お堂で聞こえてきた仲睦まじい
年配の御夫婦の会話...
目が不自由な旦那様に
奥様が仏像の説明をされていた

壺阪寺は眼病封じで有名な寺

【壷阪山霊験記】は
盲目の夫・沢市とお里の夫婦愛
このお寺が舞台となった切ない物語

その舞台が  ここ
西国6番札所   【壺阪寺】
(奈良県高市郡 壺阪山 南法華寺)


身投げした場所には2人の像
観音様の霊験譚は文楽や
歌舞伎で今も演じられている


お堂の中での御夫婦は
本当に お里と沢市みたいだった


おふたりだけでなく他にも
白い杖を使っている人が...
観光ではなく 真摯に祈る人たち

巨大な石仏なら視力が
衰えた方にも微かに見えるのかも


壁に張り巡らされた派手な
レリーフなら光を失った方でも
触れて感じることができるはず



だから壺阪寺は こんなに
巨大なものが多いのかな・・・

新興宗教っぽくてセンス悪いと
感じた私は浅はかだった


壺阪寺で  いろんなことを考えた
いろんなことが見えてきた
見ないふりをしてきたことも

無知だった不遜だった


世界で一番大切な人が
病気になりました
以前の私なら
壺阪寺にお参りする
ご夫妻の お気持ちは
分からなかったと思います
今は私も真摯な気持ちで
仏様に祈ります
私と母は『バナナボールペン』の
おかげで生き延びた


しかし 一層 母の苦悩は深くなる
今 思えば“適応障害に伴う自律神経失調症”という感じだったのかなぁ...



ある日“カミサマコオリン”みたいな
宗教にハマってしまった
教団名は、わかる人だけわかってちょ

集会に行くとトランス状態になり
すべての苦しみがなくなる教団
↑明らかに胡散臭いわ
私も連れて行かれて辛かったけど
母の晴れ晴れとした様子は嬉しかった


けれどそれは突然終わった
教団幹部からセクハラされ脱会
その時は わからなかったけど 後に私が大きくなって想像するに...



そしてまた苦悩の日々



しばらくして今度は
“オヒカリサン”みたいな宗教にハマった
教団名は...以下同文

そこは『ありがたいお話』を
聞くために莫大な金が必要だった

父は真面目に働く公務員だったけど
家からお金がドンドンなくなった

毎日の食費さえ怪しくなった頃
母が私と弟を連れて
『ありがたいお話』を聞きに行くと
受付で「三人分のお金を」と言われた
お金じゃなくお布施じゃなくなんか難しい言葉だったけど

お金を払おうにも財布はカラに近く
なけなしの500円玉を差し出した母
しかし
「硬貨はお金じゃありません」と言われた

この時のことを
私は 一生忘れないっ

母は「この教団は金を奪う悪教団だ」
と言って脱会した
私は「そんなん小学生のアタシでもわかってたで」と言いたかったけど黙っていた




しかし懲りない人だった
みたび宗教にハマる

次の教団は医師など高収入な信者が多く、富める人がお布施をして貧しき人は何も払わなくていいところだった

母は「これこそ本物よ」と言った
「家からお金が無くならないのは良い事だなぁ」と私も思った

母は熱心で夢中になる人なので
懸命に信心して教団幹部から認められ
洗礼を受ける事になった

家族揃って教団の総本山がある
台湾へ行くことになった


到着して3日目
さあ洗礼!という瞬間に
私は聖堂で ゲロを吐いた

教団の人々は「罪業の娘だ」と叫び
私を追い出そうとした

母は「こんな若い娘がどんな悪いことをしたと言うのか?仮に悪いとしても悪人こそ・・・」と親鸞だか法然だかの『悪人正機説』みたいなことを毅然と言い放ち脱会



あれから30年数年経つ


母は毎月1日には神棚に榊を供えているけど
それは妄信ではない



台湾で洗礼中に私が嘔吐したのは
洗礼の前日も当日朝も
『台湾バナナ』を食べ過ぎたからだ

小さくて甘くて美味しかったよ
台湾バナナは、だから食べ過ぎた

お腹を壊しただけだった・・・


バナナボールペンと
バナナゲロで救われた

母と私にはバナナの神さまが
ついているのかもしれない
(多分違う(´∀`*)(笑)
寂れた駅前から壺阪寺へ行くバスは
1時間に一本あるかないか
山奥にある巨大石仏が有名な寺

階段の大きさから
想像してもらえる...?

巨大な涅槃像

足だけでも このサイズ
後ろに見える年配の御夫婦は
仲睦まじく お昼ごはん

だからね...デカイわ
ハンセン病患者救済活動の御縁で
インドから『招来』された仏さま


七福神は普通サイズだった
(仏頂面の毘沙門天と
ふくよか過ぎる弁天様)
どっかで見たようなカップル


永代供養塔の入口ゲート
(供養塔は もっと奥)
インドのアジャンタ石窟寺院がモデル
象、獅子、邪鬼etc賑やかだ


写真撮影禁止という看板は
よくあるけれど ここは
『ぜひ写真に撮りなさい』
という珍スポットで 鬼だらけ♪

三重塔は美しいフォルム

西国六番札所【御詠歌】

【御朱印】

新緑も花も鮮やか過ぎて眩しい


山深い雰囲気伝わるかな

遠くに見えるのは二上山

最後に【講堂】にお参りして
弘法大師像を見ている時
さっきお弁当を食べていた御夫婦と会って気がついた、巨大な仏像はインドのセンスってわけじゃない...かもしれない

つづく  ヾ(*´∀`*)ノ