オリジナルプリント解説。その2。「Greeting」 | 世界の海を旅する水中写真家 古見きゅうのブログPowered by Ameba

オリジナルプリント解説。その2。「Greeting」

 

僕は魚をこの目で見たいがためにスキューバダイビングを始めたので、当初は魚以外の生き物には、全くと言って良いほど興味がありませんでしたし、2010年には魚たちのコミュニケーションを題材とした写真集「WA!」を出版することができました。

 

その表紙にはウミガメの写真が採用されました。魚好きの僕としては不満がなかったわけではないのですが、その写真はたくさんの人に愛され、いつの間にか僕の代表作となり、徐々に僕のウミガメに対する感情も変わっていきました。

 

海の中でウミガメに出合うことは少なくはありません。ウミガメの、いつもぼーっとマイペースに生きている感じが、当時の僕にはあまり馴染まなかったのかもしれませんが、そのマイペース感が、徐々に徐々に深い味わいのように、僕の中に浸透してきました。

 

「鶴は千年亀は万年」と言いますが、万年生きていると、こんな風になってくるのかなぁと、ちょっと可笑しく感じられたりもします。

 

そこから一匹の子供ウミガメが世界を旅し、成長していくという写真絵本「WAO!」へと繋がりました。WAO!の物語を作り上げていく過程では、世界各地で本当にたくさんのウミガメに出合いました。

 

1日のダイビング中、ずーっとカメに寄り添っていることもあり、寝ているカメ。草を食べているカメ。急いでいるカメ。ジンベエザメと泳いでるカメ。などなど、今思えば本当に貴重なシーンにたくさん遭遇してきました。でも、ウミガメは派手なアクションをほとんど起こさないので、実際のところはただ僕もカメの横でぼーっとしていることがほとんどで、全くシャッターを切らなかったこともありました。

 

まぁその、のんびりとしたライフスタイルが、まさにウミガメそのものなのかなぁとも思います。おかげで随分ウミガメとも仲良くなることができました。笑

 

で、こちらの作品のカメはモルディブの人気ポイント「FISH HEAD」にいつも居る、小さなタイマイ。僕らのことなんか意識することもなく、いつも海底でモシャモシャと何かを食べています。カメラのレンズがよっぽど好きなようで、ゆっくり近づいてレンズを向けると、覗き込むように自ら近ずいてくるのです。

 

カメの魅力を言葉にすると難しいのですが、僕なりに表してみると。。。

 

「なんかいい」

 

そんな感じですかね。笑

 

 

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http://ameblo.jp/nines-photo/entry-12203669347.html

 

 

 

WAO!: 海の旅人ワオの物語 (小学館SJ・MOOK)/小学館