ポリファーマシー
薬は毒なの?カスケードの罠
~私の事例から~
ナビケア訪問看護 西田です。
昨夜は直診医師研修会にナビケアクルー3人で参加させて頂きました。
学び多き研修会!
研修会で学んだことを実体験も踏まえていろいろ振り返ってみました。
《処方カスケード》
医療職でない方には聞きなれない言葉かもしれません。
処方カスケードとは、薬の副作用として現れた症状にまた新たな薬が出され、さらにその副作用が次の薬へ…という連鎖のこと。
《ポリファーマシー》
という言葉についてはまだ明確な定義がないようですが、私の中では「多剤投与」という認識が強かったです。
多剤投与そのものの善悪ではなく
不要な薬を処方「しなければならない様々な現状」について考えなければならないんだな、と学びました。
ずいぶん前のことですが、私も毒薬のカスケードの罠にはまったことがあります。
初めての受診では治療目標をたてて処方してくれた薬。
目標の期限が来ても一向に症状がよくならず、どんどん「カスケード的に」薬が増えていった事を思い出します。
医師が立ててくれた目標通りによくならないのは自分のせいだとそのときは思っていました。
そしてそのカスケードに歯止めをかけるきっかけをくれたのは薬剤師さんでした。
私が処方箋を持っていくと親身になって生活の事、不安な事をいつも聞いて下さり、処方する前に医師に電話して何度も薬を調整してくれました。
2年目になって、薬剤師さんが他の診療所にかかるようにとアドバイスをくれました。
ところが次の診療所でまた薬が増えました。
それからいろんなことがあり、また別の医師にかかることになりました。
4人目に出会った医師はなんと私の「多剤投与」を初診日に全て打ち切りました。
「病気を治すのは薬ではないし、私でもない、あなた自信が治すのです。あなたにはその力がある」
その時に医師が私に言った言葉です。
大事な大事な薬を全部取り上げられて、私は頼るものがなくなりました。
その時私は思いました。
「私は今まで医師ではなくて薬を頼っていたんだな」。。。
昨日の研修のあと、自分のカスケード時代を振り返り、その事を医師のせいにしていたんじゃないかって思う自分がいました。
なんだ、薬を飲まなくても治ったじゃないか、平気じゃないか!あの苦しみはなんだったんだ、不要な薬を出されて病気にさせられたんだ。 って。。。
私はそう思っていた自分を今日反省しました。
医師のせいではない
薬のせいでもない
そして自分のせいでもない
自分が自分と向き合って自分で選択する生き方、そのために必要なのは?
やっぱり正しい情報、知識かな?
どうすれば正しい知識がより多くの人に伝わるかな?
訪問看護師として、患者さんが自分なりの自分らしい選択ができるようにサポートするために果たすべき役割を再認識。
利用者さんの処方を全て常に把握するのは当然のこと、
その効果、副作用についてしっかりモニタリングして
医師に報告する!
利用者さんが自分で服薬管理が出来るように工夫する!
薬剤師さんと連携する!
重複受診していないか、多科受診している場合の橋渡し!
薬に頼らない予防医療の啓発を利用者さんだけでなく
家族、ご近所、地域にも!
取り組む課題は山積みだあ~
そして私の現在ですが、処方をしない医師のもとに定期受診しています。
頭痛薬さえくれません。まずは頭痛を取り除くストレスコントロールをしてみなさい。
と言われますが~処方がないとわかっているとついつい忙しいと足が遠のいてしまう、先生ゴメンナサイ(^^;