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minimum+anti 小劇場発 ハリウッド行




仕事ばかりでいつも家にいないお父様。
だけど、帰ってきた時には必ずお土産をくれる。
なかなか会えなくてごめんな。お土産を渡すときのお父様の口癖。

そりゃなかなか会えないのは少し寂しいけど、それでも会えるときはたくさん我儘を聞いてくれるし。
私はお父様が好きだ。

お母様は、触れたら壊れてしまいそうなほど細くて白くて。可憐で。
まるでどこかのお姫様みたい。
お姫様マニュアルという本があったら、一ページ目にはきっとお母様そっくりの絵が描かれているに違いない。

でもお母様は見た目の可憐さからは想像もつかないほど大きな声で私を怒る。

もっと女の子らしくしなさい。
ちゃんと勉強をしなさい。

うるさいなと感じることばかりだけど、私はそんなお母様が好きだ。

お婆様は、お母様に似ている。
正確にはお母様は、お婆様に似ている。

お婆様は、悪戯っぽい笑みを浮かべて面白い遊びや面白い話を教えてくれた。


そんな日々が私にとっての普通。

目の前に広がるありふれた光景。

お父様がいて。お母様がいて。お婆様がいる。

ある日夢中になりすぎて、泥だらけになったときはお婆様と二人で並んで、遊んでないで勉強しなさい。とお母様に怒られた。

私はともかくお婆様は何を勉強しろと言うのだろう。なんて屁理屈が頭に浮かんだ。

私は体を動かしてる方が好きだ。
泥だらけになったり、運動をしたり。

勉強はあんまり好きじゃない。
学校の先生の話を聞いてるうちに違う世界にいってしまうことはよくあった。

だけど、お婆様のお話は大好きだった。

お母様の子供の頃の話。
お婆様の失敗談。
おかしな話や怖い話。

他にもたくさん。

違う国のお話やおとぎ話。

ある日お婆様は、死んだ人は星になると教えてくれた。

だから私は、
じゃあ星の王子様というお話は
死んだ王子様がお姫様に会いに行く話なのかと聞いた。

お婆様は、そうだと言って悪戯っぽい笑みを浮かべた。

盛大に嘘をつかれた気がした。

こんな話をしてくれた日もある。

夜空に光る星は、何十年も前の光なんだよ。と。


何故そうなのか?理屈は難しくてよく分からなかった。

1つだけわかったことは、どんなに遠くても光は届くということ。

なんてロマンチックな話なんだろう。


…そこで目が覚めた。

何度目だろう。お父様やお母様、お婆様の夢を見るのは。

私は色のない部屋を見回す。

やがてこれが現実なのだと気付き、私はベッドから出る。

誰もいない1日がまた始まる。



両親はいない。兄弟もいない。家。と呼べるものもない。

物心ついたときからそうだった。

そんな自分を特別不幸だとは思わない。

幸せだとも思わない。

普通。

周りを見れば同じ境遇の人間が溢れるほどいたから。

親や家のない人間は一定数いて。
親や家のある人間が一定数いて。

そうやって世界は成り立っていて。

自分は一定数いる親や家のない人間だったというだけ。

自分にとって普通の事。

手の届く範囲の周囲が自然と悪事に手を染める。

生きるために。

それはごく自然な。父をお父さん。母をお母さんと呼ぶように。

抵抗もなく。決められた流れなのだと自分もその流れに乗った。

目の前に欲しいものがあれば手を伸ばすようにごく自然に。

普通の事。

その流れには常に危険があるということも普通の事。

だから伸ばした手を捕まれたときに、あぁ今日はやけに肌寒いな。と関係ないことを思っていた。

対面した男はまるで普通ではない何かを見るような顔でこっちを見ていた。

「普通俺みたいな身なりの人間から金を掏ろうなんて思わねえだろ。」

あぁ、俺は殺されるのかも。そう思った。それが普通だと思ったから。

だけど男が発した言葉は、自分にとって予想もしないものだった。

「いい面だ。気に入った。」

訳が分からなかった。気に入る?何を?

「今日からお前を俺の弟にしてやるよ。」

兄弟とは突然出来るものなのだろうか。俺が知らないだけで世界の兄弟とはこうやって出来ているのだろうか。

兄貴が出来た。

俺には兄貴がいる。

それがこれからの自分にとっての普通になっていくのだろうか。

男が言った。

「飯でも行くか。」

俺はまるで初めての動作のようにぎこちなく首を縦に動かした。













おはようございます、加藤一博です!

本日、公演日予約分の『何度でも死ぬ。』DVD発送が完了いたしました〜
お待たせいたしました💦

もう数日でお届けできると思います!


次は6月29,30日のカフェ公演。
今回はより多くのお客様に観ていただくために、
今まで観てくださった方には感謝を込めて。
チケット代を頂きません!!
無料ですよーびっくり

今回も場所はCafe Salvador Business Salon。
ご飯が美味しいんですよ。


美味しそうに撮れてますかね?笑
画像はサーモンとアボカドのPOKIボウル。

ポキボウルというハワイ料理。
具材たっぷりで下のご飯が見えません!

ごま油と醤油と塩ドレのタレ。

海苔がサーモンの下に隠れていて、
ほのかに和風な味わい。

レモンをかけるとサッパリするので
これからの暑い日には最高かもしれないですね!ニヤリ


そんなCafe Salvador Business Salonでお待ちしております!


〜閻魔の気まぐれシリーズ〜
『ヒカリ』

【あらすじ】
何に生まれ変わるかを決定付ける
生涯ランクを上げるためあの手この手で挑むが空回り。
果たして行き着く先はカツオノエボシか人間か。
閻魔の気まぐれに翻弄される男と女の物語。

【開演時間】
6月29日(土) 13時/17時
6月30日(日) 12時/16時

【チケット】
無料

ペアでいらした方には
次の公演500円割引か
当日のみ使えるお店商品10%引きクーポンの
特典がございます!

【予約フォーム】
(加藤一博扱い)

【場所】
Cafe Salvador Business Salon
東京都中央区日本橋茅場町1-5-8
東京証券会館1階
東京メトロ「茅場町駅」8番出口直結
2019年8月17日(土)18日(日)に行われる番外公演の出演者を募集いたします。

年齢・性別・経験不問。
稽古期間約1ヶ月。

公演場所
Cafe Salvador Business Salon

詳しくはメールにてお伝えいたします。
ご興味のある方はご一報ください。
minimumanti@gmail.com
閻魔の気まぐれシリーズ
ヒカリ

【あらすじ】
何に生まれ変わるかを決定付ける
生涯ランクを上げるためあの手この手で挑むが空回り。
果たして行き着く先はカツオノエボシか人間か。
閻魔の気まぐれに翻弄される男と女の物語。

【開演時間】
6月29日(土) 13時/17時
6月30日(日) 12時/16時

【チケット】
無料

【場所】
Cafe Salvador Business Salon
東京都中央区日本橋茅場町1-5-8
東京証券会館1階
東京メトロ「茅場町駅」8番出口直結
おはようございます、加藤一博です!

『何度でも死ぬ。』DVDがまもなく完成です!


エンコードによるノイズに悩まされ。

あらゆる方法で試し。

挙げ句の果てには編集ソフトが
フリーズする始末。


が。


ついに!


ついにこの時が来た!!


古いOSを使っていたが、新しいOSでのDTM関連の不具合が心配だった。


意を決してアップデートしたら、
あっさり解決!!


なんなんだ今までの苦労はまったく。


今最終チェック中ですので、まもなく皆さまにお届けできます!!





はー疲れた・・・。

こちらでのご挨拶遅れましたが…

改めて、劇団minimumanti 第9回公演『何度でも死ぬ。』にご来場いただきまして本当に本当にありがとうございました。


舞台が終わってちょうど1週間。

1月 カフェ公演
2月 客演
3月 劇団本公演

ありがたい事に3ヶ月連続で舞台に立ってました。


自分的学年?ではまだまだだ赤ん坊な私ですが、今後とも常にパワーアップして皆さまにお届けできるようがんばります。



次は6月末、カフェ公演です。


自分の中でやってみたい事が出来まして。
明日には新元号も発表されるし、4月で平成は終わるし。
ちゃんと計画して皆さんに報告出来たらなと思います。



ありがたい事にツイッターのフォロワー数がいつのまにか200を超えてたので。
いつもありがとうございます。


おはようございます、加藤一博です。

『何度でも死ぬ。』ご観劇ありがとうございました〜!

今回も楽しんだり、悔しんだり。
まだまだ。
まだまだ甘いです。

もっと自分を伸ばせる。
もっとミニマを伸ばせる。

そう思います。

今の自分を壊して、常に新しくなりたい。


今回の公演はー

初めて自分の曲にダンスがついたこと。
正直あの曲で振り付けできるのかと思ってました。

しかしもう最高でしたね、稲葉麻由子さんのダンス。

見てて切なかった。
こんなにも身体で役の心情を表現できるのかと。

激しく鋭く重いサウンドの中で、
踠き苦しみながら孤独に舞う
みらいの姿・表情に何度泣いたか。


今回のオープニングテーマ、snowdropは普段絶対作らないであろうジャンル。
大体メタルとかメタルコアってギターのテクニックが聴きどころなんです。
でも僕は簡単に弾けるカッコイイギターをモットーにしてるので、あの曲も簡単です!

さて、次回のミニママンチの公演は6月29,30日!
3回目になりました、カフェ公演でございます!
普段の劇場とは違った空間で皆さまに楽しんでいただけたら嬉しいです。

ありがとうございました〜!
遅ればせながら。
何度でも死ぬ。
無事に終演致しました。

誰よりも罪を憎んで、人を突き放して、そして誰よりも人を愛していたユキ ダイスケ。
煮えたぎる業を抱えて、必死にそれを抑えていました。
こんなにも苦しい思いをさせられた役柄はなかったのではないかと思っております。

元嫁役の永友さんとは必要以上に話をしないようにしておりまして。
話すと何か、距離が縮まるのが怖くて。
最後くらいは話そうかとも思ったんですが、今更何を笑顔で話せる事があろうかと思って結局話せず終いでした、ごめんね。
逆に、みらい役の稲葉さんとは積極的に話をするように心がけてまして。
その方が落差がガツンと出るかなと思って。
仲が悪いわけではないし、プライベートでそういう苦しめたいとかではなく、話してる時は本当に楽しかったのよ。
ただ、そういう魂胆があったってだけ。
変な意味じゃなく。
本当に仲良くなれて良かったと思ってる、ごめんね。

まぁつまり、自分の中で共演者の方との接し方は少しずつ変えるようにしてまして。
良いか悪いかは置いといてね。

でも本当に、本当に皆好き。
愛していた。
時間も人も。

あの中の誰か、別の人がやったとしても、誰がいたとしても、あのお芝居は出来ますが、あの日あのお芝居は皆でなくては駄目だった訳で。
最高の座組なんて言うつもり、これっぽっちもありませんが、くそほど愛しい人達でした。

そして観にきてくれた全ての方々。
素敵な笑顔が観れて本当に幸せでした。
貴方達がいるから我々はこんな難儀な仕事が出来るのです。
どうか、こんな僕をこれからもよろしくお願いいたします。

それでは、またどこかで。
全ての人に万感の意を込めて。
ありがとうございました。






snowdrop

作詞:岩永大生 曲:加藤一博


曇天の中でたたずむ 夢を見ないマネキン

乾かないアスファルトに 俺は一人きり

俺を避ける雨が君を隠すように

欠片が流れてく前に刻め残像を


叫ぶ声は千切れてさまよい消えて

振り向いた先が前だと言い聞かせても

自分を欺く嘘に、全て飲み込まれて

跡形もなく消え去った。


君か君かも分からないままに 誰かが傷ついて

悪意ない悪意が心殺してゆくんだ

あの日に時計の針を戻しても

描いた景色は燃えて赤黒く染まって消えてゆく


(if)

叫ぶ声は俺には届かなくて

せめて最後に見た空は青く澄み渡ってたかい?

途切れるその瞬間君は何を思っただろう?

俺はまだここに立ったまま