深く広がる藍の空。
 紅く曲がる三日月。
 色無く閉じた地面。
 黒く聳える柱の群。
 その中で、一際高く伸びる大柱の表面に、一つの影が見えた。
 身体の半分を柱の黒に埋め込んだまま、その影──“鬼喰らいの鬼”と呼ばれた大禍鬼シンラは、身構えて立つ五味達を虚ろな両眼で見下ろした。



 神形が奏でる鈴鳴りの音は、しゃらしゃらと連なる程の勢いで五味の耳朶を打つ。
 シンラは以前、二匹の“大禍鬼”を取り込み、己の力を強化させていた。
 その二匹の存在概念はゴディバでの戦いの折に五味とゼーレンヴァンデルングの斬撃により断たれ、失われた。
 だが、今眼の前にあるその姿。黒の柱と一つとなったその身体からは、二匹の“大禍鬼”を取り込んでいたときと同等か、それ以上の力を感じさせた。
 ──それは何故か。答えは、神形の助力によって増された感覚が教えてくれた。
 この異質な空間、周囲に漂う陰性の概念全てが、柱と混じり合っているあの鬼に向かって流れ込んでいるのが見えた。あの鬼は、“檻”を構成する柱と同化する事によって、この場や“檻”の向こうにあるとされる陰の結晶、破壊の象徴たる芯属“鬼芯属”の気配を己が内に取り込んで、自身の力へと変換させているのだ。
 恐らく、シンラの力を持ってしても“檻”を破壊してその囲いの奥へと達する事は不可能だったのだろう。だが奴は“鬼芯”に最も近づく為の次の案として、“檻”自体と同化する事を選んだという事か。
『────』
 言葉にもならぬシンラの吠え声が世界に木霊し、そして鬼の周囲に力の概念が収束する。鬼から発せられるのは強烈なまでの害意。そのあまりの強さに、五味は我知らず息を呑む。
 鬼の本来の目的を察する事は出来なかったが、シンラが極めて危険な存在であること──そして時間と共にどんどんと力を蓄え、それ以上の存在と化すことだけは理解できた。
「…………」
 語る言葉など既に無い。
 手に神形を握り締め、五味は檻依の大禍鬼に向かって己が持つ力全てを解放する。

[ExtraMonster Encountered!]

vs 檻依の大禍鬼


大禍鬼シンラ
18010/18010 反射

五味
1213/1213 再生
クォッチ
875/875 隠密
クレティウス
982/982 隠密
GEO
881/881 隠密
黒銃のノエル
900/900 
冒険家オリオール
980/980 再生

冒険家オリオールの攻撃!五虎陥穽!
クリティカル!大禍鬼シンラは66ダメージ!
ソールヴァルラギータ発動!
冒険家オリオールは317ダメージ!
ソールヴァルラギータ発動!
冒険家オリオールは317ダメージ!
ソールヴァルラギータ発動!
冒険家オリオールは330ダメージ!
ソールヴァルラギータ発動!
冒険家オリオールは324ダメージ!
冒険家オリオールは倒れた!
 
光の力場が10になった
GEOの攻撃!ヘイスト!
GEOは荷重が25減少!アウェイク!
クォッチは荷重が25減少!アウェイク!
クレティウスは荷重が31減少!アウェイク!
黒銃のノエルは荷重が30減少!アウェイク!
五味は荷重が53減少!アウェイク!
 
炎熱の力場が10になった
クォッチの攻撃!ディヴァイントランス!
2連携!クォッチは370ダメージ!
クォッチは同調が342増加!
 
クレティウスの攻撃!キャンセレイション!
大禍鬼シンラは同調が85減少!反射解除!
 
黒銃のノエルの攻撃!スパイラルショット!
大禍鬼シンラは190ダメージ!リフト!
 
大禍鬼シンラの攻撃!ヴァルラカンギサイト!
大禍鬼シンラの攻撃!テリブルアントライオ!
黒銃のノエルは300ダメージ!捕縛!
大禍鬼シンラの攻撃!エヴァーグリーン!
黒銃のノエルは190ダメージ!
大禍鬼シンラの攻撃!アンディードレイド!
黒銃のノエルは309ダメージ!
大禍鬼シンラの攻撃!エヴァーグリーン!
黒銃のノエルは181ダメージ!
黒銃のノエルは倒れた!
大禍鬼シンラの攻撃!ケルビムトゥスルーレ!
大禍鬼シンラはミス!
 
光の力場が20になった
五味の攻撃!ガードスタンス!
五味は防御力が102増加!囮!



力場: 炎熱 10  光 20
大禍鬼シンラ
17754/18010 
 
五味
1213/1213 囮 再生
クォッチ
505/875 隠密
クレティウス
982/982 隠密
GEO
881/881 隠密

光の力場が30になった
GEOの攻撃!プロテクションマインド!
GEOは精神耐性が33増加!支配耐性!
五味は精神耐性が39増加!支配耐性!
クレティウスは精神耐性が33増加!支配耐性!
クォッチは精神耐性が33増加!支配耐性!
 
光の力場が40になった
五味の攻撃!空蝉の術!
五味は攻撃に備えた
 
クレティウスの攻撃!エンチャントウェポン!
GEOは魔力が48増加!アウェイク!
五味は魔力が58増加!アウェイク!
クレティウスは魔力が47増加!アウェイク!
クォッチは魔力が48増加!アウェイク!
炎熱の力場が20になった
 
クォッチの攻撃!エンチャントウェポン!
2連携!GEOは魔力が96増加!アウェイク!
2連携!五味は魔力が114増加!アウェイク!
2連携!クレティウスは魔力が95増加!アウェイク!
2連携!クォッチは魔力が299増加!アウェイク!
 
大禍鬼シンラの攻撃!オーカーペネトレイト!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
2連携!大禍鬼シンラは559ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは377ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは392ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは381ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは384ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは381ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは384ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは404ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは392ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは388ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは384ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは404ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは365ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは365ダメージ!
五味は反撃した!
五味の攻撃!空蝉!
大禍鬼シンラは381ダメージ!



力場: 炎熱 20  光 40
大禍鬼シンラ
11813/18010 
 
五味
1213/1213 囮 再生
クォッチ
505/875 隠密
クレティウス
982/982 隠密
GEO
881/881 隠密
 
炎熱の力場が30になった
クォッチの攻撃!リフレクト!
クォッチは反射!
 
光の力場が50になった
五味の攻撃!ホーリーウォーター!
大禍鬼シンラは炎熱耐性が22減少!ウェット!
 
クレティウスの攻撃!リフレクト!
クレティウスは反射!
光の力場が60になった
 
GEOの攻撃!リフレクト!
GEOは反射!
 
大禍鬼シンラの攻撃!セントリアルムーン!
大禍鬼シンラの攻撃!力が月を呼ぶ!
大禍鬼シンラの攻撃!ナノシックムーン!
クォッチは反射した!
大禍鬼シンラは437ダメージ!
五味は179ダメージ!
クレティウスは反射した!
大禍鬼シンラは460ダメージ!
GEOは反射した!
大禍鬼シンラは469ダメージ!
大禍鬼シンラの攻撃!知が月を呼ぶ!
大禍鬼シンラの攻撃!テラグラフムーン!
大禍鬼シンラは2030ダメージ!
大禍鬼シンラの攻撃!テラグラフムーン!
大禍鬼シンラは2030ダメージ!



力場: 炎熱 30  光 60
大禍鬼シンラ
6387/18010 
 
五味
1034/1213 囮 再生
クォッチ
505/875 隠密
クレティウス
982/982 隠密
GEO
881/881 隠密
 
クレティウスの攻撃!ヒーリングフィールド!
クレティウスはアウェイク!
クォッチは370回復!アウェイク!
五味は179回復!アウェイク!
GEOはアウェイク!
 
炎熱の力場が40になった
クォッチの攻撃!フレイムスクイーズII!
2連携!大禍鬼シンラは9659ダメージ!ドライ!
大禍鬼シンラは倒れた!


YOU WIN


 芯檻の粒子を手に入れた。

 半ば“檻”に埋まり、既に鬼という形すら失いつつあるシンラを、討ち断つ。
 まさに死の具現とも言える五味の一撃は、シンラの胸部中央を過つことなく穿ち、その存在を崩滅へと導く──筈だった。
 しかし、既に檻と一体化し、生物ではなく単なる力の象徴でしかなくなったシンラは完全には消し去れず、破損したシンラの存在を補填する為に、エルツァンの根を構築する檻が因果を歪め、全てを巻き戻そうとする。
 藍色の空が。
 黒く溶けた大地が。
 浮ぶ三日月が。
 そして、檻の彼方にある鬼芯の残滓が。
 五味の眼に映るもの全てが一つのうねりとなって流れ、黒色の闇となって何もかもを押し流す。
 欠損を逃れる為に過去へ──その要因となった五味を押し流していく……。



 ……ふと気付けば、五味は何処かの浜辺に立っていた。
 目を瞬かせて辺りを見回し、遠く浜辺の一角に常駐軍の駐屯地があるのが見え、自分がエルツァンの浜辺、西エルツァンの海岸線に居る事が判った。
 ──判った、のだが。
「…………」
 何故こんな場所にいるのか。
 そもそも、ついさっきまで何をしていたのか。
 全くと言って良いほど思い出せなかった。
 五味は首を傾げて頭の中を探り、しかし何も出てこない事に一つ吐息。思い出せるのは、常駐軍の陣地からエルツァン内部へと探索を始めようとした辺りまでだった。
 傾げていた首を逆の方へとまた傾げ、暫し考え込んだ後。
 ──まぁいいか。
 こうして考え込んでいる事自体時間の無駄だ。五味は地面に落ちていた自分の道具──中身が微妙に以前と違っている気がしたが、はっきりと思い出せなかった──を背負い直すと、近くに見える常駐軍の仮設駐屯地へと向けて歩き出した。

 10000ポイントの経験値を獲得した。

 Fin...

五味はアチーブメント『真なる楽園:檻の向こう側』が登録された!
クォッチはアチーブメント『真なる楽園:檻の向こう側』が登録された!
クレティウスはアチーブメント『真なる楽園:檻の向こう側』が登録された!
GEOはアチーブメント『真なる楽園:檻の向こう側』が登録された!

──End of Scene──