猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。


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えーーーーと…………んぅ?
なんか、おかしくない?
パチパチと瞬きを繰り返しても変わらずにそこにある物体に、私はそう疑問にただ首を傾げていたの。





朝、私の隣に眠っていた敦賀さん。
しどけなく寝乱れた黒髪に伏せられた長い睫毛、高い鼻梁と形の良い唇。
ただ眠っているだけの筈なのに、その恐ろしいまでの色香たるや!!
コクリ…と、思わずに空気を飲む私の脳裏に、『女にだって性欲くらいあんのよ〜!なのに、あの男……なぁにがっ!肉食女子は無理、清楚系が好みなんだよね。だ!!いいじゃない!オンナから誘ったってぇぇぇ』なんてこの前の女子会で盛大にからみ酒になってしまわれていたベテラン女優のそんなお言葉が蘇った。
……いやいやいやっ!!私が誘っ……た、ことに……なるの??いや、そりゃ、酔っ払いになった敦賀さんをお家に連れ込み…ましたけど……いや、でも、私をベッドに引きずり込んだのは…………
そろりと、もう一度横へと視線を投げるとそこには、相変わらずにこれが夢でないと私に突きつけるように眠る敦賀さん。
寝息と共に僅かに上下する男らしい喉仏と惜しみなく晒されたなめらかな生肌。
なっ……なんだか、この破廉恥なまでのお色気なお方をこれ以上じろじろと直視してちゃいけない気がする!!
と、とりあえず、いつまでもこのままここにいる訳にはいかないわよね??だって、ほら!私、裸ですし!?二日酔い…になってらっしゃるかもしれない敦賀さんにこんな貧相な身体を晒す訳にはいきませんからねっ!!
そう決めて、さぁこのベッドから脱出を……と、そろりとベッドの外側へと身を返したその時……
それに、気が付いた。
敦賀さんには小さ過ぎる私のシングルベッド。その横に置いてあるサイドチェスト、その上に、それはあった。
無造作に散った破れた小さな正方形のパッケージが3つ。すぐそばには、それが入ってのだろう細長い箱。開いてズレたままな蓋からはまだ箱の中にそれがいくつか並んで詰められているのが覗ける。
大人のマナーグッズたるそのゴム製品。
所謂、コンド○ムな、避妊具ですよね。
…………私も二十歳になり、大人ですもの?実際に使用に至るとか購入した事なんてもちろんなくったって、まぁ、その存在は話には聞いてますし女子会でお姉様方が所持してたそれを見た事はあったりなどしたり?
いや、まぁ、それはいいんですけど……
強烈に私に違和感を訴えているのは、その箱の数。
開封された箱の側に、透明のフィルムに包まれた未開封の同じ箱がふたつ。
よくよく見れば、ベッドサイドにゴロンと製品こそ違えども同じゴム製品なものが、フィルムに綺麗に包まれたまんまな3つセット販売なのだろう物がもうひとつ落ちていた。
えーーーと……何故に、計6箱も???




んんーぅ???
お姉様方のお話によると、常時的に大人な男性は所持してらっしゃるのが一般的で、まぁ女性の方も恋人がいる方なんかは持ち歩いてらっしゃる方もいるとはお聞きしましたけど……
財布なんかに1〜2個を忍ばせておく物じゃないの?こんな、どう見てもおまとめ買いなお徳用セット販売的な量を箱のまんま持ち運ぶものなのかしら?なんと言うか……その、破廉恥なコトをする準備周到みたいな?



いや、でも……私の、ではないのだから……敦賀さんがお持ちになっていた…の、よね?
日本人体型な人には難しいなんて言われてるアルマンディを着こなしちゃうスマート紳士なイメージにはそぐわないけど……
タラしでコマしで妖しいまでに色気満載で夜の帝王様な、抱かれたい男NO.1の隠れ遊び人だもの。
それこそ『Hey、彼女!今晩どう?』な軽いお誘いでも喜んで♡な骨抜き腰砕けでホイホイと着いてっちゃう女性も多いでしょうともっ!!
スキャンダル知らずなその裏側で、実は、これだけの量をそれ用に周到に常備してないといけないような、取っ替え引っ替え手当たり次第に片っ端からな……




サイドチェストの上と床に転がったその物体を見つめたままそんな思考に陥っていた私の肩に、するりと絡み付くちょっとだけカサついた大きな手のひら。
引き寄せられてぽすんと背中がシーツに沈む。
そんな私に覆いかぶさり私を見下ろす敦賀さん。
背中がぞくりと震えそうな程に艶然とした笑みを唇に乗せ、ちろりとその唇を舐めてみせた夜の帝王の彼は言ったのだ。





「勘違いしてほしくないね。俺が用意したわけじゃ……ないよ。」






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昨夜、こそっと宣言しました通りあれやそれやな過去の駄文の読み返しな羞恥ぷれぃと闘っている時に、アプリの片隅に下書きのまま忘れ去っていたコレを見つけたてしまいましたのですよ。
_(:3」z)_



ひぃ、恐ろしかぁ…………



| 壁 |д・)
あ、二本立てな予定にございまする。
さて、ひと晩にゃ多過ぎるゴム製品たち、蓮さんがご用意したのでなかったら、誰がでしょうか?




↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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