世界遺産絡みの取材で熊野へ。
中上健次とも親交があったというロケコーディネーター、三石さんの案内で熊野古道を歩く。
古道は苔むした石段が延々と続き、まさに熊野の神話が似合いそうな雰囲気。
でも巡礼の道として大勢の熊野詣の人々が往来し、また地元の生活道路でもあった頃の古道は苔むすヒマなどなかったはずですと三石さん。
三石さんに中上健次のファンですと伝えたら少し遠回りして健次が住んでいたムラや「火まつり」の舞台となったムラに連れて行ってくれた。
海と山と小さくて美しい砂浜があるだけの漁村。「あそこの青い屋根の家が猟銃乱射事件があった現場です」と淡々と説明してくれた。あまりにも映画的な実景に呆然。
都市化というか開発利権が生んだ悲劇。
「火まつり」を撮ったのは柳町監督。
その柳町監督が絶賛した「国道20号線」も地方都市の悲劇。
「国道20号線」を撮った富田克也監督は甲州出身。
そして甲州・甲斐駒ケ岳のふもと、白州に紀州出身の中上健次は度々訪れていた。
縄文的というか土俗的というか甲州と紀州は似ているんですよと三石さん。
三石さんの案内で名産デコポンを購入。
なにからなにまでほんとにありがとうございました。