今回はゼゼラの繁殖について。


元々ゼゼラが好きで採集、観察、飼育と色々やってきました。

野外での観察も飼育も難がある魚ですが旬の時期には年魚特有の気品というか輝きを見せてくれます。

そんなゼゼラについての知見も溜まってきたのでここらでまとめておこうかと思います。




過去のヨドゼゼラ記事はこちら↓

 

 

 

 

 

※このヨドゼゼラの個体群は業者の乱獲と河川工事で消滅しました。

 

 

 

 

 

 

長文に耐えられない人はこちら。





ゼゼラの一生

Biwia zezera zezera (Ishikawa, 1895)

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼゼラ
Biwia zezera zezera (Ishikawa, 1895)
コイ目 コイ科 カマツカ亜科 ゼゼラ属

 

 

 

 

 

側線鱗数 36

 

 

 

基準産地のゼゼラ

 

琵琶湖に分布し側線鱗数36~38枚

 

背鰭の後縁がやや凹む


他の産地よりやや大きく面長






ゼゼラ河川集団

 

 

 

 

 

側線鱗数 34

 

 

ゼゼラ河川集団は濃尾平野、山陽地方、九州北部に分布し側線鱗数33~35枚


背鰭の後縁がやや凹む

琵琶湖の個体よりやや小型で吻が丸い




アユの放流に伴い琵琶湖の集団と混生、交雑しており外見で河川集団と断定はできないようです。






ヨドゼゼラ
Biwia yodoensis Kawase and Hosoya, 2010
コイ目 コイ科 カマツカ亜科 ゼゼラ属

 

 

 

 

側線鱗数 33or34

 

 

側線鱗数34~35枚


2010年に新種記載されたゼゼラの近縁種
 

 

 

ゼゼラとの違いは、


背鰭の後縁が鋸歯状になる(特にオス) 

 

ゼゼラは背鰭の後縁がやや凹む


尾柄部の長さが異なる




繁殖期の個体はゼゼラに比べて太短い外見になります。

秋~冬の個体はゼゼラとあまり違いはありません。

 

 

 

 

 

 

ゼゼラ オスの背鰭

 

 

ゼゼラは背鰭の後縁がやや凹むのが特徴

背鰭の特徴はオスで顕著





ゼゼラ メスの背鰭

 

 

オスほど凹まない



 

 

ヨドゼゼラ オスの背鰭

 

 

 

性成熟すると背鰭が発達し後縁がギザギザになります。





ヨドゼゼラ メスの背鰭

 

 

背鰭後縁の鋸歯はオスほど発達しない





ヨドゼゼラ オス

 

 

 

 

 

 

ヨドゼゼラ 婚姻色の出たオス

 

 

胸鰭の縁に追星が見られます。

肝心の背鰭の後縁が欠けていました。
カメかザリガニに食われたような……。





ヨドゼゼラ メス

 

 

尾鰭がスレていますね。
こういう個体は元気そうに見えても産卵を終えた個体なので先は長くないです。






ゼゼラ繁殖編② 親個体 へ続く。

 

 

 

 

 

 

 

参謀長の飼育日記 (ゼゼラ繁殖編① ゼゼラとヨドゼゼラ)

 

参謀長の飼育日記(ゼゼラ繁殖編② 親個体)

 

参謀長の飼育日記 (ゼゼラ繁殖編③ 産卵)

 

参謀長の飼育日記 (ゼゼラ繁殖編④ 孵化~仔魚期の育成)

 

参謀長の飼育日記 (ゼゼラ繁殖編⑤ 稚魚の育成)

 

参謀長の飼育日記(ゼゼラ繁殖編⑥ 幼魚の育成)

 

参謀長の飼育日記 (ゼゼラ繁殖編⑦ 若魚~成魚)

 

 

 

 

 

 

 

 


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