ネーネがさきちゃんに「!」と言えた日から


二人は対等の立場になったのですが


どちらかというとネーネの方が、やや優勢という感じでした。




勝気なさきちゃんと、怖い者が無くなったネーネは


毎日いがみ合っていたのです。




さきちゃんは、絶対服従だったネーネに徹底的に逆らわれ、


自分の意見をはっきり言うようになってしまったネーネに


苛立っていました。




まわりの子を何とかさきちゃん側に付かせて


ネーネに復讐してやろうと必死だったのですが


誰もさきちゃんに付く者はいませんでした。




ネーネの周りには以前のように友達が戻ってきました。


以前のようにクラスの中心人物になりつつありました。




毎日楽しそうに学校から帰ってきました。


あの日以来、悲しい報告を聞くことは無くなりました。


でも、何か違う。


何かおかしい。


ネーネだけどネーネじゃない。


私はすごい違和感と、とてつもない不安を感じていたのでした。


そして、やっぱり傷ついたネーネの心は元には戻っていませんでした。




爆発したあの日から、ネーネは徐々に元のネーネから


かけ離れた人物になっていったのでした。




ただこの頃はまだくすぶっていました。


毎日すっごく楽しそう。


だけど、それはネーネの勘違いでした。


さきちゃんに言いたいことを言えるようになったからスッキリ。


言いたい放題だから気持ちいい。


本当に楽しくて心から笑っているんじゃなかったのに


あの担任は「これでいいんです!」って言ってたのです。




さきちゃんはクラスで孤立していきました。


自業自得といえばそれまでかもしれないけど、


そんなのやっぱり、いじめを解決したとも、克服したとも


言えないと思ったのでした。