エンタメを楽しむ方法

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障害があってもエンタメを楽しめる!ダイバシティエンターテイメントで楽しもう!見るだけ、聞くだけじゃないく、出演だってできます!
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Takashi Utsunomiya Tour 2019
Dragon the Carnival 追加公演

ライブは基本一人で行くのですが、今回は人工内耳装用者のFANKSと参加してきました。

彼女からはたくさんの事を教えてもらえる。
FANKSの先輩としても、人工内耳で音楽をどう楽しんでいるかもいろいろ話してくれる。

彼女が失聴したのはTMNが終了するより前。しかも小室さんと縁の深いイギリスで。

彼女の最初の自己紹介は「TMNは失聴後だから曲はあまり知らないんです。しかもイギリスで失聴したんです。」でした。
今でもよく覚えています。

自分の憧れの人が大切にしている地で失聴し、その人の音楽が聴けなくなる絶望感は計り知れないと思う。

今回一緒に見に行った感想をSNSにアップしていた。その中には失聴した時「絶望した」と記載してあった。

 

その後日本に帰国し、TMNETWORKのライブには補聴器で参加していたそう。補聴器は音を拾うことは可能だったが、何を言っているかは分からず、知っている曲で聞き取れた部分やリズムで把握して「何の曲を演奏したか数曲わかる程度」「なんの為に来たんだろう」と思っていたそう。
ライブに来て何を歌っているのか分からない、大好きなのに。そんな苦しいことを受け止めなければいけない。私にはできないと思う。
私は耳管開放症になって症状がひどい時、音楽どころではなかった。ライブに行くなんて考えられなかった。

 

転機が訪れたのは人工内耳に出会ったこと。
人工内耳の手術を受け、リハビリなどを乗り越えてTMNETWORKを聴いたところ、メロディやアレンジは分からないものの、知っている曲は歌詞が聞き取れるようになったんです。
これはどれ程の喜びだったでしょう!
新曲や失聴してからの曲は分からなかったりしますが、知っている時代の曲はわかるんだそう。


ライブではアレンジがされているので何の曲か気づくまでに時間がかかることもあるそうだけれども、ライブに行って楽しめる感覚。昔とは違うと思うけど希望が見えたと思う。

 

いろいろ話を聞く中で、TMNETWORKのボーカル宇都宮隆の歌声は聞き取りやすいんだそう。歌詞がストレートに入ってくるとのこと。他のボーカリストは歌い方にくせがあり聞き取れないのだとか。もちろん聞こえ方は個人差があるので、人工内耳装用者の方みんなかそうとは限らない。そんな中、宇都宮隆の声とマッチングしたなんて奇跡に思う。ここで宇都宮隆の生まれ持った声質と天才的歌唱力が見受けられる気もする。

今回ライブ後にお茶をした時の話。
TMNETWORKはシンセサイザーがメインのバンドである。機械音がメイン。だからなのかは2人では答えはでなかったが、人工内耳も機械だから音の相性がいいのかもしれない。

今回のライブのバンド編成はギターもエレキだし、ドラムも電子だったし耳に馴染むんだとか。
でもシンセサイザーの音が勝ってしまって宇都宮さんの声が消されてしまうことがあって、そこが難点らしい。

これはとても興味深かった。
バイオリンなどの生音は相性が悪くて聞き取るのは難しいが、マイクなどを通したりシンセサイザーみたいな電子音は比較的聞き取りやすいということ。

TMNETWORKは電子音。宇都宮隆の声と相性が良い。
これによって今回のライブを楽しむことができた様子。今回のバンド編成は彼女にぴったりな編成だったのだと思う。

そして2日目のダブルアンコールの曲は彼女がTMNETWORKに出会った曲「self control」だった。
これはこの上ない感動だと思う。

 

そして演出ではサーカスを思わせるようなセットで、クラウンも登場し、視覚的にも楽しめる物になっていた。

聴覚障害者にとって「見て楽しめる」エンタメは楽しみやすい。

 

彼女にはもっともっとTMNETWORKを始め、音楽を楽しんでほしい。

 

二人で大興奮しながら帰った。
次はTMNETWORKのライブに一緒に行ける日が来ることを願う!

そしてこの分野の研究をやってみたいと思う。