2016年12月21日。
ひとりで自分の実家に帰りました。
気が重いよー(>_<)

今日の目的は、
父に入院することを話すこと。

私には、妹と弟がいます。
父と二人暮らしの妹に、一人暮らしの弟。
N大学病院で再びがん告知を受けた後、
妹と弟には電話で伝えていました。
(やはりとてもびっくりしていましたが^_^;)

ただ父にだけは、母が亡くなって1年も経って
いないこんな時期に話すのはどうしようか、
正直とても悩みました。
仕事が忙しいからか、傷心からか、以前より
父は 
だいぶ痩せてしまいました。
しかし入院は年末年始で隠しようがないし、
私にもしものことがあったときを考えて、
がんとは伏せて話すことにしました。
(手術後、病理結果が出てから父に伝えること
にしました。)

「ちょっと舌に腫瘍ができたから、手術しに
1週間ほど入院してくる!だから年明けにまた
実家に帰るね!」

…と、明るく伝えたのでした。

気になる反応は…

「あ、分かった。」

…だけでした∑(゚Д゚)

この反応には父のいないときに、妹と
見合わせて笑っちゃいました^_^;
「そこ突っ込まんかい!」と^_^;
まあつっこめなかったのか、それとも
つっこまなかったのかは父しか分かりません
が…
もともと難しいことを考えるのが苦手な人
なのが幸いだったのかな?
「亡くなった母がもしこの場にいたら、絶対に
取り乱してたよね。」
と、妹と2人で話していました。

とりあえず、これでよかったのか?!

『でも、本当のこと言えなくてごめんね。』
2016年12月17日。

仕事を終わらせて、N大学病院へ。
休みの夫も一緒です。

土曜日の午後。
診察が終わった院内は人もまばらでした。
受付で昨日のやりとりを説明すると、
夫とともにすぐに診察室に通されました。


S先生
「旦那さんもいるので、念のため昨日と
同じ話をします。」

そう言って、複写式の紙に書き始めました。
昨日ももらって帰ったのですが、診察のとき
先生が説明を紙に書いてくれます。
重要な話をするときだけのようですが、
後で見返せるのでとても助かりました。
もちろん患者用の署名欄もあって、説明の
食い違い防止のためなんでしょうね。

S先生
「手術日はどうしますか?」

「年内の12月26日でお願いします。」

S先生
「(手術室空き状況確認)…うん、空いてる。
じゃあ26日で決定で。時間は8:30から。
入院日は手術2日前の24日で、退院予定は残念
ながら年明けなっちゃうね。いい?」

「大丈夫です。」

S先生
「術後3日間は口から物を食べられないから
『経鼻胃管(けいびいかん)』。
鼻から胃に直接チューブを通して、流動食と
薬の投与をします。
抜けるまでの期間は人にもよるけどね。
チューブが抜けた後、食事を再開して
食べる量が安定したところで退院です。」

「はい(°_°)」
(鼻からチューブ…流動食…
数日とはいえ、色気より食い気の私が
食べられないってツライよー!)

S先生
「あとは全身麻酔をかけるから、入院前に一度
麻酔科を受診してほしいのと、神経内科の
N先生の診察日にも一度受診してほしいので。」

日程調整をすると、手術4日前(入院2日前)の
22日に一度で済ませることができると判明し、
その日に決定しました。

S先生
「N先生には手紙を書いておくから。
それと手術の同意書などは説明を読んで署名
して、入院日に持ってきて下さい。」

「分かりました。」

S先生
「あ!○○さん!入院窓口まだ空いてる?」

スタッフの○○さん
「あと15分で閉まります!」

S先生
「次に会うのは入院日になるけど、
大丈夫ね?」

「は、はい!」


バタバタと診察は終了しました^_^;
S先生、ありがとうございます。
1日迷って慌ただしくしてしまい、
ごめんなさいm(_ _)m

入院窓口に着くとすぐにまた席に通され、
ここでも問診票を書きました。
内容は、あなたはどんな人ですか?とか、
入院中お世話をしてくれる人は?とか、
つらい症状、心配事ありますか?とか…
どんな人…なんて、何の資料に使うんだろう(笑)
入院に関するパンフレットを見ながら、
入院に必要なものやら、病棟の注意やら
聞きました。
時間にして20分くらい?

病院にいたのは1時間半くらいなのに、
とても濃い時間でした。
2016年12月16日。
N大学病院、再診。

夫は仕事のため、私ひとりで来ました。
自動受付機で受付を済ませ、耳鼻咽喉科へ。
15分ほどで呼ばれました。

「今日、診断出るんだろうな。
きっといろいろ決まるんだろうな。」
ドキドキドキ(>_<)


診察室に入ると、私の担当医となる女性の
S先生が待っていました。

バリバリの女医さんという感じ。
つ、強そう。(失礼)
いやいや、とても頼れそう。

お互い挨拶もそこそこに…

S先生
「診断は舌腫瘍…はっきり言ってしまうけど、
いい?舌がんです。」

「は、はい。」
(あっさりと早っ!!おお〜〜〜〜(>_<)
2度目だけど、やっぱりショック…ああ…)

S先生
「聞いている通り、市立病院からの検体は
『上皮内がん』の診断結果でした。
治療として舌部分切除の手術を勧めます。
手術を受ける前提で話を進めていいですか?」

「はい(°_°)お願いします。」
(あれ?市立病院では表面だけそぎ取る手術
って言ってたのに、なんか違くない?)

S先生
「(舌の断面のイラストを描きながら)
一番上の層から上皮(舌の表面)、真皮、
皮下組織。
上皮内がんは、上皮だけがんになっていて、
その下の真皮、皮下組織まで進んでいると
浸潤がんと呼ばれています。
手術は一番は治療目的だけど、確定診断も
目的なのね。」

「はい(°_°)」
(要するに切りたいってことね。)

S先生
「(舌のイラストを描きながら)手術はこう
舌の右側の縁全体、赤くなっているところ
切り取ると。
こんな感じで舌は変形して残ります。

「(°_°)!」
(イラスト上は3分の1くらいない、気が…)

S先生
「入院期間は個人差もあるけれど約1週間。
手術の2日前くらいに入院してもらって、
手術して、あとは回復を待つと。
だから、早ければ1週間。長くて10日かな。
手術は全身麻酔で行います。」

(そんな短期間で回復できるのかな?)
「あの!…市立病院の先生は、部分切除まで
しないと言っていたんですが。」

S先生
私は表皮よりも下に進んでいる部分がある
思っている。だから、上皮内がんより
進んでいると思う。
まあ切ってみないと分からないけれど。

「…そうなんですね(°_°)」
(命に関わるってことなのか。
できればこんなに切りたくないけど、
先生は根治を考えての提案なんだろうな。)

「手術受けるとなると今12月ですし、年内は
難しいですよね?」

S先生
「えーっと…、年内は26日。年明けは…
1月23日です。あまり延ばさないでできれば、
早く手術した方がいいと思う。
年内だとお正月を病院で迎えることに
なっちゃうけど。」

(年内は急だよね…。でも逃したら1ヶ月後。
待ってる間に急速にがんが進むこともある
かもしれないし…)
「今日決断しなきゃダメですか?仕事のこと
もあるので。」

S先生
「明日決めてもいいですよ。
土曜日だから診察は午前中で終わるけど、
私と話してあるって受付で言ってくれれば、
午後でもいいし。」

「分かりました。」

S先生
「ひとつ注意点。手術室の空き状況は今日時点
のものだから、明日はもう埋まってる可能性も
あるので、それだけね。」

「分かりました。」


最後に舌の触診や、のどの奥をカメラ撮影、
首・肩の触診をして、診察室を後にしました。

いざとなると、決断できなかった。
でも年内に手術できるかもしれない。
あとは周りとの調整。


夫とは、もし年内の手術が可能なら年内にと、
事前に話をしていました。
今夜、話そう。

この後職場に電話を入れ、
舌がん告知を受けたこと
手術を年内に受けようと思っていること
を、伝えました。

上司
「若くしてがんなんて…。
年越しを病院でなんて、かわいそうだけど、
早い方がいいよ。
早く元気になって戻ってきて。」

温かく送り出してくれました。


その夜、夫と話しました。
26日の手術日は、たまたま取れた連休と
ぶつかったため付き添ってくれることに
なりました。
そして、明日も仕事が休みだから一緒に説明を
聞きについて行くと。

「迷惑かけて、心配かけて、ごめん。」

「迷惑と思ってないよ。
…いつも世話焼いてるし(笑)
一番つらいのは、ふむでしょ。」

あ、私が一番つらいか。
よく考えればそうなんだよね。
大きな病気をすると、自分が生きていて
申し訳ない存在に思えてくる。
治るのか分からない病気がまた
増えちゃったし。医療費はかかるし。


でも、私やっぱり生きたい。
夫は私と出会う前に付き合っていた彼女を
事故で亡くしているから。
同じ思いをまたさせる訳にはいかないから。