中国・丹東へボンボヤージュ♪中国船初体験。
韓国の仁川から、北朝鮮と中国の国境の街である丹東まで17時から9時半まで16時間。
117200ウォンで14000円程。
今までで一番長い時間を乗り物の中で過ごすことになる。
とは言え、船が大好きな僕は出航の汽笛とともに流れていく夕日を眺めながら
「やっぱ船はいいなぁ。ゆったりしてるし風情があるし。」
甲板の上で景色と自分に酔っている僕、かなりのセンチメンタル度数だった。
中国船籍のこの船は今まで乗ったどの船よりも汚くて居心地が悪かった。
交通費をいかに安く抑えるかと言う企画だからもちろん一番安い席なのはしょうがない。
席は図書館とかにあるキッズルームみたいな座敷に6人ぐらいが雑魚寝するスタイル。
こういう席は日本国内で何回も乗ってはいたが環境が全然違う。
こんな感じでフトン一枚ほどのスペースしかない。
反対側には正直今にも天に召されそうなお婆様が、、、、、
「・・・ゥー・・・・・・ホェ・・・・・・・・・・ベホマぁ・・・・・・・・・・・」
「!!?」
なにか小言でブツブツ言ってます。
「チン♪ドーモノーガターリぺヨーンジュンヨーリモーウォンービンノホーガカワーイィー♪」
なにやらお経唱えてるよ、、、、。
何なんだよ、、、。船が怖いの?ってか縁起悪い感じ、、、、、
しかも小声なのに腹から声出しているのか、波動が伝わってくるよ。
(結局夜通し、、、)
で、周りはと言うと、、、、、
「丁ゥ!半ゥッ!チョゥユンハニダ!」
そこら中で花札やってるよ、、、。
しかも大声と奇声を発しながら、、、、、。
ある意味キッズルームだよ。
少年の心を持った大人達が血走った目をしてゲームをしているよ。
なんでも、わざわざ運んでる収入もこの賭場のせいでスッカラカンになってしまう素敵な人もいるらしい。
うーんマンダムだ。なんてリスキーなんだ。彼らの人生ギャンブルだ。
ギャンブル・運び屋ってなんてスマートな組み合わせなんでしょう。
でもそういう生き方嫌いじゃないな。
大声出さなければ、、、。
まぁ、一番安い全員ザコ寝の席を取ったのだから、隣でお婆さんが一晩中お経を唱えてて寝れなかろうが、そこら中で賭場が開かれていようが文句は言えない。
それが彼らの日常であって、僕らはその中にお邪魔してる身だもんな。
以前、高校生ウルトラクイズを観た時の話を思い出す。
なぜだか熊の出る森を歩かされる高校生達。(クイズで熊とは中々やるな日本テレビ)
ビビる高校生達。
もやし高校生「熊は結構出るんですか?」
エコガイド「熊が出るんじゃなくて、熊のいる場所に僕らがお邪魔してるんだよ。」
いい例えなんだかよくわかんないけど、、、。
アタマん中はストレスと荷物の不安からグルグル状態。
メシは一つだけある食堂の食券を迷った末購入した。
何故って5000ウォンってメチャクチャ高いんだもん。
でも、他にメシを食うところが無いんだからしょうがない。
こんな事なら昨夜のコンビニで酒ばっかりじゃなく保存食も買っておくべきだった、、、。
でも、まぁ一応国際線だし中国料理みたいなので期待満々で食堂へ!
「中国料理はハズレはない。」
と、僕の経験からそう確信していたからだ。
しかし、竹富島でメシを食ったとき、ファンキーな親友Y君が
「カレーはハズレがない!」
と、自信満々でカレーを頼んだら20分以上待たされたあげくに具が真四角のボンカレーが出てきた話しなど僕は忘れていた、、、、、。
石垣島珍重中編 の時起こった話しです。
国境の商売ショーバイ♪
出発前日に起こした脱臼、そして全身けいれんによる筋肉痛、それにプラスして前夜のラリアート、、、。
今考えると、ムチャクチャなトラブルメーカーぶりだ。
旅の同行者としてはあまりお勧めできないなぁ、僕って。
今回のアジア横断は福岡から釜山まではもちろん陸続きではないため船だけど、北朝鮮も自由に移動できる国ではないため、迂回して船に乗ることになった。
高校生の時に東京都が主催する‘青少年洋上セミナー‘なるものに参加させてもらって中国に行ってからと言うもの、船が大好きな僕。
この‘青少年洋上セミナー‘なるものって今では廃止になってしまったんだけど、物凄い豪華な内容だった。
一人当たり軽く100万円以上はかかる旅行代になるんだけど、都内の高校生の中から応募してきて合格した400人もの‘青少年‘と言うかガキンチョをタダで海外旅行に連れてってくれたんだもん。
経費削減のあおりで今ではやってないんだよね、凄く貴重な体験だったのに。
しかし、正直‘青少年‘って感じの人よりも‘性少年‘って感じの人が多かった気がするから当然か。
もちろん僕は後者です。
今日の船を逃すわけにはいかないので、早めに港に着きチケットをゲット!
でも、あまりにも早すぎて時間を持て余す。
禁煙の流れはここ韓国にもできているのか、外にでてタバコを吸う僕達。
到着する人を待っているのか何なのか、出入り口は物凄い人。
しかもなんだかみんな人相が悪い感じの人ばかり。
そんでもって、皆おにぎりやサンドイッチを並べていたりして変な雰囲気。
僕らが乗る船が到着して、まずは中国から来た乗客が降りてくる。
と、そのほとんどの人たちが僕達が人相の悪い人たちのところに来てはおにぎりをもらいながら異様な行動にでた。
「・・・・・・・・?」
僕らはあっけに取られてその様子を観察。
乗客たちは山のように持ってきた荷物を、迎えの人間に渡している。
フェリーは飛行機よりも沢山の荷物を持って乗ることができるから一人あたりの荷物は凄い量になるんだけどそのほとんどを渡している。
「・・・・・・運び屋だ!」と下川さん。
その中国から密輸?したらしい荷
全員がDUTYFREEの免税で買ったらしき正規の免税品を渡す。お酒(ブランデーやウィスキー)やタバコ。
これはわかる。日本でもお土産に安いからと皆買って帰るし。
他に目立ったのはポリタンクいっぱいのごま油らしきもの。唐辛子やクコの実等の各種のスパイス。
そして規制以上の量のタバコ。普通に1カートンを渡したあとにポケットや色んなところに忍ばせていたバラになったものを集めて、ご丁寧に折りたたんだカートンの空き箱に詰めて渡している。
一番多かったのはマイルドセブン。絶対偽モンだろう。後はesseやバージニアスリムなんかのいかにも海外モノって感じのタバコが多かった。
今では北朝鮮製の偽タバコが問題になっているけど、当時はやはり中国の偽者が主流だったのだろう。
そしてこれから目を見張る光景が、、、。
ズボンのすそをたくし上げるとふくらはぎやモモの部分にビニールに入ったスパイスが巻きついててそれをビリビリとはがして渡してる、、、、おっさんやおばはんの足についてるスパイスって、、、、。
やけにみんなおしゃれな靴履いてるなぁと思ってたのだが、実はそれも輸入する商品だったみたいで、ピカピカのNIKEのAIRMAX95やPUMA等のスニーカーを脱いで、ホコリをパンパンと落として空き箱に詰めて渡してる。で、ビニールサンダルに履き替えてます。うんうん、どう見てもそっちの方が似合う。
さすがはコピー天国中国。完全に偽モノだろう。
ちなみにヴェトナムでも偽モノが堂々と売られているが、同じ商品でも値段が違うものがあって理由を聞くと、「これは中国製のコピーだから安いの。こっちはヴェトナム製のコピーだから作りがしっかりしてて高い。」と店員。
確かに、デザイナーをやってる友人によると洋服なんかも手先の器用で真面目なヴェトナム人の性格を反映してか、中国製よりも質が高いと聞いたことがある。
これは中国製のエアーマックス。ケチって買いましたがホントに質が悪くて2、3回しか履いてないのにクタクタ。
ネタが見つかりご満悦でやっとこ乗船。
いざ中国へ!って、その船も凄かった、、、、。
←朝鮮半島さようなら特別動画。
韓国の港町でラリアートを食らう!
肩を吊るした状態なのに両手いっぱいの酒を持っての帰り道。
異国の港町、アジア横断の途中と言う環境とお酒にかなりヤられてた僕は上機嫌で歩く。
鼻歌はもちろん「釜山港へ帰れ」 (by ジェロ♪)
道端に若い女の子が2人たたずんでいた。
ここは国際交流をするしかないでしょうと、人格の変わってた僕は話しかけた。
日本語はもちろん英語も通じないし、中国でもないから筆談も通じない。
まごまごしていると、路地にいたヤンキーどもが「どーした?」と集まってきた。
けど、超ハイテンションなモードに突入していた僕にはそんなことは関係なかったのか、
それとも、「ここですぐ立ち去ってはかっこ悪い」と意味の無いプライドがあったのか、、、
それ以降のことはある一場面しか覚えていない。
ウエスタンラリアートを後ろから思いっきりかけられる僕。そして周囲の10人ほどの集団。
それを、まるで幽体離脱して見ているような一場面だけが、しっかりと脳裏に焼きついてる。
どうやって宿に帰ったのか、無事?に帰れたみたいだ。気づいたら朝だった。
日本では良くあることだが、こんな大切な旅の最初からこれかよ、、、、、、俺。
「その買い物袋はどうしたんですか?」と聞かれ、僕の買ったらしきブツを見直す。
僕の布団の周りには満タンにお酒が詰まったコンビニ袋が二袋。
そして、僕の好きな‘袋入りインスタントラーメンにスープの粉末かけただけスナック‘を食べた後が。
「いやぁ、これから先バスの中とかで飲もうと思いまして、、、。」
(どう見ても買いすぎだ。しかもカードで、、、、中村うさぎか?)
「・・・・・・・・・。」
かなり引いてる感じが、、、。
しかし首が痛い、せっかく全身の筋肉痛が終わったと言うのに。
「良く覚えてないんですが、道端でヤンキー達にウエスタンラリアートを食らっちゃいました。」
「・・・・・・・・。」
もうドン引きされてます。
ふと、手のひらを見ると‘Friend korean please‘と言う文字と電話番号らしきものが書かれてた。」
全く覚えてないが、そう書いてあると言う事はあのラリアートは友情の証だったのか?
その電話番号に帰国してからかけたが、発信音は鳴るも出なかったし会話できないから確かめられないか。
「なんか気持ち悪いですよね」という僕。
もう訳わかんなくなってるのか、引くのを通り越してスルーされてきた。
これでよし。
『恋愛だって自分の悪いところを最初にさらけ出しておいた方が良いじゃないか。』
と、訳わかんない言い訳を自分にする僕。