今夜、NHK-BSプレミアムで映画『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』が放送されます。(11/8 20:45~22:56)

以前も、この作品については熱く語りましたが・・・。
東野圭吾さんの小説の大ファンで、加賀恭一郎シリーズの中で一番と思った小説でした。
映画も観ています。

本の表紙は、日本橋にある麒麟像!中国の伝説上の動物、麒麟です。
お仕事帰りに写メした麒麟像♪
麒麟像は、日本国道路元標。ここから人々が日本中に飛んで行く。だから麒麟の背中に翼をつけたんだそう・・・。
この麒麟像が、事件の謎を解く鍵になるんですよ♪

日本橋の麒麟の像の下で、胸部にナイフが刺さった男性・青柳武彦(中井貴一さん)が警察に発見されたことから、加賀恭一郎の謎解きが始まります。

事件の陰には、青柳武彦の息子・青柳悠人が関わっていました。(悠人役は、朝の連続ドラマ『梅ちゃん先生』でブレイクし、今年の大河『軍師官兵衛』でも官兵衛の息子を演じている松坂桃李さんです。)

悠人は、中学時代に水泳部に所属し、あることがきっかけでプールで起きてしまった水難事故に関与しており、この事故後、悠人は水泳部を止めてしまいます。このことがきっかけとなり、父親の武彦と確執ができて、親子関係が悪化していたように思えていたのですが・・・。

父親が命を懸けて、息子に残した最後のメッセージに涙、涙・・・となります。
息子の悠人が真実から目を背け続けていたことに対して、麒麟像を通じて、「勇気を出せ、真実から逃げるな、自分の信じたことをやれ!」というメッセージを残したんです。そのメッセージが息子に届いた時・・・。(涙)

他にも、小説を読んで、印象に残った言葉がいっぱいありました。今、ペラペラと小説をめくっているだけで、胸がいっぱいに・・・。

息子・悠人と同じように、父親と確執のあった加賀に、かつて加賀の父親を看病していた看護師・金森登紀子が言った言葉。
「加賀さん、あなたは人の死と向き合ったことがありますか?」
「死を間近に迎えた時、人間は本当の心を取り戻します。プライドや意地といったものを捨て、自分の最後の願いと向き合うんです。彼等が発するメッセージを受け止めるのは生きている者の義務です。加賀さん、あなたはその義務を放棄しました。」

この言葉で、加賀はあることに気がつきます。

加賀が、悠人の中学時代の教師、水泳部の顧問だった糸川先生に言った言葉。(糸川先生役は、来年の大河で伊藤博文を演じる劇団ひとりさん。問題のある先生役なんですけど(苦笑)、いい演技をされています。)
「中学の数学というと公式がいっぱい出てきますね。ピタゴラスの定理とか、解の公式とか・・・公式を覚えれば、いろいろな問題が解けるようになる。ところが最初に間違ったことを覚えてしまうと、何度でも間違いを犯すことになる。そういうことってありますよね。」

事件、真相後の加賀の言葉。
「人は誰でも過ちを犯す。大事なことは、そのこととどう向き合うかだ。逃げたり目をそらしたりしていては、また同じ間違いをする。」
同じ過ちを繰り返さないために、自らの命と引き換えに真実を伝えようとしてくれた父親・青柳武彦の姿勢とその想い・・・小説でも泣いたのですが、映画で父親役を演じた中井貴一さんの演技が素晴らしくて、映画を観て号泣となりました。

すごく好きな映画なので、今夜久しぶりに映画を観ようと思います。

映画『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』予告