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15日目 台北観光①

15日目 台北でだらだら 

11時くらいにゆっくり起床した。
今回泊まった「山田屋」は日本人のおじさんがオーナーの
安宿だ。自転車も中に預けられるので(一階から三階まで階段で担いで持っていければ)チャリダーでも安心だ。
高級ホテルのように清潔かと言われれば、答えにくい。
部屋が全体的に湿気っている感じで綺麗な雰囲気は見られなかったが
僕はオーナーの山田さんの怪しい風貌だけどどかっとした感じとその雑多なリビングが好きなのでハマった。
今度台北に来る時も利用したい。
ちなみにみんなが持ってくガイドブック、地球の歩き方に載っている。




宿泊客は青森のおじさんと、大学生男2人女1人。と青森のおじさん1人。
お腹がすいたので、リビングに居合わせた大学生たちと宿の向かいの中華料理屋でお昼をすませた。


辛くて酸っぱいなんとかメンと小籠包を食べた。
味は申し分なし。200円か300円くらいのもんだった。
日本にもその低価格のまま小籠包を輸出して欲しいと切実に思う味だ。


旅の相棒と再会する約束は明日の正午。
今日は宿を変えて、欧米系ゲストハウスに移動する予定。
山田屋の無料wifiを使ってスマホでスカイプを使い、
ゲストハウスの一般電話の番号にかけて予約をとった。
ちなみにスカイプで一般電話に電話をかけるにはあらかじめクレジットカードで
お金を自分のアカウントにチャージしておかなければならない。
これは前回のスペイン海外旅行で、震災後に家族に連絡を取るときにも利用した。かける地域によって通話料は変わってくるが、どんなにかかっても2.5円/分
くらいなので、通話時間は気にせずたくさん喋れる。せっかく便利な時代に産まれたんだからお金は賢く使いたい。
国際電話の150円/分はばからしい。 


ネットで住所も見てメモもとったのでその辺に付けばその辺の人が教えてくれれるだろう。そのくらいのコミュ力(あつかましさ)は身につけ(てしまっ)た。


3,40分ほど住所を頼りに大都会台北を走ると、隣の新台北市まできた。
どうやら狙いのゲストハウスは隣の市に位置していたようだ。
きてから気付いた。日本でもそうだが都会を走るのと田舎を走るのでは疲れ方が違う。都会では常に車に気を使わなければならないので精神的に消耗する。

ホテルが見つからない。どうしても見つからなかった。
地元の人に聞いてもそんなものない、知らないと言われる。地元の人の携帯かりてその人に電話してもらってもホテルには受付の人がいないから無理台北駅(自転車で30分くらいかかる)までこい、といわれ途方に暮れた。諦めた。
ただ台湾人は力を貸してくれた優しかった。


結局きた道を山田屋まで戻った。一旦荷物を置き、
北投温泉(ペイトン温泉)という日本占領下で開発された、台北からMRT(地下鉄)でいける日本式の温泉にいった。
着替える場所と湯船が仕切られていなくて、湯船がどーんとある横の壁に服入れる棚がついている。とても開放的で、日本人からしてみれば「汚い」「不衛生的」だと思う。でも日本には絶対ない温泉のスタイルなので1度行ってみることをおすすめする。

計40kmほど 床:山田屋のふとん







14日目 世界の車窓から(台湾輪行編)

14日目 花蓮→台北 

宿のご主人のご好意で貸してもらったソファは大人が心地よく寝るにはちいさい。

\___/  
図1 ソファ断面図
ソファは横からみると図1のような形なので、



図2 ソファと人間
僕は図2のような形で寝た。
旅疲れでヘナヘナになっていた人が夜中に2,3度起きるほど寝にくかった。
だが!宿代は無料でいいよ、と言われたので文句を言うわけもない
そんな寝不足で頭のぼーっとする6時頃、ご主人が起きてきた。

彼は自分の家を持たず、空いているベッドで寝ているらしい。 
「ベッドが空いたから使いなよ。よく、寝れなかっただろう?まだはやいから、ゆっくり寝ているといいよ」
ふんわり笑顔で寝起きの厳しい顔の僕にそっと語りかける

え?そんなのって・・いいの?
「Thank you!!!!」
早速荷物を個室に移動し、ベッドに飛び込んだ。
正直眠くて日本人らしい遠慮、謙遜の心とかそういうものは持ち合わせていなかった。旅中はいつも持ってくるのを忘れる。貧乏旅には不要なものかもしれない。


9:30に起きて備えのモーニングコーヒーをすすりながら
宿のインターネッツで電車の時間を調べた。
花蓮から宜蘭(イーラン)までの道は

北日本で言う親不知のような

崖をほじくって無理やり作られた、道幅がとっても狭い難所。
ここまで台北から台湾を四分の三と周ってきたが
出会った3人の人が口をそろえていった。

「あそこは危ない、電車に乗るんだ」

地元のことは地元の人が一番知っている。
一周をすべて自転車で走りたかった気持ちはあったが
背に腹は代えられない。電車で行く事にした。
帰りの飛行機の日程にもまだ余裕があったけど
いやいや、正直これ以上わざわざ海外を天気悪い中走るのは御免だ、なんて
考えもあるはずはない。人間いつも命が一番大事なんだ。

電車に自転車をどうやって乗せるのかよくわからないので
とりあえず時刻だけ調べた。電車の時間まで暇だったので
インターネッツで折り方を調べて
ターバン野口を折ってプレゼントしてみた。



初めてにしては上出来だったのではないだろうか。
ご主人の反応はまずまずだった
「ウオオオオオオオ!!」ととても興奮した様な感じでもないし
「おっすごいね~」と淡白な感じでもない。
「お~~~」
まあ普通に喜んでくれた。こちらも嬉しい。
しかしブログ読者の方も、台湾人の友人にターバン野口を折った時のリアクションは期待しないでほしい。



チケットの買い方がわからなさ過ぎてつらかった。
適当に人がたくさん並んでいる券売機で買おうと試みる
調べた電車が表示にない。
目の前の電光掲示板にのっている電車が券売機に出てこない。
後ろの現地のお兄さんに手伝ってもらう
「売り切れだから無理っぽいね~HAHAAH」
と去ってしまった。
途方に暮れてふと横を見ると別の種類の券売機が見えた。
あ、なるほど。
今自分が並んでいたのは「指定券券売機」で
横にあるのが「普通券券売機」

僕は鈍行に乗るのに特急券売機を操作していたのだった。
出発まで残り5分。切符を急いで買って、ぎりぎりで電車に飛び乗る。
とりあえず宜蘭までの切符を買った。
自転車はそのまま載せられた!
日本も見習ってくれ

同じくチャリのおじさん。高校国語教師。
飴やお菓子をくれた。一生会うことはないだろう、まさに一期一会の瞬間。

ゆっくり電車に揺られ宜蘭についた。
どんより曇り空で、もう自転車をこぐ気力とヤル気はない。
台北まで山道だそうだ。よし、テイク ア トレイン!

また別のおじさん二人組が話しかけてきた。
「どこまでいくの?チケット買い方わかる?」
おじさんたちは台北まで行くらしい。
宜蘭から台北までの電車は、自転車は今までのように普通車両に載せられず、貨物扱いにするようだ。おそらく都市部に近づき乗車率が上がって邪魔だからだろう。
チケットの買い方はよくわからないのでおじさんたちにすべて任せた。



貨物車両に自分たちでのっける。



二時間も電車にのるのに運賃500円くらい。


萬華というまあまあ小さな駅についた。台北駅の次の駅。
台北駅のような大きい駅では自転車の移動が大変だろうからと、
おじさんたちが気を使ってくれたんだろう。
ありがたいことだ。


すごい原付の量。


ガイドブックに載っていた予約済みの山田屋へ住所を頼りにたどり着く。


入り口が小さすぎて別の店かと思ったくらいだ


でも歓迎されてた。

書いてあった番号に公衆電話からかけてみると
旅行者の日本人おじさんたちとカラオケに行っているらしい、
僕はひとりで適当に飯を済ませ

おなじみの牛肉麺

おじさんたちのカラオケに混じった、
もちろんよくわからない昔の曲ばかり歌うので
よくわからんかったが、全く世代の違う60,70代のおじさんおじいさんたちの
話を一方的に聞くのは面白い経験だった。
一曲歌えと言われたのでかなり悩んだ挙句
玉置宏の「カリント工場の煙突の上に」を歌った。
誰も知らなかった。


計:約10km  床:山田屋のふとん



13日目 雨の太魯閣(タロコ)の素晴らしい景色

13日目 

花蓮→太魯閣→花蓮






昨晩みんなが寝静まった後こっそりシャワーを浴びて
こっそりベッドにもぐろうとしたら
「もぞもぞ・・・ドライヤー・・そこにあるから使いなよ・・」

と見ず知らずの外国人の健康を気にかけてくれた台湾人のひととパシャリ
すごい既視感のあるお顔の人が台湾には多くて親近感がわきやすい

朝から小雨が降っていてぱっとしない天気
今日は台湾の大自然、大理石の渓谷が広がる「太魯閣渓谷」へ向かう
チャリで山登りをするので、連泊し、宿に荷物を置いて軽装でいく予定が・・・?

台湾はここ数日大型連休でホテルがどこもかしこも満室らしい
このゲストハウスも今日はいっぱい。
どうしようかと絶望。雨だから野宿も気が進まない。

「ベッドは空いてないけど、よかったらソファを貸してあげるよ?」
とオーナー。
思ってもない言葉!二つ返事でお言葉に甘えた☆



というわけで、たろこ。
どうせ雨だから濡れるだろ!
とビーチサンダルを履いてきたことに関してはとても後悔した
山の入り口に入るまでの20kmで、力を入れすぎたら鼻緒が取れた
直せたけど、不安の残る、ヒルクライム。
歯のとれそうなおじさんに話しかけたら日本語が喋れた。
統治時代には生まれていなさそうな若いおじさんなので
とても驚いた。ちょっと失礼だけど
台湾では歯の取れそうなおじさんにも日本語が普及しているんだと



現場作業員のAさんはこう述べる
「あの日は一日中が雨が降り続いていました。
亜熱帯に属するここ、たろこもずいぶん冷えましたね。
寒かった。
だからか、自転車で登ってる人にはみな笑顔がありませんでした。
頭から足先までびしょぬれですからね、気味が悪かったですよ」





きっと晴れてたら気持ちよかった!
何故かおばさんに2回写真を撮るの拒否されたよ、なんでだろう!
心が弱ってたから傷ついた!



10%強の傾斜が延々と続く長い坂道・・・・だと思ってたけど
大きい観光地だからか道路はよく整備されていて
平均斜度5%くらいの楽勝のヒルクライムだった。
景色は「晴れてたら最高」

目的地「天祥(テンシャン)」までたどり着く。20kmくらいの上り坂でした。
つらいなあ・・・つらいなあ・・・雨で全身びしょぬれでせっかくの海外旅行なのに
僕はいったい何やってるんだろう・・・屋根のある駐輪場で
大河が削った高い高い崖から飛び降りることを考え始めていると・・・


な、なんと可愛い女子たちに囲まれたではないか!!
前々日にTシャツに落書きしたのが功を成したようで、話しかけられた!
この時確かに思った


「太魯閣に 来て よかった」


こうして人生数少ない3回のモテ期を消費した
正直テンパリすぎて今までの旅人にすかさず尋ねているfacebookさえ聞けなかった・・・
コミュニティー障害だ





坂を降りたら、
最南端で出会った大阪の大学生、僕がTシャツの文字アイディアを拝借した(本人了承済み)大学生と偶然再会した!名前は忘れた!
相変わらずのイケメン度である。じゃあのー


その後はひたすらに雨に降られて宿に戻った。
もうびしょびしょで、手持ちの服も全部ぬれているから服がない。
急きょ道路沿いにあったカルフールに入って(できるかぎり水をぬぐい泥を払ったが周りの生ごみを見るような冷たい視線は容赦なく僕の心をめった裂きにした)パンツと上着を買った。
最近台湾寒いからね。


6,7時ごろ宿に帰って、何とか着替えて、
宿のお客さん台湾人とご飯に行ってごちそうになって
スペイン巡礼の話がなかなか伝わらなくて(巡礼という概念が説明できなかった)困った。

宿のリビングでヘルパーの人と日本縦断の旅の話をして
なかなかうけて面白かった
台湾の人は大体「北海道」を知ってる
商品の宣伝文句で日本の飲料によくある「シチリアレモン」「バレンシアオレンジ」使用!という風に多くのデザートに
「北海道産牛乳」が使われているからだ
信じられないかもしれないが
台湾にとって日本産というのは一種のブランドのようだ。

天候には全く恵まれなかったが人関係でなかなか充実した一日だった





計90 km  床:sleeping boot のソファ


その日の日記メモ「女の子に会えたから太魯閣に来てよかった。」

と書いてありました