22 :ほんわか名無しさん:2007/11/08(木) 01:06:19 0
私は小さな小さな建築関係のメーカーの担当営業をしていたころ

私の担当には小さな個人商店がありました。

先代の社長を亡くし、若くして社長になった社長には二人の男の子がいました。

経営は苦しく、競合ひしめく地域で経験のなさも手伝い大手にお客さんを

持っていかれ、みてるのも悲惨な状況のなか必死にがんばる社長の姿がありました。

苦しい経営の割には支払いは良く、無理も言わず、若い私にも優しくしてくれました。

「一緒に成長しような」

といつだって前向きな社長が私も大好きでいつもそこにお邪魔しては

商売の話やガンダムの話に花を咲かせていました。




23 :ほんわか名無しさん:2007/11/08(木) 01:06:51 0
私の会社には特別な得意先に配る野球券(東京ドーム)があり、先代の社長が

健在で売り上げが好調だった時にはたまに配ったりもしていたのですが

やはり、担当営業に配分される年間シート割り当ては昨今の不況で大幅に減り

貴重な営業ツールとなっていました。

ある日、「○○君頼みがあるんだけど・・・」と私に切り出してきて

「来月、隼人の誕生日なんだけどな・・・野球すきなんだよな」

「この売り上げじゃもらえないと思うんだけど・・頼む!」

とめずらしくわがままを言ってくる社長の言葉に断りきれず

野球券をあげました。

しかし社長はその月、事故で亡くなり、野球券は仏壇に飾られることになった。

棺おけの隣に楽しみにしていた野球券がそっと置かれているのをみた時

涙がとまらなかった。

数ヶ月後、会社は潰れた。


24 :ほんわか名無しさん:2007/11/08(木) 01:33:13 0
それから8年たった後、私は分不相応にも営業3課長の任を受けました。

そして、2時面接の面接官をしてたとき、懐かしい声が聞こえました。

「○○大学の○○隼人です。よろしくお願いします。」

私には、彼が誰かすぐにわかりました。あまりに声がそっくりで

私は彼に一つだけ質問をしました。

「将来の夢はなんですか?」

面接で言わなくていいことを堂々と

「独立して会社を興すことです。父を超えたいんです。」

私は隣にいた人事部長にいいました。

「僕が預かります・・・」

彼は今年度営業戦略拡販商品のトップセールスに選ばれることになりました。

会社を辞めて独立したいといった時はもう止める気はない。

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