第1640回経営者モーニングセミナー
pan> テーマ『別府は元気に営業中』
講師 平野資料館館長『平野 芳弘様』
プロフィール 別府市倫理法人会 幹事
別府温泉宣伝協会 会長
大分県ふるさとガイド連絡協議会 会長
(講演概要)
まず、私の自己紹介からですが、別府観光の思い出の資料を集めて来た平野資料館館長をしております。この資料館を建てて40年経ちます。別府観光の古い資料が欲しい人が市役所に行くと、職員が「平野資料館」に行ってほしいと案内する程になりました。
大学では土木工学を勉強しました。大学を卒業すると、県庁に入庁して土木建築課で勤務しておりました。都市計画が専門で土木設計や橋、道路を作っておりました。
ある時、ハード的な物を造っていって地域の人が本当に幸福なんだろうか?と、疑問を持つ様になり、ソフト的な仕事をしてみたいと思う様になりました。具体的には「街つくり」や「観光」の仕事に係ってみたい。と、思いました。そんな時に別府市役所への出向が決まり「街つくり観光課」で街つくり観光室長として4年間働きました。この事が私が観光と関係する様になった経緯です。
今、別府観光の現状はどうか?と、言いますと熊本・大分の地震の風評被害の為に、街は全然壊れていないのに、お客さんが来ない、という状況です。年間通して一番の稼ぎ時のGWの結果は日頃の年の10%、地震とは関係なかった宮崎県でさえ20%しかありません。地震が終わって2ヶ月も経つのにお客さんが帰ってこない。何故か?それは、熊本と大分は観光ルートになっていて熊本が壊れている状況下で大分だけお客さんが来る事は、難しいからです。別府の観光は大変な状況になつていますが、元気は有りますので、県内の皆さんが、是非、別府に足を運んでください。
国や大分県も動き出し合計180億円の投資が決定しました。内訳は熊本県に60億、大分県に60億、その他の件に60億です。別府市の通常の観光振興の予算は約4億ですから大きなお金ですね。有意義にキチンと使いこなさないといけませんね。
私と倫理との出会いは、甥っ子になる別府市倫理法人会の高橋副会長から誘われました。「物はこれを活かす人に集まる」という項目が特に良いと思いました。観光資料を集めている自分の仕事と共通点が多い。これを真剣勉強してみようと思いたちました。
良い機会ですので、別府観光の特徴と今後の活性化に向けた話を少々させて戴きます。今頃は日本中、どこを掘っても温泉が出てきますね。だから、単に温泉が出る観光都市別府というだけではやっていけない。別府市の個性ある、歴史、文化を活かした街造りをしていかないとダメですね。今後の別府の観光推進は人がキーワードです。つまり、健康、美しさ、元気になる等です。別府の有する資源は何でしょうか?湯煙の景観。東洋のナポリ、別府市は大戦の戦火に遭いませんでしたので、江戸や明治の建物も一部残っています。今でも碁盤の目の様な街並みが有りますね。健康サービス産業(マッサージ・あんま・針等)も多いですね。美容関係のお店も別府は日本屈指の多さです。
別府市はAPUや別府大学など留学生の多い事も日本のトップクラスです。
スポーツ大会の誘致やスポーツコンベンションによる活性化が重要です。
そして夜の街がもっともっと楽しくなればいいなと思っております。夜の街の賑わいづくりとして平成11年に始めたのが、「流しのギターはっちゃん・ぶんちゃん」の売り込みです。はっちゃん・ぶんちゃんを発掘するのが大変でした。二人ともご高齢でしたので、初代のペアは既にありませんが、先日、三代目が襲名致しました。別府路地裏散歩の開発などもやりましたね。
ここで少し話を変えて、別府観光の生みの親「油屋熊八翁」と日本初の女性車掌「村上アヤメさん」の事をお話しいたしましょう。別府の観光と言えばこの二人を抜きにしては語れませんね。・・・・・中略・・・・・・
冒頭、話しましたが、今度の大地震で別府観光のいろんな施設は殆ど
ダメージは有りませんが、風評被害でお客様が激減して大変困っております。
皆様に、是非一人でも別府に足をお運び戴きます様にお願い申し上げます。
最後に、油屋熊八王の「五部と五部の唄」というのを紹介して、本日の講演を終わらせ戴きます。これは、油屋熊八翁が昭和三年に氏の人生訓として世に発表したものです。
油屋熊八翁「五部と五部の唄」
暑くて寒くて、五分五分だ。花咲きゃ花散る五分五分だ。高いとこ低いとこ五分五分だ。
右向きゃ左向く、五分五分だ。浮世に神代で五分五分だ。曇れば、晴れます五分五分だ。
登れば降ります、五分五分だ。損して得とりゃ、五分五分だ。褒められ叱られ、五分五分だ。生まれりゃ死にます、五分五分だ。浮世とはかなむ事はない。 以上で終わります。