◆意図的に生きる心理セラピスト◆

         ★ 意図的に生きる人生 ★     

Amebaでブログを始めよう!

『§幸せにくいのないように生きる』
「厳しさのあとの感動」

 


様々なことが便利になり、私たちはその恩恵を受けながらも、私たちのマインドはらくしてものごとを成し遂げることに、日々意識が向いているのかもしれません。

 

先日、大学3年生の消防士を目指す体育会男子たちが、消防学校で3日間の消防体験に参加しました。

 

これから消防採用試験を受ける彼らにとって、この体験はさらに志望理由を高め、採用試験のための勉学意欲も高める機会になります。

 

初日彼らは緊張した面持ちの中、やってやるぞと意気込みを持って参加しました。

 

初日の体験が終わった後、一人の学生が大学に戻ってきており話を聞くと、「マジやばいっす。半端ないです」と、その顔が真剣そのものでした。

 

次の日の朝、体験が始まる前に学生たちに会うと口々に、「やばいっす。マジきついです。筋肉痛で足もパンパンです」と言っていました。

 

日頃、消防試験には体力試験もあり、日頃から体を鍛えて来た体育会の学生がそのようなことを言うのですから、相当な訓練をしていることが伺えました。

 

少し話を聞いていると、ロープの結び方からその使い方、実際に防火服を着て、防火服だけあって重いようで、そこに火災現場で背負う酸素ボンベを担ぎながらグランドを走り、また5階建ての訓練棟の階段も往復したようでした。

 

消防体験に参加する前に、消防学校の指導教官と打合せをしたときに、体育会の男子学生ということもあり、実際に消防学校に入校した初任者研修の訓練内容を消防体験に組み込んでプログラムを作成してみますと言っていたのを思い出しました。

 

最終日の訓練が一通り終わり、学生たちは疲れ切った表情で最後の振り返りをし、私も同席しました。

 

教官からざっくばらな物腰で3日間の感想を聞かれた学生は、「きついっす」「しんどかったです」「なめてました」「いい体験ができこれからに活かせると思います」。

 

最後の学生のコメントには教官も、「真面目やな~」と茶々を入れながらも、「そう言ってくれると嬉しい」と笑顔で応え、キビキビとした緊張感の中での訓練の後と言うこともあって、学生にも笑いがこぼれていました。

 

消防学校長の最後の訓示のあと、この消防体験に携わっていただいた教官たちと学生のフリートークの時間を設けてもらい、学生はこれから目指す消防士のことについて、思い思いに質問していました。

 

すべてのプログラムを終了した学生は消防学校を後にし、駐車場についた頃にようやく肩の荷を下ろしたように疲れた表情をしていました。

 

でも、その顔は日頃キャンパスで見る学生の顔とは違い、なにかやり遂げた感動すら覚える精悍な顔をし、私は「(こいつら)かっこいいなー」と正直思いました。

 


彼らの目指す仕事は、人命に係わる「やりがいのある仕事」だと思います。

 

それは、今回の消防体験の一片を見ても相当厳しい訓練を乗越えた先にあるものだと思います。

 

そんなとき、ふと他の学生が「やりがいのある仕事がしたい」という言葉を思い出し、それを口に出すことになにか違和感を覚えました。

 

なぜなら、「やりがいのある仕事がしたい」ということはいいのだが、その言葉を言う学生の多くが、「やりたいことがわからない」とセットのように言うからです。

 

そして、そんな学生の志望動機を思い出すと、会社に入る志望理由は言えるのだけれども、入ってから何がやりたいかが言えない学生が多いのです。

 

それは裏を返すと、「会社が自分にやりがいをもたらしてくれる」と思っているのです。

 

今回消防体験に参加した学生たちの志望理由を思い出すと、誰一人「消防士はやりがいがあるから」とは言っていませんでした。

 

その代りに、消防士として「こんなことがしたい、人助けになりたい、守りたい」と言った消防士になってからしたいことを言っていました。

 

「結婚をしたら」「お金持ちになったら」が人を幸せにするのではないことと同じように、「やりがいをもたらせてくれる会社」がその人を幸せにするわけではありません。

 

「結婚をすること」「お金持ちになること」「やりがいが持てる仕事」で幸せを感じるためには、楽しいことばかりでなく厳しさもその厳しさを乗越える努力も必要です。

 

その厳しさや努力を知る者が、人に優しく、人に感動を与えることができるような気がします。

 

『おかげさまで』と言う言葉がありますが、その言葉を言えるのは、厳しさやその厳しさを乗越え、多くの人に支えられ助けられたからこそ言える言葉と聞いたことがあります。

 

人に感動を与えるために生きているわけではありませんが、やはり目的をもって頑張っている人の姿は、人の心を打つものだとこの消防体験に参加した学生を見て、改めて思うのでした。

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。