私は何気なく、近くにいた息子にその写真を見せて、
「楽しそうじゃない?」
って言ったんです。何気なく…。
そしたら、息子が、
「僕はみんなでお弁当食べるの、大嫌いだ。今まで9年間生きてきて、一度も楽しく食べられたことなんてないし。」
って言うんです。
え?そうなの?
と、予想外の返答に戸惑っていると、
息子が、いつもの自分の状況を絵に描いて説明してくれました。(息子はよく、説明する時、絵を描いてきます。)
息子が描いた絵はこちら。
みんなが笑顔でかたまって座っている中、一人仲間に入れず笑ってない息子の絵。
「いつもそうなんだ。楽しい行事って嫌いだよ。僕だけいつも楽しくない。
ある時ね、先生が近くに来たんだ。だから、先生くらいは僕の所に来てくれるかなって思ったんだ。
そしたら、まさかの、先生までみんなの所に行って座ってさ、
僕のことなんか見えてもないみたいに、素通りだったよ。」
と、ちょっと笑いながら話す息子の目が潤んでいて…。
私は、考えなしに息子に写真を見せてしまったことを後悔しつつ、
みんなでお弁当を食べる=楽しい
なんていうのは、私を含む多くの人が持っている固定概念で、
息子のように全く逆の考えを持っている人間だっているんだと、気付かされました。
それは、そっち側を経験した人にしか分からない考えで、
きっと多くの人は、一生それに気付かずに終わっていくんじゃないのかな。
そうやって人間は、自分の経験した感情をもとに、ものすごく偏った物の見方で人生を見つめながら生きてるんでしょうね…。
その後、これをきっかけに、息子はどんどん嫌な思い出を思い出してしまい、
悲しみと怒りが爆発するのでした…。
(次回に続く)