先日、ほぼ徹夜でどりぃむスイッチのWebサイトをリニューアルしました。

 

NPO法人を立ち上げて6年、

サポステを運営して5年弱、

カモミールを運営してもうすぐ4年。

 

2つの委託事業を中心に運営してきたどりぃむスイッチが、

今、独自事業として、シェアハウス事業に取り組もうとしているからです。

 

委託事業を大人しくやっていれば良いのですが、この前参加した、かながわアフターケア勉強会でも聞いた「目の前の子を放っておけない」という想いが私の中にもやっぱりあって、だから決断しました。リスクもあり、私の身近な人には結構止められましたが…いつものごとく、やる以上はと今は応援してくれています。

 

実は去年の今頃、目の前の困っている子に出会い、住む場所の問題をなんとかしたいと考えていたところに、来春卒業する子のことで相談があり、やっぱり安心して暮らせる住まいだよなぁ…と考え始めたのがシェアハウス開所に向けて準備しはじめたきっかけでした。

 

2019年3月からFuku-Bizに通い、どのような形でシェアハウスを立ち上げ、運営するか考えてきました。「持続性のある仕組みでなければ、入居してくれた子たちを受け入れ続けることができない。それでは社会資源とは言えない。」と、何度も担当の池内さんと話をして、少しずつ整理できてきたような気がします。

 

他県ですでにシェアハウスを運営している団体の方からも、かなり踏み込んだ内容の資料をいただいたり、直接話を聞いたり、見学に行ったり。それらの情報をもとに少しずつ検討してきましたが、その中で情報が少なかったのが改修工事についてです。

 

シェアハウスというのは、建築基準法では寄宿舎という扱いになるそうですが、その寄宿舎としての規制というのが、国の基準とは別に、地方自治体ごとの条例などもあるので少しややこしいのです。

 

広島県も、福山市も、親を頼れない若者の自立を応援するシェアハウスというのは、全く例がないそうです。そもそもシェアハウス自体が稀なのですが。県庁の住宅関係の方に相談に行った辺りの具体的なことについては、サポーターになってくださった皆様への報告書に詳しく記載をさせていただきますが、とにかく、年明けの1月6日には工事がスタートというところまできました。

 

入居してくれる子は、主に児童養護施設で暮らしたことのある子たちですが、どりぃむスイッチの独自事業なので、行政からの縛りはなく、比較的柔軟に、グレーゾーン(措置はされていなかったけど、同じく社会的養護が必要だったと思われる状態)にいた子たちも対象に受け入れを行おうと思っています。

 

今、建築士さんと、入居した子たちの心が癒される、ピアサポートの場にふさわしいリフォームをと相談しています。帰った時ほっこりできる家。そして、例えばキッチンでは作った料理をシェアして食べたり、庭で一緒に野菜を育てたり、リビングでいろんな話をしたり。そんな楽しく暮らせる家にしたいと思っています。それまでいろいろあった子たちだから、これからは、できるだけ自由に楽しく自分の人生を歩んでほしいなと思うのです。

 

その家を安定的に運営する仲間になっていただける企業様も募集しています。サポーターとして資金を提供いただくかわりに、私たちからは、若者を採用し雇用し続けるために、今の時代何が必要になっているのかを一緒に考えていく場を提供したいと考えています。

 

沢山の企業様と出会う中で、若者を受け入れ育てるのが非常に長けておられるなと思うことも何度かありました。どうやってそれを実現していらっしゃるのかをシェアするだけでも、何らかのヒントが得られるのではないでしょうか。

 

若い人が生き生きと働けるということは、企業の人手不足解消につながっていきます。そして彼らがあたたかい家庭を築けるということは、地域住民が増えるということですし、地元企業にとっては需要が増えるということでもあります。そして、貧困や虐待の連鎖に歯止めをかけることにもつながり、社会保障費の減少にも少し役立てると思います。

 

昨日、嬉しそうに給与明細を見せてくれた子がいて、私も嬉しくなりました。「こんなにあったんだよ!」と、最近はいつも手を真っ黒にしてやってくる彼の、その誇らしそうな笑顔が、今日の私の頑張る糧になっています。そんな循環を、多くの方々と協働しシェアしていきたい。それが今の私の今の想いです。実現に向けて頑張りたいと思います。