何故か食べ物には関してかなり保守的であるようだ。

例えばラーメン。醤油味しかたのまない。塩だ味噌だは考えたこともない。ましてやとんこつ。あり得ない。

会社の隣の田んぼにできた建売住宅はあっという間に完売になった。つい二三年前の春の声は鳥たちが主役だったが、今年は主役が交代した。大方の新しい隣人は若い夫婦とその子供たちだ。冬の間は聞かれなかった子供の遊びに興じる大きなこえが春が来たなと思わせる。子供の出生率の減少が大きな社会問題でよくマスコミに取り上げられるが、弊社に限ってそんな不安は感じられないでいる。会社の金魚たちは時折の子供の大きな声で、餌のため水面に出した顔をびくっとして海中に逃げ込む。

現在の医療技術をもってすれば、それは簡単なオペだった。。しかし患った者にすればなかなか医者に行くには躊躇う病気だ。

手術はほんの数十分で終わった。多少痛みはまだあったが彼は病院から青葉が新しい光に照らされた街路に出た。

ジエンド。