ベートーヴェンのトリプル・コンチェルト | めじの音楽日記

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クラシック音楽のコンサートの感想などを綴っています。

筆者はクラシック愛好歴40年、年間数十回はコンサートを聴いています。

ソリストが3人登場する豪華なコンチェルトです。

Concerto for Violin, Cello, and Piano in C Major, Op. 56
というのが、正式な名前。

ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3人がソリストということですが、
ピアノ三重奏がそのままソリストになった、という言い方をする人もいますね。

この曲については、ベートーヴェンの「駄作」だ、と断じる向きもあるようです。

いわく、

精神的な深みがない・・・
ピアノが簡単すぎて馬鹿みたい・・・
ハ長調という調性がいけない・・・
などなど。

ピアノ・パートが優しく単純なのは、プロの音楽家ではなかったルドルフ大公による
演奏を想定してのことであると言われていますね。

一方で、チェロのパートは高音を駆使していてめちゃくちゃ難しいです。

そんなアンバランスというか、「不公平コンチェルト」である点も
完成度という意味で批判の対象なのかもしれません。

しかし・・・
筆者は、この曲はベートーヴェン有数の傑作だと思うので、
「駄作」というのは、どうもしっくり来ません。

よくあることですが、平凡で退屈な演奏で、この曲を初めて聴いてしまった場合に、
その落とし穴にはまるんじゃないでしょうか?

筆者がこの曲を初めて聴いたのは、
カラヤン指揮のベルリンフィル、リヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチ、
という組み合わせによるものです。

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1970年の録音で、豪華な布陣が大変な話題になったものだったと思います。

この録音では、4人の大家が、まさに一枚岩となって取り組んでいます。
カラヤンも彼の悪いクセ(?)である「耽溺」に陥っておらず、
比較的引き締まった音楽を作り、ロシア勢の3人に溶け込んでいます。

この録音は、相当に綿密な打ち合わせとリハが行われたように思います。

♪♪♪

筆者は、ライブでも2回この曲を聴きました。

一回はブリジット・アンゲラー(ピアノ)、クニャーゼフ(チェロ)、
マフチン(ヴァイオリン)、カスプシク指揮のシンフォニア・ヴァルソヴィアを
ラ・フォル・ジュルネ音楽祭で。

もう一度は、アルゲリッチ、カプソン兄弟、指揮はドゥダメルで聴きました。

どちらも、ソリストがお互いに呼応し合う部分が、とても意欲的でした。
この曲は、まさにライブ向きの曲なんだと実感したものです。

では、また。
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