関東甲信地方も梅雨明け!

いよいよ紫陽花ともお別れですね…



先日、都内大学でゲスト講師を
させていただく機会がありました。

意欲的な生徒さんが多いですね、と
ゼミの後に教授とお話していたんですが
どうやら”学生主体”を心がけているそう。

ゼミ内のルールも生徒さんに決めさせているようで
たとえば欠席3回で単位なし、とか
遅刻2回で欠席1回の扱いとか。

これ、もし先生に決められたら気が重いけど
自分たちで決めたルールなら
コロッと積極的に受け止められるんですね。

おかげで、遅刻も欠席もほぼゼロみたい。

相手を一緒に巻き込んで
”主体性”を引き出すことって
大事なんだなぁと勉強になりましたよ。



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さて、梅雨明けの空がまぶしい今日
ご紹介したいのはこちらのお話。

『父は空 母は大地』
~インディアンからの手紙~

絵本になっているので
ご存知の方も多いかも?


今から160年前の実話ですが
土地を追われたアメリカの先住民による
私たちへのメッセージです。

1854年、アメリカの第14代大統領
フランクリン・ピアスは
インディアンたちの土地を買収し
居留地をあたえると申し出ました。

インディアンの首長シアトルは
迫りくる文明の嵐にこれ以上抗えないと
翌年、この条約にやむなく署名。

下記はシアトル首長が
大統領に宛てたスピーチです。





『父は空 母は大地』
~インディアンからの手紙~


ワシントンの大首長へ
そして 未来に生きる
すべての兄弟たちへ



はるかなる空は 涙をぬぐい
きょうは 美しく晴れた。
あしたは 雲が空をおおうだろう。
けれど わたしの言葉は 
星のように変わらない。

ワシントンの大首長が 
土地を買いたいといってきた。

どうしたら 
空が買えるというのだろう?
そして 大地を。
わたしには わからない。
風の匂いや 水のきらめきを
あなたはいったい 
どうやって買おうというのだろう?

すべて この地上にあるものは
わたしたちにとって 神聖なもの。
松の葉 いっぽん いっぽん
岸辺の砂の ひとつぶ ひとつぶ
深い森を満たす霧や
草原になびく草の葉
葉かげで羽音をたてる 
虫の一匹一匹にいたるまで
すべては
わたしたちの遠い記憶のなかで
神聖に輝くもの。

わたしの体に 血がめぐるように
木々のなかを 樹液が流れている。
わたしは この大地の一部で
大地は わたし自身なのだ。


(中略)


それなのに 白い人は
母なる大地を 父なる空を
まるで 羊か 光るビーズ玉のように
売り買いしようとする。
大地を むさぼりつくし
後には 砂漠しか残さない。

白い人の町の景色は
わたしたちの目に痛い。
白い人の町の音は 
わたしたちの耳に痛い。

水面を駆け抜ける 風の音や
雨が洗い清めた 空の匂い
松の香りに染まった
やわらかい闇のほうが
どんなにか いいだろう。
ヨタカの さみしげな鳴き声や
夜の池のほとりの カエルのおしゃべりを
聞くことができなかったら
人生にはいったい
どんな意味があるというのだろう。


(中略)


大地は わたしたちに
属しているのではない。
わたしたちが 大地に属しているのだ。


(中略)


だから白い人よ。
わたしたちが
子どもたちに 伝えてきたように
あなたの子どもたちにも 伝えてほしい。
大地は わたしたちの母。
大地にふりかかることは すべて
わたしたち 大地の息子と娘たちにも 
ふりかかるのだと。

あらゆるものが つながっている。
わたしたちが 
この命の織り物を織ったのではない。
わたしたちは そのなかの
一本の糸にすぎないのだ。

生まれたばかりの赤ん坊が
母親の胸の鼓動を したうように
わたしたちは この大地をしたっている。
もし わたしたちが
どうしても
ここを立ち去らなければ
ならないのだとしたら
どうか 白い人よ
わたしたちが 大切にしたように
この大地を 大切にしてほしい。
美しい大地の思い出を
受け取ったときのままの姿で
心に 刻みつけておいてほしい。
そして あなたの子どもの
そのまた 子どもたちのために
この大地を守りつづけ
わたしたちが愛したように 
愛してほしい。
いつまでも。

どうか いつまでも。




絵本『父は空 母は大地』
寮美千子・編訳 篠崎正喜・画
(パロル舎刊)

全文はこちらをご覧ください。



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彼らが去った土地に建設されたのが
現在のワシントン州シアトル市です。

シアトル首長の名にちなんでいます。


このスピーチはさまざまな人の
手に渡っていろんなバージョンに
編訳されてきたようです。

上記は作家・寮美千子さんが
新たに編訳されたもので
言葉の響き、とっても美しいですよね。



私がこの詩に出会ったのは13年前、
中日新聞の全面広告に載っていまして

 

あまりに心に響いたので
いまだに記事をスクラップしています。

古文書みたいな焼けっぷりです(笑)



大地にも空にも
自然とともに生きてきた先人たちの
敬愛とか感謝とか、もうほんとうに
いろんな想いが宿っているんだなと思うと

この先どれだけ文明化が進むにせよ
根底にあるシンプルな想いは
未来へ大切につないでいきたいなぁと
切実に感じますね。



 

 



近所の道端に咲いていたお花たち。

ラベンダーのやさしい色に癒されました♡




すっかり夏ですね。

みなさん、熱中症にお気をつけて
水分いっぱいとってくださいね。


長くなりましたが、今日も最後まで
読んでいただきありがとうございます!