先日、映画『おやすみなさいを言いたくて』を観ました。

信念を持って戦場カメラマンの仕事に打ち込む女性が主役の映画。
愛する家族と危険を伴う仕事との間で揺れ動くヒロインを、オスカー女優ジュリエット・ビノシュが熱演していました。
【予告】

ジュリエット・ビノシュといえば、『イングリッシュ・ペイシェント』♪壮大な恋愛映画で、大変感銘を受けた作品です。この映画の中のビノシュが素敵なんです♪
『おやすみなさいを言いたくて』を観に行こうと思ったきっかけも、ストーリーに興味を持ったのと、ビノシュが主役だったから♪

監督は、報道カメラマン出身のエリック・ポッペ。
自身も報道写真家として世界各地で活動していたという異色の経歴を持つ映画監督。元報道写真家だからこその視点で、ここまでのシーンが撮れたんだろうな~という緊迫したシーンがたくさんありました。

「世界は真実を知りたがっている」と使命感をもって、世界各地の紛争地域を駆け回る主人公のレベッカの姿に感銘を受けました。ビノシュの迫真の演技が素晴らしかったです。
その姿を見ながら、2007年にミャンマーを取材中にお亡くなりになった長井健司さんの「誰も行かない所へ誰かが行かなければいけない」という言葉が脳裏に浮かびました。
2013年に、シリアを取材中に亡くなった山本美香さんのことも想ったりしました。

少しだけネタバレになってしまうかもしれませんが…。冒頭のシーンから、中東で自爆テロを行う女性を取材するシーンが映るのですが…。それが、映画の中の出来事ではなく、現実に起きているわけなんですよね。実際に、女性や子供が犠牲になっているんですよね(涙)

『ハートロッカー』を観た時、自爆テロのシーンで、大変ショックを受けましたが、この映画を観て、その時に似た感情になりました。最後のシーンが、特に辛かったです。

毎年、必ず『世界報道写真展』に行っていて、その1枚1枚の写真を見ながら、命懸けで撮影している報道カメラマンのみなさんのことを思うわけですが…。
今回、この映画を観て、戦場に出向く報道カメラマンの方にも家族がいて、その家族がどのような気持ちになっているのか…そういう視点から考えたことがなかったので、レベッカの旦那さんの「待つ気持ちがわかるか?」という台詞が胸に突き刺ささりました。娘さんが母レベッカの死に常に恐怖を抱きながら苦しんでいる気持ちにも胸が痛みました。

『Thousand (1000) times good night』(原題)は、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」からとられているそうです。「何千回ものおやすみを」の言葉が、家族への愛と世界に対する愛に引き裂かれるレベッカの気持ちや姿と重なって思えて…。(涙)

レベッカの気持ちもわかるし、家族の気持ちもわかるし…号泣してしまいました。いろいろと考えさせられることがいっぱいありました。

紛争地域の緊迫した映像だけでなく、生きているって素晴らしい…と思えるような自然の映像がたくさん映っていました。
今年最後に、こんな素晴らしい映画を観ることができて良かったと思いました♪

ジュリエット・ビノシュ、今調べてみたら、50歳なんですね。信じられない!美しく、素敵な女優さんですよね。
素敵に年を重ねていらっしゃるな~♪
久しぶりに、『イングリッシュ・ペイシェント』を観たくなりました。今の私が観たら、また違う想いになるのかもしれません。
『イングリッシュ・ペイシェント』