はぁい

、皆様方、元気してる?
私は女友達だけで温泉旅行に行って、返って疲れてます。
それじゃー、今日もイってみよー!!
10月6日
私は、名古屋の某所にて
あのインフィニティと待ち合わせ。
最近、買ったティファニーの時計を見ると、
11:45.
インフィニティと約束の時間を45分もオーバーしている。
痺れを切らした私は、彼のケータイにコールする。
「はい、もしもし。ののさん、どこにいるの?」
私がその言葉を聴き返したいくらい。
それでも、いつもの様に柔らかい声の響きで
「あのね、00の南口1番出口にいるんだけど」、
彼は、後ろから急に頭を叩かれた様な口調で
「はぁ!?あれ2番やなかったん?」
呆れた・・・。
私より天然ボケの人がいるものだなと。
「わーった、わーった!1番出口に行けばいいんだな」
「うん、まってるからね」
と愛想良く言葉を返す。
私の前に黒いパーカーを羽織ったさわやかな青年が
声高らかにしながら、近付いて来る。
「おお、ののさんやん!初めまして奇人です」
「初めまして」
初めてお互いの姿を見て、喜び合った。
「しっかし、ののさんは写メより断然ベッピンさんやな」
「そんな事ないですって。
それより、インフィニティさんがこんな男前だとは思いませんでしたよ」
実際、彼は中世的で端正な顔立ちの上に筋肉質であった。
正直、今彼氏が居なかったら彼を惚れていたかもしれない。
「もうお昼になるから何処かでランチ摂りません?」
「せやなー。あそこのファミレスでもいこか」
「そうですね」
そして、ファミレスに二人で入る。
早速ウェイトレスの女性が速やかにやってきて、
「お客様は2名様ですか」
「はい」と彼が私の代わりに答える。
私達はウェイトレスに席を案内され、席につく。
「ご注文が決まりになられましたら、そこのボタンを押してください」
と言って颯爽と去るウェイトレス。
「お嬢、何頼む?」彼はそう言ってメニュー表をさりげなく渡してくれる。
(*;ちなみにお嬢と言う言い方は、
電話で喋る時に私をこう呼ぶ。
私はきじんと彼を呼ぶ)
私はサンドイッチセットを指差して、これにすると彼に告げる。
彼は、俺は決まったと言い、コールボタンを押す。
間もなくウェイトレスがやってきて、
私はサンドイッチセット・彼は玉子焼きハンバーグセットをオーダーする。
ウエイトレスが去るのをお互い目視確認すると、
「な、お嬢は本当にオトコなのか?」
「えぇ!まだ疑ってるの?その事?」
彼は私の目をじっと覗き込み言葉を続け始める。
「俺はお嬢に実際会ってみて、疑いを深めてる。
骨格そのものがな、女ぽい。てか、女にしか見えへんのやわ」
「うーん、周りからもよくそう言われるし、自分でもそう思う。
小さい頃から、女の子によく間違われてたよ。
でも、残念ながらまだ男でして」
私はまだ男であると言う現実に悲しくなり、
じわじわと涙が溢れてきた。
彼は私が泣いているのを見て、
ハンカチを優しく渡してくれた。
「ありがとう」
「すまん。俺が悪かった」
やがて、
二人の料理がテーブルの上に運び運び込まれてくる。
私は料理が来るとすっかり泣き止んで黙々と食べ始める。
二人の空気は大雨洪水警報中・・・
流石に気まずいと思ったのか彼は違う話題をふる、
「お嬢彼氏とうまくやとるん?」
「うん♪只今ラブラブ中なの♪」
「どないな人?」
「かっこ悪いダメ人間」
二人で大爆笑。
彼は腹を抱えながら、
「ほ・ほんまなん?」
「ほんまもほんまやねんて。今度会ってみる?」
「それは彼氏さんがヤキモチ焼くかもしれへんからやめとく」
大雨洪水警報解除
それから会話は弾みに弾んだ。
「それにしても沢尻エリカそっくりやな、お嬢は」
「そう?そんな事ないって!
奇人は沢尻エリカしか芸能人知らないんじゃない?」
「そないなコトあるか。
せやなくてなー、テレビから沢尻エリカが
リングのサダコの様に出てきて俺の目の前に座っている
様に感じる」
「あのさぁ、その例えやめてくれる」
「ワリーワリー、でもそのくらい似てると言うコトやねん。
もし、お嬢の事をエリカと呼んだら結構この席に人だかりできるで」
「おーーい!それはまずいって流石に。
でも、面白そうかも」
「ついに、お嬢もわるノリし始めたか?」
「でも、やんないよん。」
彼はがっくりと肩を落とした。
私は言葉の風向きを換えて、逆に質問する。
「奇人は結構筋肉質だけど、ジムにでも通っているの?」
「おうよ。週三回ジムで気持ちいい汗流してるで」
「週三回も!?どうりでムキムキな訳だわ。
でも凄いねっ!週三回もジムで体を鍛えるって」
「まー、所謂肉体美の追求てやつやな」
そう云って自慢の腕の力こぶを披露する。
「すっごーい♪かっこいいー♪」
私は年甲斐もなく大きな歓声を上げてしまう。
「それでさ、さっき私の事を女だと疑っていたよね?」
「それはもうええて」
「じゃあ二人で男子トイレの個室に入って確かめて見ない?」
「つまり、身の潔白を証明したい?ってコトやな?」
「うん!」
「せやそれは良い機会やな。
それに俺も君に隠してた事あるから教えたい」
そうして、二人はテーブルから離れ男子トイレへと向かう。
運の良い事に、丁度男子トイレは他に人が居なかった。
狭い個室トイレに二人で入り内側からロックする。
私は、そろそろとジーンズのベルトを緩めて
下半身を露にしていく。
次いで、パンツまでも脱ぐ。
「あ・・・、ある!!確かに僅かにある」
と彼はひどく驚く。
「ね、まだ私にはこんなものがくっ付いているの」
儚げに彼にこう訴えかけると、
優しく私の両肩を抱いてくれた。
「それはつらいな」
今度は俺の番やなと彼は静かに告げ、
上着を脱ぎ始める。
すると豊満なおっぱいが私の目の前に現れる。
「混乱するやろ。でも、お嬢とは真逆やねん。
俺は、元女やねん。一応下も見せよか?」
私は彼が言っている事がまだ理解できない。
彼はズボンと下着まで脱ぎ完全に裸になった。
「どや?ちゃんと男のイチモツが付いているやろ」
「付いているね。でもそれだけじゃ信じられないよ」
「せやろな。そう思うとおもーてな、前の会社の社員証
を持ってきた」
内心、この人準備万端じゃんと思ってしまった。
「㈱00・総務課総務部・0000・女」と書かれていた。
その社員証には、彼?のOLスーツ姿の写真が
当たり前の様に写っている。
「それで俺の地声今から出すで」
私は唖然とした。
それは紛れも無い20代前半の女性の声!!
「胸の切除手術は金があらへんから、まだやねん」
「どないした?自分もこれからそうなるやで。ま、逆やけどな」
私はこの言葉で正気を取り戻し、
「まだ、胸の切除手術はしないの?」と恐る恐る聞くと、
「まだ、性適合手術費用を毎月10万円支払っててな
胸の切除手術費用が作れへんねん」
と彼女もとい彼は平然と云う。
「あと何年くらいで支払えるの?」
彼は指を7本出した。
「7年も?そんなにかかるの?」
「せや。7年や。
でも、男性ホルモンの注射打ってくるからその内無くなるらしい。
せやから、うちは安心しておるよ」
彼は笑顔で答えた。
「それよりな、お嬢。これからお嬢は女になるんやろ?
性適合手術は金の問題やからなんとかなるけど、
その後、正式に性別の変更するのは大変やで。
更に周りの態度も打って変わった様に冷たくなるしな、
社会的立場を追われるで」
私だってそんな事は分かっている。
けど、まだそれを経験してはいない。
だから未だ性適合手術に踏み切れないでいるのは、
確かな心情・・・・。
私これからどうすればいいかな?と彼に問いかける。
彼は胸を張って、俺がついていると堂々と言い切ってくれた。
「そろそろ、トイレから出よっ」
彼は照れ笑いしながら
「せやな」、
お互い服を着て、トイレから脱出する。
それから席に戻り、平然を装いながら喋り始める。
「今日は人生の中で一番びっくりしたよ。
でも、おかげで少しだけ気が楽になれた。
ありがとう!奇人さん」
「まぁ、或る意味似た物同士でこれからも仲良くしよな」
「こちらこそ、改めまして宜しくお願いしますね♪」
「そない畏まらんでも良いって、ほなヨロシクな」
そして、私が二人分のお会計を済ませると、
近くのとても広い公園を歩きながら、で楽しくお喋りを続ける。
結局、インフィニティとは丸半日一緒に過ごしちゃったよ
