8/26が数ヶ月前から楽しみだった。
毎年スクールズアウトの決勝では
まるでハリウッドの大作映画のような
笑いあり涙あり感動ありの数々のドラマを見ることが出来るから。
そしてこの漠然とした楽しみが確信に変わったのは
8/7に審査員の1人として審査に参加させてもらった時。
各会場を勝ち抜いた32バンドを8バンドに絞る。
勝ったバンドなんだからそりゃみんな素晴らしい。
それを心を鬼にして点数をつけていく。審査には5時間かかった。
そうして勝ち上がった8バンドに関西予選を勝ち抜いた1バンド、
そして熱いゲストバンド。
この決勝が素晴らしいライブにならないわけが無い。
8/26ライブ当日。あいにくの雨模様だったがそれでも
僕の心はこれから巻き起こるであろうドラマを想像してワクワクと弾んでいた。
そうこうしているうちにオープニングMCが始まった。
トミーとセオ姉さん。
予選から見ているがこの2人、とにかくうるさい。
でもその二人のわちゃわちゃとした活気が今日は
そのまま僕の心のワクワクとリンクしてテンションをいやが応にも高めてくれる。
「なかなかやるなこいつら」と思っていたらいよいよライブは始まった。
1バンド目「DARARA」
ガールズ5人組バンド。黒で合わせた可愛い衣装と
そのルックスからは想像出来ないパワフルさ、タイトな演奏、
ツインボーカルのハーモニーも完璧だった。
最初から超満員のお客さんの度肝を抜く圧巻のステージで
この日が素晴らしい日になる事を予感させてくれた。
2バンド目「スプラッピスプラッパ」
高校生ならでは独創的な歌詞の世界観や途中で読まれた作文に
唯一無二のセンスを感じた。
ポップな楽曲の中に繊細さと危うさを併せ持っていて
会場は不思議な空気に包まれた。
心を持っていかれたというほうが正しいか。
3バンド目「トビウオ」
横浜発のピアノロックバンド。
一度聴いたら口ずさめるような抜群のメロディーセンスと
それをよりキャッチーに引き立てるサウンドの心地よさに
会場は一つになった。
ハローハローという曲が未だに耳から離れない。
4バンド目「Abyss」
浴衣に般若のお面という衣装と
バイオリンを取り入れるという斬新なスタイルはまさにAbyss(混沌)。
圧倒的なボーカル力と「和」をコンセプトとした
オリジナリティあふれる楽曲に会場は熱気の渦に。
この日100人以上を動員した。
5バンド目「the Lump of Sugar」
3ピースなのを感じさせない音作りの良さ、
細部までアレンジが作り込まれたキャッチーな楽曲、
アウェーを感じさせないコール&レスポンスなどまさに関西王者の貫禄。
完全に関東の高校生を虜にしていた。
関西でも見たが会場が大きい程本領を発揮するバンドだと感じた。
6バンド目「Motor Dog March」
女性メンバーが二人いながら男勝りで
ラウドなミクスチャーロックを聴かせてくれた。
クオリティの高いラップと熱いMCで
会場を沸かせたカリスマボーカルには圧巻。
彼だけでなくメンバーそれぞれに華がありライブバンドとしての個性を強く感じた。
7バンド目「リーガルリリー」
繊細でふわふわとつかみ所の無いボーカルが表現する内省的な歌詞世界。
更にその「静と動」を駆使した楽曲センスに観客はいつの間にか
引きずり込まれた。ギタリストとしても天然の才能を感じた。
その世界観を支えたリズム隊も見事だった。
8バンド目「浮き足美人」
千葉からの2バンド目。「スプラッピスプラッパ」もそうだったが
完全に独自の世界が仕上がってる。
いったい千葉の高校生シーンでは何が起きているのか。
ボーカルの高校生とは思えない妖艶さと演奏陣のファンキーさに
より演出されるサウンドは良い意味で高校生離れしていた。
ボーカルエフェクターの使い方にハッとさせられた。
9バンド目「Heaven's Crow」
圧倒的な演奏力とパフォーマンス、
これぞハードロックという重厚なサウンドを武器に
会場を大いに沸かせた。
脱ぎたがりギターヒーローと圧倒的な歌唱力を誇るボーカルの
掛け合いに客席の盛り上がりは最高潮に。
エンターテイメントとは何かをこの年で完全に理解していたように思う。
ゲストバンド、10バンド目「STANCE PUNKS」
高校生のみんなが生まれた頃からずっとやってる本物のパンクバンドが来てくれた。
出演者のだれよりも汗をかき激しいステージを見せてくれた。
その熱い姿勢とMCには心を動かされた人も多かったのでは。
そう、高校生もベテランバンドも無い、音楽はジャーンとかき鳴らした時の衝動なんだ。
ここで全てのライブが終わった。
5時間以上ぶっ通しでライブを見たが疲れるどころか
興奮でいっぱいでこれで終わってしまう事への残念ささえ感じていた。
そうしてぼーっと余韻に浸っていたら協賛賞の発表も終わり、
いよいよ優勝バンドの発表を残すのみとなった。
「優勝はHeaven's crow!!!」
隣に座っていたお母さんが歓喜の声をあげる。
その隣のおばあちゃんが泣き出す。
終わった後、出演者で泣いてるやつもたくさんいた。
一生懸命やって負けたんだ、当然だ。
でも負けてしまったバンドも胸を張って欲しい。
終了後何人かの審査員と話す機会があったが皆同じ事を言っていた。
「全バンド凄すぎて点数をつけるのは本当に難しかった」と。
「なんでこんな大変な役割を引き受けてしまったんだろう」と。
「でもこっちまで刺激をもらえる素晴らしいライブでした、誘ってくれてありがとう」と。
全くもって同感です。
音楽の仕事をしている僕自身もたくさんのモチベーションをもらった。
本当に最高の一日だった。
この日の来場者536人が目撃したものは確実に来年へと
そして日本の音楽の未来へと受け継がれていくことと思う。
優勝したHeaven's crowのみんな、本当におめでとう!
そして今回出演した関東、関西の149バンド、最高の夏休みだったな!
3年生、卒業しても音楽続けろよ!
1,2年生、また来年決勝の舞台で会いましょう!
来年のこの日を楽しみにして、
スクールズ、アウトーーー!!!
スタジオ武蔵店長 三島