⭐この記事から見て下さった方は
    分かりにくい部分が多くあると思われます。
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突然病室にきて
渡された名刺には
 
心理カウンセラー  
 
と書かれていた。。。
 
 
私はそこまで
精神的に弱っているの?
 
周囲からはそういう姿にみえるの?
 
 
 
 
・・・そりゃそうか
 
と、自己解決。
 
 
 
 
そして
なんとなく耳を傾けていると
 
有名なあの言葉が聞こえた
 
 
子どもは親を選んで産まれてくる     と。
 
 
 
でも
この時の私には
この言葉は逆効果でしかなかった
 
 
私を選んでしまったばっかりに
陽はこの病気になってしまったのか
 
どうしてこんな私を選んだのか
 
 
選ばれたくなかった
 
そう
 
育てられる自信がなく
現実を受け入れられず
 
母親としての
自覚
覚悟
 
なんて微塵もないまま
 
次の日も
次の日も
 
 
面会の時間に会いに行った
 
 
でも
自分から陽に会いにいくことは
 
一度もなかった
 
 
 
ただ
面会の時間   だから   行く。
ただ
近くで  見つめる。
 
 
 
そして
私自身の退院が明日と近づいた時
 
 
担当の先生が目を見開いて教えてくれた
 
 
 
『陽くん、
    口でミルクを飲めましたよ!!』
 
 
固い皮膚に引っ張られて
開いていた口で
器用にミルクを飲んだのだ
 
鼻のチューブからではなく
哺乳瓶で私の母乳を飲んだのだ
 
 
陽は
生きようと頑張っていた
 
 
口でミルクを飲むなんて
当たり前のことなのに
 
周りのみんなが喜んだ
 
 
 
 
そして気付いた
 
陽の担当の先生方や看護士さんは
 
 
『陽ちゃん、ミルク飲めてえらいね』
『陽ちゃん、起きたのかな~』
『陽ちゃん、おしっこは~』
 
『陽ちゃん』『陽ちゃん』『陽ちゃん』
 
 
と、
たくさん   名前を呼んでいた
                    語りかけていた
                    微笑みかけていた
                    誉めていた
 
たくさん    応援していた
 
 
なのに
私はまだ呼べていない
 
 
 
陽、
頑張っているんだね。
生きようと、
踏ん張っているんだね。
ミルクも口で飲めたんだね。
すごい!!えらいね。
 
 
そう言おうと、
声を絞り出した。
 
しかし私から発せられ言葉は
 
 
『・・・よう・・・』
 
 
だけだった
 
 
そして私は退院をむかえた
 
 
 
つづく
 
⭐この文章を読んで、不快なおもいをした方もいると思います。申し訳ありません。
でも、今は決してこのような事は思っていません。だからといって、母親としてこんな考え方は許されることではないと分かっています。
でも、この時の私は、そう思ってしまっていたのです。本当に情けない母親です。ごめんなさい。
 
少しずつ、母として強く成長していく姿を
優しく見守って頂けると幸いです。