大江戸ナイトラン 112km その2 | 大手町デイズ

大江戸ナイトラン 112km その2

前回のつづき
雨が降っていたけど、真夜中の東京を走るのは楽しい。
街から街へ移りながら見る景色が大きく変わっていくからでしょう。

六本木から麻布十番を抜けて芝公園へ、そして到着したのが東京のシンボルのひとつ。
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48km、東京タワー。午前4時20分。
カメラの画像もノイズだらけ。明かりのない東京タワー。雨、当然観光客はいません。
すぐさま次のポイントへ向かいます。

次は竹橋にあるエイド。
ここでついにホームグラウンドである皇居へ到着します。
走り慣れた皇居、ここぞ俺のホームグラウンド!といったところですが
ここから雨脚が激しくなってきました。
都内のランを満喫したツケが回って来たのか力もでません。
パレスホテルの手前からおとなしく歩くことにしました。
前も後ろもランナーはみえません。
140304
大手町は明かりのついているオフィスもちらほら。
52kmくらいになります。まだ半分も走っていないんだぜ。

皇居を抜けて、到着したのが竹橋の「こしあす」という接骨院?
ここがエイドになっています。
暖かい、暖房がきいてて体があたたまっていきます。
おしるこやコーンポタージュを食べて体の内側も暖かくなってきました。
あまり休んでいると身体が動けなくなりそうなので、さっと食べて、トイレにいってすぐに出発。

建物を出てすぐ身体に異変が。
エイドと外の気温差が大きかったからなのか、急激に寒くなって震えがとまらなくなってきました。

確かに手袋もせず、インナーもTシャツ2枚の重ね着で真夜中を走っています。
インナーも汗や雨で濡れてきました。
さすがに限界です。どこかで着替えなくては……エイドには……戻りたくない。
こしあすを出ると、今後は走り慣れた皇居1周。

視界にあるのは公衆トイレと竹橋駅の階段。
階段からは明かりが漏れている。そうか始発が動く時間なのか。
地下に向かって通路に人がやってこないことを確認。ここなら着替えができそうだ。
薄着でスタートしたかわりに、ザックに厚手のフリース、ランシャツ、buffを用意しておいたのだ。
これまで手袋なしで走って来ましたが、防水手袋も用意していました。
もうすぐ半分に差し掛かるところで上半身を新鮮なウェアに一新できたことで、
なんとか寒さを凌いで再び走り出す体制が整いました。
トレイルではなくてロードなのに荷物やウェアの判断をひとつ間違えると、こうした長い距離のランニングでは成否をわけるものなのだと痛感。
僕のような初心者は慎重な判断をしていくべきですね。

ウェアはかわってスッキリしても体力が回復するわけではありません。
すっかり速度はでなくなり、おじいさんのようなペースでゆっくり走ります。
そしてそのゆっくりもできなくなり、再びウォーキングへ。

すっかり走る気力がなくなり皇居をぐるっと回って辿り着いたのは東京駅。58km地点。
定期券があったので、東京駅のお手洗いを使おうと改札内へ。
一気に現実にかえってきたような気分になります。
もう半分以上頑張った。電車も動いている。
ここでリタイアして電車で川越まで戻り荷物を受け取ればいいんじゃないか。
立ち止まって自問自答。丸の内北口で動けなくなる。
やり残したことがあるとしたら、大江戸のランナーが2回だけ食べられる「なか卯」500円分の特権。
一度もなか卯にいかずにリタイアなんてもったいない。
東京駅北口には仕事が遅くなると立ち寄っていたなか卯があるので、
最後になか卯を食べて帰ることにしました。

早朝のなか卯はランナーだらけ。暖かい店内で暖をとる人たちもいます。
定番の親子丼をオーダーしましたが、疲れているのか箸が進みません。
「やっぱり限界だよな」
親子丼を口にしては休みをゆっくり繰り返しながらやってくる人、コースに戻る人たちを見ています。
最初は全部食べられないと思っていた親子丼ですが、ゆっくり箸を進めていると完食できていました。
そして少しですが、体力が戻って来たという実感が出てきました。

お店の外に出てみる。
次のチェックポイントのスカイツリーまでは頑張ってみようかな。
そんな気持ちになり、ゆっくりと足を進めることに。

(また続く)