「子供がいる今が人生で1番幸せやろう?」

先日友人にこう聞かれて即答できなかった。
なんだか頭が真っ白になる質問だったので。

子は宝と言いますが、自分が子を授かってみて、その言葉を突き刺さるほど実感する日々。

特に身体の弱い娘なせいか、毎日体調は大丈夫か、暑くないか寒くないか、本当に宝物を扱うかごとく、気を遣いながら暮らしている。

身体が丈夫な子でも大雑把な親でも、子を想うこの気持ちは一緒だと思う。


なので、たまに幼い子供が亡くなる事件をニュースで見ると本当に文字通り胸が痛くなる。

宝物のように育ててきた我が子が…想像もしたくないほど、それはこの世で一番の悲劇だ。


そんな可愛い子を持つ母親の私も、時々「母親」でいることに疲れてしまい、誰かの母親でもない、妻でもない、ただの自分だった私に戻りたい、と思うことがよくあった。


先日、出なければいけない時間が迫り、泣きながらまとわりついてくる子を抱っこしたまま、汗をかきかきアタフタ準備をしながら、つくづく独身だった頃の自由な私、私だけの私に戻りたい!と思った瞬間、ふと気づいた。


あの頃の私だって、私だけの私、じゃなかったな、と。


当時は彼氏だった今の旦那の彼女だったし、勤めていた会社の経理担当だったし、家に帰れば両親の娘だったし、二人の弟の姉だった。

そうだ、産まれたときから今まで、私はただの私、私だけの私だった瞬間なんて、一度もなかったんだ。


いまスヤスヤお昼寝中の娘も、産まれた瞬間から、いや産まれる前からもう、この情緒不安定な、マイペースB型の母親の娘だったし、私や旦那の両親の孫だったし、私の兄弟の姪だった。

そして、一生それは続いていくんだな。


子供が産まれてから、なにかものすごい責任と、一生続く心配を新たに背負った気になっていたけど、そんなの産まれた瞬間から、すでに背中に乗っていたんだ。


そしてそれは重荷とか重圧なんかじゃなく、愛という名の幸せな荷物なんだなあ。

私はそれをもう一つ、受け取ることができたんだ。


出かける前の短い間に、あるひとつの私をいつも憂うつにさせていた思考が、頭の中でクルクルとひとりでに解決したのでした。(笑)


だから、冒頭に書いた、友人からの偉大な質問に、私は今なら素直に、うん!と答えれる気がしています。


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