外来を途中で引き継いだ女子。
20代半ば。高校卒業後仕事をするも
いじめられて職場退職してからずっとひきこもること数年。

お姉ちゃんで
ずっと
しっかりしなくては
で育ってきた。

家でわっとなると母や物にあたる。
自分を傷つける。
繰り返してきた。

診察も心理カウンセリングも母親が一緒。
常に。

受け継いですぐくらいの回で話を聞いていて
家でごろごろ
母親がいないと寂しい
などなど話を聞いて
洗濯をして干してみようか
などとこちらが言ってみたところ
母親が
心理の先生は休む時期は休んでいいですよと言った
と言ったから強くは言わなかった。
洗濯の干し方を工夫すると面白いよ
などなど話をした。

その後は
診察時こちらは話を聞くだけにして
ああしようかとなどは言わないようにしていた。

その頃から
幼い話し方をする彼女になった。
考えることは年相応なのですが
話し方興味等が幼い子になった。
明るく楽しい女子になった。
いろいろ出来るようになった。

と。

先日
母親が日中いなくて寂しくてたまらない
食事も食べられない
眠れない
死のうとした
などなどあり1カ月入院した。

そして退院して二週間して外来にやってきた。

調子がよくなりにこにこ退院したはずなのだけれど
家に帰って食べる以外は寝て
過食になっている
と調子の悪い顔をする。

起きていると食べる。異様に食べる。
と話す。

こちらは
起きている時に何かすることないかなあと考えて
絵を描くことを提案してみた。

と。

うまく描けないから嫌だ
と言う。

こちらはそれを聞いて
絵を描くのにうまい下手はかんけいないよ
と言った。

彼女は
みんなにみてもらいたい
上手に絵を描いていた
下手になっているから途中で描くのを止める
と言う。

何故に過去の自分と比較するのか
何故にみんながうまいと言う絵を描かなければいけないのか
とこちらは思い
一生懸命に言った。
そうやって比較するからしんどいんだよ
と。

と彼女は泣き出した。
どうして怒るの
と。

母親が怒った。
どうしてそんな言い方をして怒るんですか
乖離性障害の娘にそんな言い方をしていいんですか
私はそんな言い方をしたことはないです!
と怒り
そんな言い方をするから
この子はこんな幼い言い方をする子になったんですよ!
と怒った。

心理では寝てていいと言われ
こちらには洗濯でもしてみようかと言われ
どちらに従ったらいいか3日悩んだら
幼い話し方の自分が出てきた
と彼女が言う。

こちらがびっくりしていることに
彼女と母親はびっくりする。

そして
心理とこちらは話をしないのか
統一しないのか
と母親がこちらに詰問する。

彼女は泣く中で
母親と一緒に買い物に行く自分は年相応でない
母親と産婦人科行く自分は普通でない
などなど話して泣く。

母親は
年相応の子が玩具をみて欲しいなあなんてみますか!
とこちらに怒る。

今の彼女の話し方は幼いが
そのような話し方をする子はいる。
考え方は年相応以上の事を考えられる。
枠にとらわれすぎるから
症状がでたのではないかなあ
などなどこちらは話す。

一生懸命話すと
東京弁になる私です。
関西圏ではきつくとられます。
怒ってないのに
怒っているように聞こえるようです。
疑問型が命令型に聞こえるようです。


当たり障りなく話してきたこちらであるが
はじめて
本音をみせた
感情を表出した
彼女と母親をみていろいろとみえてきた。

年相応に人前では演じる演じようとする彼女。
昔はこうだったから。
とらわれ。

今の自分を見ないで
常に過去と周りと
自分を比較する。

元の自分に
元の話し方をする自分に戻りたい
と焦る。

こうしなければいけない
と思いすぎる。

幼い自分をも自分と受け止め
周りや過去と比較することなく出来るようになったら
生きるのが楽に自分らしくなれるのですが。

わあわあ泣いて話す中
表面的には
寝る以外は過食していると言っていたのが
いろいろ外に出て出来ていることがぽろぽろ口をついて出てきた。

出来ているよ。いろいろ。