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陽の場所が変わり
初めての面会
 
 
陽の居場所を見つけることは容易だった
 
 
そして確かに
みんなに見えてしまう場所
 
授乳後に体重を測る台の
すぐ隣なのだから
 
 
しかし
機械や処置道具が多い為
その場所でないと
スペースが確保できないことも
すぐに理解できた
 
少しでも見えないようにと
パーテーションが置いてあり
 
先生方の配慮も伝わった
 
 
 
 
 
陽、ここからがスタートだね
 
 
病院を出たら
もっとたくさんの人がいるよ
いろんな人で溢れているよ
 
 
 
私達が、守るよ。
 
 
 
 
そして
また面会が続き
 
 
 
そんなある日のこと
無菌カプセルからも出られるようになった
 
 
更に
 
陽は
白い布をまとっていた
 
 
完全滅菌された
白い肌着
 
 
布切れ1枚の偉力は凄まじいものだった
 
 
 
『陽、すごいねー!』
『服着れたんだねー!!』
 
 
本当に本当に嬉しい
鼓動が高鳴る
 
 
服が着れたということは
 
抱っこができるから
 
 
そう言われていたから
嬉しくてたまらない
 
 
先生方の
『抱っこしますか?』
 
という問いに
 
 
『・・・はい。』
 
 
と静かに答えた
 
 
いざとなると
不安が押し寄せ
 
全身ベタベタにワセリンを塗り
肌全体にバリアをつくってあるから
大丈夫だと言われても
 
擦れて痛くないのかと心配になった
 
 
着々と抱っこの準備は進み
何枚もエプロンを着て
私の見えている肌の部分は
目元だけの状態
 
 
『そこに座って待って下さい。』
 
そう言われ待つと
 
 
バスタオルで包まれた陽を
看護師さんが優しく抱っこして
近付いてきた
 
 
 
胸が苦しい
 
でもこの苦しさは
今までの
辛く悲しい苦しさとは違う
 
嬉しくて胸が詰まる
幸せの苦しみ
 
 
初めての抱っこに
緊張しつつ
 
私は
そっと
我が子に手を伸ばした
 
 
やっとやっと
 
我が子をこの胸に抱くことができる
 
 
 
陽、おいで。
 
 
 
つづく
 
 
⭐現在に追い付くまでは、過去の話となる為、
    ブログとは少し違う感じとなります。
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    優しく見守って頂けると幸いです。