非義勅命は勅命に有らず
非義勅命は勅命に有らず
幕末の薩摩藩士であった大久保一蔵(大久保 利通)が西郷吉之助へあてた書翰の中で「非義勅命は勅命に有らず」という言葉がある
勅命とは朝廷がだす命令である
下記は大久保の書いた書翰の現代訳である
至当の筋を得、天下万人がご尤もと承知してこそ勅命と申せるのであり、非義勅命は勅命にあらず故、このことこそ、従わないとする理由であります。
大久保は長州再征の勅命が幕府の私利私欲、保身からでたものであると考えこれは非義(不正義)であると言っている
この発言から大久保の公共心の広さ、合理的思考が見てとれる
封建時代の武士とは思えない能力である
「至当の筋を得、天下万人がご尤もと承知してこそ・・・」というのは、社会学でいうところのコンセンサスだ
一部の勢力が狭い公共心で私利私欲に走り国権(勅命)を発動するべきではないのである
合理的な政策を天下万民が理解して、承知した上で国事はなされるべきなのである
大久保は政治の本質をシンプルな一文で表現していると思う
参考サイト 幕末備忘録
http://www2.odn.ne.jp/kasumi-so/bakumatu/index.htm