ビストロ タンオタン オーナーシェフのブログ

ビストロ タンオタン オーナーシェフのブログ

temps au temps   フランス語で「ゆっくり時間をかけて」という意味です。
家庭で使えるレシピやプロにも役立つ情報をのんびり更新していきます。
ビストロ タンオタン
兵庫県尼崎市 JR立花駅 北口徒歩2分

私のプロの料理人としての知識や技術、経験が、ご家庭で料理をされる方のお役に立てばと思いブログをはじめました。


レシピの紹介では、あまり難しく無く、家庭で作りやすい様、できるだけ簡潔に書くように心がけています。


他にも、関西を中心に、食べに行ったお店のレポートや、理屈くさいうんちく、など料理中心のお話をさせてもらっています。


2016年 3月 兵庫県 尼崎市 JR立花駅 北口 徒歩2分 2階の場所に自分のお店、「bistro Tan o' tan ビストロ タンオタン」を開店しました。







お店のホームページもぜひごらんくださいhttp://tan-otan.com/





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先日行ったレストランにて、


久しぶりにフランス料理を食べに行くので楽しみにしていました。

選んだ店はミシュランに掲載された事があり、食べログの点数も高いお店。

(食べログは信用していないけど点数はつい見ちゃいます)



アミューズからやらかしてくれましたショボーン

塩辛くて食べられない!

一口ならなんとかなるけど、まぁまぁな量

この塩気で料理を出し続けられたら舌がもたないと思い、

できるだけ穏便に(36歳、もういい大人ですから)

「味はいいんですけど、塩気がきつすぎます」

とサービスの方に伝えました。


「申し訳ございません、次の料理から塩は控えめにします」とのこと


全然塩が足りない料理が来たらどうしよ、と思いましたが、前菜は普通に美味しかったので安心。


ところが次のフォアグラ料理ではまた塩キツめ💦

…食べられないほどではないけどニヤ

フォアグラに火入りすぎて臭みでてるけど…

文句は言わず(大人だから)


魚料理は2人揃って尾の部分。

まぁ、文句言う客だから尾の方でいいやってところでしょうか?

コショウがかかってなかったので魚臭さが気になりますが、楽しく食事する事が目的なので沈黙…(もう今年37歳になるいい大人)

付け合わせが前菜と同じ野菜だったのも気に食わないけど…


さぁ、問題は肉料理

連れが注文した牛のハツ


歪んだ顔で差し出されたそれを一口食べて、すぐ吐き出しましたニヒヒ


臭い!!


これはお腹壊すレベル!

すぐにサービスを呼びつける



僕「これは傷んでいます、食べられません」

サービス「シェフに聞いてきます」


厨房に行って帰ってくる


サービス「熟成肉だから匂いがあります」


熟成肉⁉︎


昨今のなんちゃって熟成肉の末路がコレか…

そもそも内臓肉の熟成肉なんて聞いたことないけども…


僕「内臓肉の熟成肉なんて聞いたことないけども、自家製?」

サービス「シェフに聞いてきます」

    「肉屋から仕入れているそうです」


僕「内臓肉を熟成してる肉屋ってあるの?どこの肉屋やねん!」(身体は36歳、心は14歳)


結局、別の料理を作り直してもらいました。


サービス「大丈夫ですか?」

僕「食べられなくはない」(心は6歳)


既製品のような無難な味のデザートを食べてさっさと退散。



十中八九、あのハツはただ古かっただけでしょう。

業者から仕入れるような熟成肉なら、料理の説明の時点で言うだろうし。


料理も全然手間がかかってなかった。

付け合わせはずっと、茹でた野菜だけ。

食べ飽きるよ!


ハツ以外の肉料理も火入れがひどかったし。

塊の肉の上下しか焼いてない(普通側面も焼きます)

しかも片面だけ焼きすぎてるし。




散々文句を言いましたが、ふと思いました。

自分はどうなのだろう?


昔の話になりますが、

シェフが急に辞めて26歳で厨房を任せられるようになった頃、

サービスにお客さんからのクレームを伝えられる事がよくありました。


まだまだ未熟でした。(今も未熟ですが…)


悔しくて、周りに当たり散らしました。


でももっと悔しいのはお客さんだと思いました。

わざわざお金を払って、不味い料理を食べさせられて。

だから美味しく料理を作れるように努力しました。


料理の本を読みあさって、良いと思ったら試してみて、試行錯誤の連続です。


それは今も続いています。

もっと良い方法はないか?うまくいかなかったのはなぜか?

料理は本当に難しい!

料理が簡単なんて言ってるのはウソつきかバカかのどちらかです。


深夜に書いているのでついつい想いが溢れてしまって

話が脱線してしまいましたが、


鮮度が重要な内臓肉では熟成なんてあり得ないでしょ?

と言う話。

塩漬けとか味噌漬けとかはありえると思いますが、エイジングとなるとやはり無しかなと。


とはいえ、世界は広いですし料理は常に進歩しています。

美味しい熟成内臓肉があればぜひ教えてください。







北海道茶路めん羊牧場さんの仔羊を使ってイギリス料理のキドニーパイを作りました。

キドニーとは腎臓のこと。
腎臓だけだと食べにくいので、仔羊のすじ肉も使用しました。
煮込みはカルボナードという
黒ビール煮込みを応用して。
程よい仔羊と内臓の香り、ほろ苦さ、甘味があり、重厚な旨味でクラシックな雰囲気に仕上がりました。

材料(だいたいの分量)

仔羊すじ肉 1.5kg
腎臓 4個
飴色玉ねぎ 200g
黒ビール 720ml
仔羊骨の出汁
グラニュー糖
黒胡椒
ローリエ

折り込みパイ
卵黄


【作り方】
すじ肉、腎臓を塩とグラニュー糖を振り一晩おく。
水洗いして、水気をきり、フライパンでしっかり焼き色をつける。

焼いたすじ肉と腎臓、飴色玉ねぎ、黒ビール、仔羊骨の出汁、ローリエ、材料が浸るだけの水を入れて、すじ肉が柔らかくなるまで煮込み、水分をある程度煮詰める。

すじ肉、腎臓を取り出し、すじ肉は5センチ角、腎臓は2センチ角ほどに切り、煮汁に戻し冷ます。

耐熱性のココットに入れ、ココットより一回り大きく丸くカットしたパイ生地をかぶせ、卵黄を塗り、ふちをしっかり貼り付ける。

200度のオーブンで15分焼く。