昨日、『みんなのアムステルダム国立美術館へ』の感想を書きましたが、今日は『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』の感想です。監督は、フレデリック・ワイズマン監督。

舞台は、トラファルガー広場に面した場所にあるナショナル・ギャラリーです♪
私も行ったことがある美術館です。規模は小さい美術館なのですが、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ホルバイン、カラヴァッジオ、ルーベンス、ベラスケス、レンブラント、ターナー、ゴッホ、ピサロ、ティツィアーノ…名画がズラリと並んでいる美術館です。
年間に訪れる入場者は500万人以上なんだそうですよ。凄いですよね♪

この美術館で映画の撮影が行われたのは、2012年1月中旬から3月中旬までのほぼ毎日なんだそうです。
この期間中、ナショナル・ギャラリーとルーブル美術館が所蔵する「岩窟の聖母」が展示された『レオネルド・ダ・ヴィンチ展』と『ターナー展 クロードの光』といった特別展が開催されて、その様子も流れていました。

名画が紹介されるだけでなく、絵の面白さを語る学芸員さんや専門家の方によるギャラリートークやワークショップの内容も映り、話されていた内容が深く、とても興味深い内容でした。
「絵画には人生が描かれている。音楽も、映画、哲学、数学、科学、文学も…」という、素敵なお話しもされていました。納得です♪
その話を夢中になって聴く子供たちやご年配の方達。世代や人種を超えて、多くの人たちを魅了する名画の数々…。

展示室以外の美術館の裏の様子も撮影されており、修復師さんによる緻密な修復作業、修復をめぐってX線写真によって科学的に分析する方もいたり、スタッフさん達による助成金減少を受け人件費を削った予算案について会議している様子まで映っていました。

修復に関しては、技術があるだけでなく、それぞれの絵画がどのような社会で描かれ、どのような環境でみられてきたか?深く勉強されている様子が映ったり…。

照明に関しても、一枚一枚の絵画に、光がどこから当たるのがベストなのか?という位置があるわけで、それも照明や自然光によっても違ったりして…そういった専門的な解説も聴くことができました。

展覧会の会期中にも、展示場所や照明を変えたりして、常に作品のことを考え、その絵にベストな位置や見え方に細心の注意を払っていることがわかりました。

また、それぞれの美術館スタッフさんが感想を自由に出し合って意見交換をされたり…。あるスタッフさんが『レオネルド・ダ・ヴィンチ展』のインタビューの中で、「(会期中も)見るたびに新しい発見がある」と仰っていた言葉が印象に残りました。

最後に、ティツィアーノの連作絵画「ポエジア」の前で踊られるバレエに圧巻となりました!ロイヤルバレエ団とのコラボで、ウェイン・マクレガー振付による「Machina」が披露されていました♪

美術館でバレエ…いいですよね~♪毎年元旦に放送されている「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」で、ウィーン美術史美術館内でバレエが披露されたことがありましたが…名画をバックに美しいバレエの踊りも観ることができて、贅沢な気分を味わうことができました。

そうそう、この映画の中で、美術館内でピアノの演奏会も開催されていました。美術館でクラシックって、凄く合うんですよね♪
以前、東京でもブリジストン美術館で「ドビュッシー、音楽と美術」展が開催された際、館内にずっとドビュッシーの名曲が流れていて、とても気持ちよく鑑賞したのを覚えています。
国立新美術館でも、読売日本交響楽団のメンバーでロビーコンサートが何回か開催されていますが…日本でも、もっと美術館でクラシックの演奏会が開催されるようになったらいいですよね♪バレエもいいですよね♪

話が少し逸れてしまいましたが、『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』も、美術館の表の顔と裏の顔を観ることができて、大満足の映画でした♪

『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』 予告