャグニャになってまっすぐ歩けない。
立ち止まって身体の揺れを抑えて、また歩く。
公園のベンチが見えると「ここで寝たらどんなに楽なんだろうな」という誘惑に負けそうになる。
ふと気がつくと目の前に自転車にのったおじいちゃんがいて衝突しそうになる。
思わず「あぶない!」と声をあげる。危ないのは僕だ。

結局1キロ以上フラフラと夢と現実のあいだをさまようように歩いていました。
気がつくと赤羽の次の駅についていてそこから復活。
また歩いたり走ったりします。

大江戸コースの一番の難所は、高島平の駅を過ぎたところからはじまる荒川の土手。
荒川市民マラソンを思い出しますが、川沿いの単調な風景を終盤であじあわせるんです。
遠くの橋が近づくくらいしか変化がない。苦痛そのもの。
この頃になると2人とも走る気力もなくて、歩いて進むのが精一杯。どんどん抜かされる。
順位とかタイムとかどうでもよくて、はやく風呂に入りたいだけでした。
この土手を8km走るとエイドが見えてきます。

140304
98km地点、最後のエイド。ゴールまで14km。
最後のエイド、しっかり体力をつけて残りの区間に備えたかったのですが、カレーうどんを食べてさっと出発。
トイレに行きたかったので、ここからは一人で進むことに。

標識には「川越市街まで○キロ」という看板が1キロごとに立っていて、少しずつゴールに近づいているんだなという実感をもちながら前へ進みます。
道路沿いにはコンビニもあってトイレも問題なくクリアー。
あとはゴールへ向かって一直線!……と言いたいところでしたが、ここで再びタチの悪い睡魔がやってきます。
地面がぐにゃぐにゃ、歩いているんだか止まっているんだかわからない。
どれくらい睡魔と一緒に進んだのかわからなくなりました。
この道路が広い歩道で本当によかった。歩道が狭かったら車道にふらっと飛び出していたかもしれません、そのくらい危なかった。

この睡魔を打ち破ったのはとても簡単なことでした。
「川越市街まで6キロ」という表記を見たときに時計を見たんです。
そうすると制限時間まで残り1時間数分だったんです。
「歩いていたら間に合わない!」「ココまで来て制限時間オーバーとかかっこわるいだろ!」と我にかえってすぐに走り出しました。
ここから2キロはどこにその力が残っていたんだろうというペースで走り続けました。
そこで再び一緒に走っていた方を見つけて合流。
残り4キロ、このまま行けば制限時間には間に合うということでした。
体力は使い果たしてしまいましたが、なんとかこのペースに食らいついて走るしかない。
眠気ははない。長いバイパスの終点に到着し、川越市を目指します。
8人くらいの集団は少しずつペースをあげますが、ペースキープが精一杯。

見慣れぬ場所を走っていたなかで突然土曜の夜に走った場所が見えてきました。
ゴールまであと少し。100メートル程度。
やっときた!ぐーんとスピードをあげて、最後は一緒に走って来た2人でハイタッチをしてゴール。

長かった。
雨だった。
カフェインを摂らないと眠くなる。
人は一人じゃ走れない。

いろんなことを感じた112kmでした。

昨年は小江戸、今年は大江戸。
来年は小江戸大江戸なんて思ったけど、全然ムリ!
大江戸を自分のペースで走れてはじめて小江戸大江戸に挑めると思いました。
来年もまた大江戸ナイトランに参加したいと思います。

この大会で関わったみなさんに感謝。
ありがとうございました。

ゴール後は温泉の湯船で眠り、電車で眠り、気がついたら横浜でした。
どうやって帰って来たのか覚えていません。