http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090406/biz0904061227005-n1.htm
記事では、日本の08年度の外国メーカー車は前年度比、平均でマイナス20%。不況で軒並販売台数を下げている中、アウディだけが1.9%プラスと報じています。
3月にエントリーモデルを購入してみて感じた好調の要因を紹介したいと思います。
要因は以下の4点です。
1)高い商品力
高品質、スポーティなイメージ、環境性能の3つが両立されています。
アウディはフォルクスワーゲングループの一員ですが、GOLFと兄弟車であるため、クラストップの高品質、環境性能という特長を共有していますが、アウディならではのスポーティなブランドイメージが加味されます。最近はデザインがエモーショナルになってきており、以前の無味無臭なイメージを払拭しています。
2)ディーラーの信頼力
アウディのインポータはヤナセですが、他のディーラーとは、接客のレベルが2つも3つも違います。経営者向けにベンツを販売して得たノウハウなのでしょうか?顧客の不満や希望に対して、漏れなく対応してきます。これは営業職として学ぶべき点が多く、貴重な経験でした。
3)収益モデル
各モデルの中でエントリーモデルに対して、最新テクノロジーがいち早く適用されています。環境性能とスポーツ性能を両立したトランスミッション=7速DSGの採用がその具体例です。これにより、エントリーモデルにおいて、競合に比べ高いバリューフォーマネーが得られます。
エントリーモデル(A3)をベースにA4,A5,A6,A8と上位モデルが用意されており、最上位にはR8というスーパーカーが君臨しています。また、同じA3モデルに対して、スポーツ性能を強力に高めたモデルとしてS3が設定されていて、各クラスにも同様のスポーツモデルのラインがあり、単なる1次元ではなく、2次元の製品ピラミッド利益モデルを構築しています。
さらに、エントリーした顧客が競合に流出しない仕組みもあります。新車購入時に次回アウディ車への乗り換えを条件に、下取り額の保証が適用されます。リセールバリューが高い(ことが保証される)点は、数年後に訪れる買い替えを考慮すると、とても効果的なオファーです。これにより、次もアウディを選択するケースを増やすだけでなく、値引き相当額が増え割安感を与えます。
4)プロモーション
通常、クルマは新車登録時に内外装の色や様々なオプションを設定することで、自分だけのセミオーダーができます。これに対して、人気のオプションを搭載した出来合いのクルマを在庫車と呼びます。この在庫車を月内の注文を条件にかなり大幅な値引きをしています。ブログなどを検索すると私だけではないようですね。
通常、値引き額は新モデルのライフサイクルに応じて徐々に大きくなるのですが、車の購入経験者であれば、大体これくらいだろうという内的参照価格を持っており、それを上回る価格を提示されると、すごく魅力を感じてしまいます。ブログで得た感想も同様なものが多いです。
また、値引きの理由が明確で巧妙なのです。「販売が好調で最も人気のある小排気量のモデルの国内在庫が殆ど無い状況です。排気量が上のモデルはまだ国内に在庫車があるので、小排気量のモデルとの差額を値引きさせて頂きます。但し、本国から次の船便が着くと、小排気量モデルの在庫が整うので、今月だけの特別なオファーです。ぜひご検討ください。」というもの。
特に外車は趣味性が高く、購入にあたっては国産車に比べ乗り味の違いを確認するため、試乗して決めるケースが一般的です。大体複数メーカを選定して乗り比べるのですが、アウディは販売も好調で気になる存在なので、見込み客は試乗のため必ずディーラーを訪れることになります。
ディーラーで、前述の4点をインプットされると、競合との大きな差を知覚し、趣味性の面で乗り味に違和感を感じない限り、購入に繋がるのではないでしょうか。