モーツァルトの隠れた名曲(その7) | めじの音楽日記

めじの音楽日記

クラシック音楽のコンサートの感想などを綴っています。

筆者はクラシック愛好歴40年、年間数十回はコンサートを聴いています。

シリーズ7回目です。

今日は、「グラスハーモニカの為のアダージョとロンドハ短調K.617」です。

オススメCDは、
ブルーノ・ホフマン(グラスハーモニカ)、 オーレル・ニコレ(フルート)
ハインツ・ホリガー(オーボエ)他のものです。

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こちらは、モーツァルトの死の年、彼が35歳の時の作品です。

グラスハーモニカとは、ワイングラスに量の異なる水を入れて
その縁を水で濡らした手でこするあれです。

後年、モーターで回転する軸に太さの異なる円筒形のガラス筒を付け、
ピアノのように指を置けば自動的にこすられる便利なものが発明されたましたが、

ブルーノ・ホフマンは、グラスを音程の数だけ用意してこすりまくるという
オリジナルそのままの曲芸に近いことが行われています。

CDとは別テイクですが、DVDも出ています。
(クーベリックが大きく出ているDVDですが、グラスハーモニカこそメイン!!)
こちらは、見る楽しみも大きいです。

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この曲は、当時のグラスハーモニカの名手マリアンネ・キルヒゲスナーという
盲目の女性の為に作曲され、彼女らによって初演されたものです。

当時の新聞には、
「グラスハーモニカはあらゆる楽器の中で最も高貴な楽器であり、
崇高な感情を呼び起こす」と評されたとのこと。

ブルーノ・ホフマンは、
この楽器のオリジナルの姿を現代に復活させた功績で、歴史に名を残す人です。

惜しくも、モーツァルト死後200年記念の年である1991年に世を去りましたが・・・

この曲のスペシャリストで、4回も録音しています。

オススメCDでは、
フルートのオーレル・ニコレやオーボエのハインツ・ホリガーと共演していますが、

たっぷりしたテンポがとられ、この楽器を演奏することに特有の「一種のぎこちなさ」
が独特の深い表情を醸し出しています。

円熟したモーツァルトがこの楽器とその初演者に対して抱いた思い入れが
聞く者に強く伝わってくる超名演です。

では、また。
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