昨日、YEBISU GARDEN CINEMAで「チャップリンからの贈りもの」を鑑賞してきました。
この映画に出演されているチャップリンの四男のユージーン・チャップリンさんと石丸さんが対談された記事を読んで、是非観てみたいと思った映画だったんです。

★簡単なあらすじ
舞台は、スイス・レマン湖畔の小さな町。
刑務所を出所したばかりのエディは、昔からの友達だったオスマンの家に身を寄せることになります。
オスマンにはかわいい娘がいて、奥さんは入院中で治療費が払えなくなるほど貧しい生活を送っていて…。
そんな中、クリスマスにテレビから、喜劇王のチャップリンが亡くなったという衝撃のニュースが流れます。
そこで、エディは埋葬されたチャップリンの棺を盗み、身代金でオスマンの生活を立て直そうと計画します。
エディもオスマンも貧しい移民同士。貧しい移民の放浪者を演じてきたチャップリンは自分たちの友達だから、友達ならきっとお金を貸してくれるという想いから…計画するんです。
オスマンは、奥さんの治療費のため、娘の夢を叶えるため、巻き込まれるような形でエディの計画に乗ることになります。

この映画、実際にあった実話なんだそうです。チャップリンの棺が盗まれていたなんて、全然知りませんでした。
この事件を元にしたフィクション映画なのですが、チャップリン家の全面協力のもと、チャップリンが出演した映画の映像も流れたりして、チャップリンへのオマージュに溢れる素敵な映画となっていました。

私が一番印象に残ったオマージュに溢れるシーンは、『ライムライト』を想わせるシーン♪
エディがサーカス団に入るのですが…。サーカスの楽屋で鏡に向かうエディの姿がカルヴェロに見えるシーンがありました。ある場面で、まるで幸せそうなカルヴェロとテリーじゃない?って思うシーンがあったんです。『ライムライト』のラストと違って、こちらの2人はこれからも一緒に歩んでいくんでしょうね♪ほっこり気分になりました♪他にも、あの映画のラストシーンを思わせる場面よね?などなど、チャップリンを思い浮かべるシーンがたくさんありました。

舞台となったレマン湖周辺の景色も、とても綺麗でした♪
以前、NHK「世界遺産への招待状」で、チャップリンが晩年を過ごしたレマン湖のほとりにあるブドウ畑が特集されたことがあって、是非行ってみたいと思った場所だったんです。ブログにも番組内容をまとめて書いています。こちら
チャップリンが愛したブドウ畑は映っていませんでしたが、よく散歩して眺めていたというレマン湖や周辺の美しい風景は映っていました。美しいチャップリン邸と、その庭に咲いた桜の木も見事でした。

また、音楽がミシェル・ルグランというのが良かったです♪
最初に、レマン湖の映像が流れて、曲が流れ出した途端、うわぁ~なんて素敵な世界観♪となりました。懐かしい感じのする曲なんです♪劇中で「ライムライト」の主題曲『エターナリー』をモチーフにした挿入曲が流れた時は、胸がいっぱいになりました。

途中、棺を盗むシーンで、棺が回転した時には…チャップリ~ン(泣)と悲痛な気持ちになり、観ていて耐え難いシーンもあったりはしたものの(汗)、その動機が愛する家族のため、友情のため。無謀な計画もしかたないと赦せてしまうような、呆れる2人の行動に、身代金を要求する電話のシーンなど、くすっと笑っちゃうようなシーンがたくさんありました。

何といっても、映画全体通して、チャップリンへの敬愛の気持ちに溢れていました。チャップリンの映画を観てわかるように、つねに弱者の味方だったチャップリンの想いが、ご家族にも受け継がれていることがわかるシーンがあり、深く感銘を受けました。

結末のネタバレはやめておきますが…映画のタイトルが、どうして贈りものだったのか?がわかるような、ほろっと心温まる終わり方でした。感動して泣きました。

チャップリン銀幕デビュー100周年記念作品の映画ということもあってなのか、館内には、チャップリンの貴重な写真や過去に出演した映画のパンフレットが展示されていました。

久しぶりのYEBISU GARDEN CINEMA♪恵比寿ガーデンシネマだった頃から大好きだった映画館。数年前、休館になってしまった時は、とてもショックでした。
上映される映画が私の好みにピッタリで、ポスター以外にも手作りのレイアウトで紹介してくれていたんですよ。(今回も、映画に関連して、石丸さんの記事が飾られていました。)
ブロ友さんも、この映画館が好きな方がいらして、数ヶ月前に復活することをブログに書いてくださって、再び開くことを知った時には、本当に良かったという気持ちになりました。
以前と比べて、少しお洒落になったような…雰囲気も温かく、やっぱり、ここの映画館は好きです♪

この日、この映画館でもう一作品観た「画家モリゾ、マネの描いた美女~名画に隠された秘密」も良かったので、また感想を書こうと思います。