デルフィニア戦記12。

王妃と国王の離婚騒動。
前代未聞の出来事に振り回される人々に、やっと訪れた平穏に忍び寄るファロットの陰謀。

前巻が離婚宣言で終わったので、どうなることかと思いましたが、やはりリィはリィだなと。
常識が通じないのは今に始まったことではないですし、それがリィの良さでもあるんですけど。
わかりやすいタイトルのわりにファロットが出てこないなぁと思っていたら、後半で。
怒りよりも言葉では言い表せない恐怖と、少しの好奇心が残りました。
新しい辞書作りに携わる、不器用でまじめな変人たちの物語。

一冊の辞書ができるまでに、どれほどの時間と労力がかかるのか考えたこともなく、辞書に対する情熱に胸が熱くなりました。
ぬめり感と独特の匂い。
学生時代を思い出させてくれ、懐かしい気持ちにも。

不器用にもがきながら進む愛すべき登場人物たちの奮闘に、読み進む手が止まりませんでした。
デルフィニア戦記11

隣の二国の陰謀と、無事に戻った国王の壮絶な夫婦喧嘩。


リィが人間じゃないとわかってるつもりでも、やっぱり思い込みは捨てきれず。
人間の常識の中で生きていたから、それを覆すものを受け入れるというのは、登場人物たち同様、私も難しく。
二人に名実ともに夫婦となってほしいと願ってしまうのは愚かなことなんだろなぁ。